「居心地の悪い状況から、だんだんと小さな幸せが増えていく。こころに染みる良い映画」違国日記 p.f.nagaさんの映画レビュー(感想・評価)
居心地の悪い状況から、だんだんと小さな幸せが増えていく。こころに染みる良い映画
冒頭、とても厳しい状況で、居心地の悪さの中にいる主人公二人が、いくつかのエピソードを重ねるうちにだんだんと前に向いて、素直な心になっていき、小さな幸せを感じる場面が増えていく。いい映画だなと思いました。
餃子を手作りする場面、朝がひとりで歌いながら学校の廊下をひらひらする場面、ラストのバンド演奏の場面など、主人公たちは泣いたり叫んだりしていない、普通のことをしているのに、心に染みてじわりを来る感動がありました。
ガッキーも良かったですが、朝役の早瀬憩がとても良かった。まだまだこころが不安定で気持ちがどう転んでいくか自分でもわからない15歳という年頃であり、一度に両親とも亡くしたショックも抱え、友達との関係もいろいろある。難しい役どころでしたが、観ていて自然に応援したくなる気持ちになりました。浮かれる場面もうまかったし、急な展開に驚きつつ言葉をつなぐ場面も良かったし、海岸で涙を流す場面は完璧でした。
冒頭の父と母の二人とも亡くなるシーンは「こんな駐車場ではそんな事故は起きないでしょ」と感じます。槙生(ガッキー)の「です・ます」を使わないぶっきらぼうなしゃべり方に「葬式なのに、そんな言い方する?」と思ってしまいます。というぐあいに、映画の冒頭15分くらいは、違和感がありますが、そこは我慢して鑑賞を続けましょう。
冒頭の違和感とは別ですが、「あそこから落ちて、あんなに粉々に割れないでしょ」とマグカップの場面で感じてしまいました。両親の交通事故の描き方(ナレーションだけの方が良かったのでは?)と合わせて、少し不自然さも感じたので1点マイナスの4点の評価です。
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