「押し付けられる「普通」への抗い。「普通」からの解放を見る作品」違国日記 テレビウォッチャーつばめさんの映画レビュー(感想・評価)
押し付けられる「普通」への抗い。「普通」からの解放を見る作品
科学的根拠も現代社会が築き上げてきた道徳的正しさもない、単に社会構造に影響を受けただけの「普通」を無意識に押し付ける人々。
人と人との関係を「親子」、「親友」、「恋人」、「友達」などという言葉で定義し、当てはまっているのが「普通」。
でも、人間関係は無数のバターンと無段階のグラデーションでできているという現実を認識できる人からすると、関係性の単純な定義と、定義への当てはめはクソみたいな同調圧力以外の何物でもないことを作品を通じて感じさせられます。
憎しみの対象である姉の事故死により残された姪御と主人公の血のつながらない家族(親子)関係の形成過程が物語の中心です。
単に主要な出演者が同じということに加えて、「普通」との戦いというテーマの観点で、約半年前に公開された新垣結衣出演作「正欲」とつながっているなという感覚が芽生えました。
さらに、黒人系俳優や白班の俳優を高校生役として配置しているけれども、肌の色にまつわるエピソードが出てこないところには好感が持てました。それも含めて普通だろ、という作品制作側の意志を感じました。
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