リバイバル69 伝説のロックフェスのレビュー・感想・評価
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タイムマシンに乗ろう
リアルタイムで観たことの無い時代のレジェンドたちのフェスをタイムマシンに乗って観に行ってきました。
リトル・リチャードのステージはインパクト大で、ワクワクする。
アリス・クーパーの割れたすいか、羽枕の羽を撒き散らしてスモークと共に舞台を幻想的にした映像でぶっ飛んだ上に、鶏を渡され客席に投げるパフォーマンスにおったまげる。
鶏は飛ばず、客も受け止めず鶏が死んだとかシュールすぎる。
衣装も凄かった。西川貴教の20年以上前にあんな帯の衣装を着てたなんて!
ジョン・レノンのやっぱフェス行かない、花を送っておく発言に驚いたが、エリック・クラプトンが寝坊したけど行くと聞いて、じゃあ行く!となり、飛行機の中でリハーサルなんて大物でないと許されない。
オノ・ヨーコの奇声や袋に入るパフォーマンスは謎だけど、彼女無しにはジョン・レノンはステージに立つことは出来なかっただろうし、演奏をヨーコに合わせに行くジョン・レノンの姿にパートナー愛を感じた。
ドアーズの曲をもっと聞きたかったが、ステージが撮影不可だったせいもあってあまり聞けず残念。
ステージのシーンとインタビューだけだとまとまらないが、アニメーションがいいつなぎになってハンバーグのようにまとまっていたかな。
ちらっとダリが出てきたのも時代を感じられた。
2023年ベストムービー!(パンフ販売有)⭐️⭐️⭐️✨✨✨
1969年9月13日、カナダ・トロントで開催された音楽フェスティバル「トロント・ロックンロール・リバイバル」の、その舞台の裏側に迫ったドキュメンタリー作品です。
音楽的な事に加えて、欧米のショー・ビジネスの世界を垣間見ることも出来て、とても面白い作品でした。ミュージシャンの演奏を淡々と映し出すのではなく、当時の時代背景や、"今"の視点から当時の出来事を批評的に見ており興味深い作品に仕上がっていたと思います。ビートルズ・ファンや50年代ロック・ファンだけでなく、"あの時代"のロックに興味がある方たちには、新しい情報も満載ではないんでしょうか?(有名なエピソードなのかも知れませんが、アリス・クーパーのファンにも面白いエピソードもあるかも知れません…よくわかりませんが笑)。
個人的に勉強になったというか、目から鱗だったのは、オノ・ヨーコの音楽や芸術に言及されている場面でした。彼女のあの"奇声"は、「前衛」という言葉ばかりが並べられて、なんか分かったような分からないような解説ばかりでストレスだったのですが、この作品では、当時の時代背景と共に、(ちょっとは)納得のいく言葉で、当時共に関わった人たちの生の言葉で解説されています。少し胸のつかえが取れたような気分です笑
あと面白かったのは、ジョン・レノンのトロント行きが、当日?の朝になって、危うくキャンセルとなりそうになった場面です。久しぶりのライブということもあって緊張はあったんでしょうが、「ちょっと気分が…」という、なんとも天邪鬼で駄々っ子みたいな理由でというのが笑えます(さすが大物!)。しかも、結局は「エリック(・クラプトン)が行くなら、俺も…」というのも何だかなぁです笑
この時のジョン・レノンのライブは公式盤「Live Peace in Toronto 1969」として発売されていますね("青空に雲ひとつ"のジャケット)。"いっちょ出来上がり"でアルバム1枚を仕上げてしまう彼らは、やはり只者では無い…笑
*かつて観た映画に『ロックン・ロール』(原題は"The London Rock and Roll Show")という作品があって、こちらもチャック・ベリー、ボ・ディドリー、リトル、リチャード、ジェリー・リー・ルイスなどが出演しており、いわゆる50年代ロックのリバイバル・ショーを記録したライブ映画でした(こちらはライブ映像がメインだったと思います)。私は、その作品もてっきりトロントで撮影されたものだと思っていたのですが、Wikipediaで調べてみたら、そちらは1972年8月にイギリス・ロンドンはウェンブリー・スタジアムで開催されたコンサートでした。当時は、一周回って50年代の音楽とかが見直されていたんでしょうね。
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