「キャストは好演も、ミステリ映画ではない」怪物の木こり LittleTitanさんの映画レビュー(感想・評価)
キャストは好演も、ミステリ映画ではない
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1. キャストは好演
採点は低めだけど、見処が皆無な訳ではない。亀梨和也が体現したサイコパスも、対峙する菜々緒の凛々しさも観て損はない。ただ、吉岡里帆のポテンシャルを知った今となっては、最後のちょい反撃するぐらいじゃ物足りなかった。
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2. ミステリ映画ではない
「このミス」大賞作なので、原作は面白いんだろう。しかし、映像化された本作はミステリ映画ではなかった。ミステリなら、観客に推理(考察)する材料を提示すべき。しかし、脳内チップのそもそもの機能、チップが殴られた程度で壊れる可能性がある事、チップの故障で精神状態がどう変化するのか等のポイントが、犯人や二宮の独白ではじめて明らかになる。つまり、ミステリとしてはヒントが少なすぎる。結局、最初からいかにも怪しげな人物が"木こり"なのも、ガッカリ。冒頭の少年と二宮のカットバックがミスリードではあったが、二宮自身が木こりに襲われてしまうと、彼が犯人(木こり)とは思い難い。
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3. マッドサイエンティスト?な東間翠がなぜ自刃する?
子供を次々誘拐し、脳内にチップを埋め込んだ東間翠は、冒頭で警察に追い詰められ自刃する。この行動の原理がよく分からない。チップの埋め込みが、彼女の実験であるなら、子供達がどう育つか追跡調査する欲求に駆られる筈。複数の子供を術死で死刑になっても、死刑は何年も執行されない事が多い。運良く無期懲役になれば、何らかの形で被験者の動向を知るチャンスがある。東間自身がサイコパスで罪の意識がないのなら、自刃などせず学術的好奇心を優先しそう。自刃での幕開けは、おどろおどろしさこそ醸成するが自分設定に矛盾を感じる。
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