劇場公開日 2023年10月20日

「まぁ観たいもんは観られると思いますよ。ただ...ねぇ?」ザ・クリエイター 創造者 不敗の魔術師さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0まぁ観たいもんは観られると思いますよ。ただ...ねぇ?

2023年10月22日
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まずは、大スクリーンで新作オリジナルSF映画が見れた事に感謝。大の大人が大金集めて架空の世界を一生懸命成立させようとして、あたかも本物であるかのように見せつけられるのを楽しむ。これぞ映画だなぁって体験はやっぱりSFにこそあるような気がします。
田園風景に佇むロボットっていう絵面はまさにセンスオブワンダー!って感じで良かった。ノマドの圧倒的超兵器感も、ニューアジアの人達にゃ申し訳無いけどワクワクしましたね。

で、どんな突拍子もないテクノロジーが出てきたって、ブッ飛んだ世界観だって、良いんですよ。SFなんだから。
ただ、その作品内での「理屈」が通ってないのはいただけない。
見え見えの「違和感」が説明されないまま進行すると、コッチはせっかく本物だと信じ込もうとしてるのに、世界観に穴が開いて没入感が徐々に漏れ出して行っちゃうんですよ。

まず西欧進歩(合理)主義VS アジア自然主義という対立構図自体古臭すぎる。近年のハリウッドはポリコレに耽溺して観客を置き去りにすらしていたりする癖に、配慮するのは声の大きい人達に対してであって、アジア人なんかは未だに平気で見下してくるなぁと毎度感じますね。

っていうかこれ、西欧は恨みによってAI(最新科学)を禁ずる事で合理を放擲してるでしょう?
なのに描かれ方としては「文明は進んでるが邪悪な西洋人」と「遅れてるが精神的豊かさを持ったアジア人」っていうあたりに落ち着くのは支離滅裂かと。
なんで進歩に感情的歯止めをかけるような、天動説絶対支持の暗黒時代キリスト教社会みたいな連中が「AIと共存する事でその先に行った」筈のアジア人を圧倒してるのよ。何故アジア人はボロを纏いバラックに住み顔さえ洗わない未開人のように描かれるのよ。なんで狙われてると分かってるのにまともな備えもせず、場当たり的に雑多な小火器で抵抗するのよ。

別にそれならそれでもいいけど、ちゃんと「何故そうしているのか」の説明はして貰わないと。「戦いを軽蔑しているから」でも何でもいいから。それすら無いというのが、ナチュラル見下しの証拠かなぁと。

あと、核落としたAIの意図や事情やその後の説明は絶対必要だったでしょ。
一番大事なその説明がないから、両陣営の善悪の判断がつけよう無いですよ。
一度核攻撃かけてきて大虐殺かましてきた陣営をそのままにしておいたら普通に危険でしょ?またやられるかも知れない訳だし。
西洋人を邪悪な存在として描きたいなら、「二度目は起きようがないのに」という理屈なりを用意しておかないと...。

で、最終的にノマド落としてハピエンみたいな空気醸してるけど、あれ設計含めてたった10年で作ったんでしょ?
だったらまたすぐ同じの作られるんじゃ?と思う訳で。
作中でも「戦況が傾く」と言われてた訳だけど、っていう事はこれまで無抵抗で受動的だったニューアジアは西欧社会に大侵攻かけて圧倒的虐殺を始めなきゃって事になりますわな。
想像つかないけど、そうしないとまたノマド2作られて結局同じ事の繰り返しにしかならない。
ここがまさにこの映画の救いようの無さかなぁと...。

不敗の魔術師
不敗の魔術師さんのコメント
2023年10月23日

あーいやでも、やっぱり信じられるのかどうかが大事っすかね...?

どうせなら人間の誤作動である動かぬ証拠を示してるのに、西欧側が強引に無視してる、ぐらいのくだりがあれば「でも大勢の人の命がかかってる訳だし...」とは思わせない作りになったかもですね。

どっちにしろ私は聞き逃しちゃった訳ですが(笑

不敗の魔術師
不敗の魔術師さんのコメント
2023年10月23日

おっとと。
訂正ありがとうございやす〜
こいつぁ失敬!
だとするとまぁ悪いのは西欧側すなぁ

不敗の魔術師
あっとまんさんのコメント
2023年10月23日

えーと、核落としたのはAIでなく、人間の誤作動と、けんさんが話してたと思います。もちろんそれ以上の説明はなかった。これ、聞き取るか、信じるかで、このストーリーのうけとりかた、かわってきませんか?

あっとまん