「映画を愛した男 クエンティン・タランティーノ」クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男 yookieさんの映画レビュー(感想・評価)
映画を愛した男 クエンティン・タランティーノ
(先ず言及しておきたいのは、タランティーノ作品履修済の人向けであること。作品の内容・結末に触れてもいるのでネタバレ回避したい人は要注意。私はこの映画の公開に際し、未鑑賞だったパルプフィクション再上映に行っておいてよかった。)
タランティーノほど映画を愛している男は居ないのではないか。彼の映画愛の強さ・大きさに満ちたドキュメンタリー・フィルムだった。
ビデオ屋の店員で映画オタクだった彼が、映画界のスターダムを一気に駆け上がっていった「ハリウッド・ドリーム」という言葉を体現するような人生だ。
そんな彼が25年来の友人との訣別することになる。ハーヴェイ・ワインスタイン事件だ。彼の経歴にも相当な傷が付いただろう。その後に撮った作品が「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」だという事に、映画の内容を思い返して改めて感動し、涙した。
最高だ。
本人が映画内では一切語ることなく、周囲の関係者が彼を評するのだが、同じ俳優やスタッフを採用し続けるなど仲間を大事にするタランティーノだからこそ、そうして愛されるのだろう。故に、友人との別れや仲間の事故には胸が痛い。
最後になるとタランティーノが公言している次回作が、楽しみである。でも、まだ公開されて欲しくないとも思う。もっと続けて欲しいからだ。しかし彼は10作目で引退するだろう。引き際を美しく潔く、彼が撮ってきた作品のエンディングのように。
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