「特殊詐欺に加担するネリとチビネリの物語り」BAD LANDS バッド・ランズ 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
特殊詐欺に加担するネリとチビネリの物語り
この映画を楽しめなかった自分がめちゃめちゃ悲しくて悔しい。
明石家さんまさんが好きでないから?
原作者の黒川博行さんは大阪弁以外では、
小説を書けない人だから?
私がこの映画の良さを理解するセンスないから?
(内容に深くネタバレしてます)
(この映画をケナしてますので、好きだった方は読まないで下さい。
15歳のとき、性被害を受けていた義父を義弟のジョー(山田涼介)が
殺害した。
その後東京のIT変態社長の性奴隷となり、
その男の暴力により鼓膜を損傷して、左耳の聴力を失う。
出所したジョーが賭博で借金を作る。
ハングレヤクザにした借金を返すため、
ジョーは手っ取り早くネリの実父で
特殊詐欺の元締めの高城(生瀬勝久)の財産を狙い強盗を決行する。
ジョーは組み合ううちに高城に刺されそうになる。
物音で駆け付けたネリが、背後から高城の背中を刺して殺す。
そしてジョーは共犯の男も殺す。
ネリとジョーは2つの死体を高城のベンツで運び
山奥に埋める。
さて、高城の財産を奪うための実印そしてキャッシュカードなどの
暗証番号をどう探すか?
それはみつかるのか?
という話し。
幾ら簡単に書いたつもりでもこれだけ長くなる。
粗筋を聞いたら詰まんない話しですよね。
(正直言って詰まんなかったです。)
良かった点。
撮影とセットと俳優そして音楽。予算は潤沢みたい。
場面転換に使われる弦楽合奏はヴァイオリンやチェロの美しい曲で、
この映画のクォリティを上げていた。
安藤サクラは、70%の余力で、フットワークの軽い、しなやかで
運動神経と頭のまぁ良い女•ネリを、そしてチビ煉を
今までにないサクラを見せました。
悪い点。
1、聞き取れないほどの早口、
「検察側の罪人」と「ヘルドックス」
はじめ喧嘩売ってんのか?と腹が立ったが、必死で聞いてたら聞こえてきて
結果ペースに乗せられて、早口は面白く効果的だった。
しかし今作は字幕有りで見たけれど、全く乗せられない、
乗っからなかった。
ワル滑りする会話に冷えてゆくばかり。
(関西人出ないからかな?ともかく笑えない)
2、陰湿な内容
性被害、実家の放火、そして性奴隷になり逃亡者となり、
実父を頼り特殊詐欺に加担して、遂には実父を殺害して死体遺棄。
こんなドロドロの役を軽々と演じる・・・
ときにドスの効いた声で凄むネリ。
これって、いわばネリはダークヒロインだよね!!
ヒロインである事に納得出来ない自分。
なんか割り切れない‼️
私には、この映画、古臭いし、ダサい・・と思う。
原作者の黒川博行さんはギャンブル中毒を自認してる方ですが、
曼荼羅(宇崎竜童)の花札賭博とか、今どき、する人いるの?
曼荼羅がタトゥーの上半身裸で晒すとか、
あり得ない(老骨に寒そう・・・)
今どき元ヤクザもんは、小さくなって生きてますよ。
セットも凝っててバーとかカフェは鉄パイプの組み立て様式で
センスが良かったが、
3、無駄にインテリアが美しい
広すぎる曼荼羅の部屋とか・・・
高い天井、太い立派な鴨居、
投資家社長のオフィスは、もっと無機質でいい。
社員が水商売みたいな服装で、社長が美女を侍らせる企業は
あるのかな?
基本、金持ちは女に不自由しない
(勝手に女が蟻のように砂糖にたかってくる)
ネリに拘る(彼の権勢を否定したから、かね?)
胡屋(渕上泰史)の気持ちが納得出来ない。
ついでにネリの居場所を突き止めて戦闘モードの胡屋を
復讐のために討ち死に覚悟で殺しに行くジョーが、
納得出来ない。
ジョーはネリを愛してるんだよね!?
そこら辺が山田涼介の演技力と存在感の足りなさか?
途轍もなく薄っぺらい。
格好良いネリ。
ネリがコートの裾を何回もひるがえす!!
ラストで3枚くらいコートを投げて着替えるよね!!
それが格好良さの表現・・・なんだか、北風小僧だね!
女性版のハードボイルド・ノワール。
ダークヒロインのネリ。
特殊詐欺の仕組みと警察の攻防、
後手後手だね、
江口のりこをもっと活かせたら良かった。
結局は同じ穴のムジナの《実父殺し》がメイン。
原田眞人監督作品は早口で捲し立てるうちに、
リズムに乗せられて夢中になるパターンなのだが、
この映画は最後まで私の中では盛り上がらなかった。
硬茹で卵(ハードボイルド)の黄身は、
実は孵化しかけたアヒルの卵を茹でる
ベトナムのアヒル料理のホビロンみたいに口に異物がモゾモゾして
飲み込めなかった。
(口に合わなかったんです)
安藤サクラはドロドロの不幸の連鎖を犯罪で断ち切る
ネリとチビネリの混迷を演じ分けていた。
(こんな事長々と書く自分に自己嫌悪)
(書きたくなかった)
琥珀糖さん
いつもありがとうございます!
私もこれ、ダメでした。。
「52ヘルツのクジラたち」いつも自分も見てから皆様のレビューを読ませていただくのですが、つい読んでしまいます(^o^) 見たらまたコメントさせていただきますね~。
琥珀糖さん
コメントを頂き有難うございます。
ギャング映画だと、ギャングとはそういうものだと、何処か割り切って観ているからかも知れませんが、本作、小さな違和感を抱えながらラスト迄観ていた、というのが正直なところです。
安藤サクラさんの熱演には引き込まれましたが。
こちらこそ宜しくお願いします。
皆精一杯生きている狭い島国の日本で、毎年のように何かしらの大きな被害が起きている現実が辛いですよね。
当事者の方々は本当に悲しく辛いでしょうね。
琥珀糖さん
今年もよろしくお願いします。
山田くんも出ていたので
わたしも期待していたのですが…
思ったほど引き込まれませんでした。
もう。
安藤サクラさんのカッコよさを観る映画でした。