「幸せすぎて不安なの」不安は魂を食いつくす ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
幸せすぎて不安なの
クリックして本文を読む
「幸せすぎて不安なの」とエミは言う。
そう言えば、三島由紀夫の「永すぎた春」の主人公も同じことを言ってました。幸せはそうそう長くは続かないという誰もが心の奥底では気がついている真理。だから幸せって実は怖い。私は三島やファスビンダーのこういうところが好きです。
若き移民労働者と初老女性の結婚は、人々の差別意識を浮き彫りにしていました。周囲の人間は悪人ではありません。しかし悪意があります。排他性や差別の始まりは、真面目な良き隣人や身内から、というのが良く描かれていました。人々は不安から差別を作り出しますが、不安を感じたからこそ、ここまで人類は栄えたのかもしれないですよね。
多分、エミが男性だったらアリが白人だったらここまで差別されなかったと思います。そんな周囲の悪意によりエミとアリは終わってしまうかな?と思ったのだけど、、、
エミがアリを支配しつつありましたが、結婚制度の仕組み自体がそもそも双方の力関係が出る仕組みだからなあ。
ファスビンダー だからと身構えて鑑賞していましたが、意外や意外、ハッピーな気持ちで鑑賞を終えられました。
不安、良くない。差別、良くない。
コメントする