「安藤サクラの映画」BAD LANDS バッド・ランズ かばこさんの映画レビュー(感想・評価)
安藤サクラの映画
近代的だったり西成があったりの、猥雑なアジアの都市感溢れるディープな大阪に、クライム・サスペンスは合うと思う。
ボケてはツッコみ、軽妙だが凄みある関西弁がめっちゃ効果的。
セリフのやりとりに味が出るんだよね。
何言ってるのかわからないところも多かったですが。
じめじめせず、乾いた感じが良い。
特殊詐欺グループ、半グレ、ヤクザ、巨悪を抱えるサディストの投資家等々、裏社会の団体・利害関係者、そのうえ警察まで絡まって複雑になる分面白さが増す。
警察の班長、江口のりこと安藤サクラの対決の話になるのかと思ったが違った。
残酷な人生を生きのびてきたネリの処世術は半端ない。
優しいがドライ、生きる知恵と度胸と頭脳で彼女が裏社会の抗争をすり抜けるのは爽快。
安藤サクラが圧巻で彼女以外にネリを演じられる女優はいないと思う。
安藤サクラにしてはネリは大分若い感じだが違和感なし。
山田涼介の弟・丈はイキってる割に普通にビビりで、ちょっとかわいい。ねえちゃんに甘えているし。
血は繋がってないがともに修羅場をくぐった絆は強く、二人の関係にはホッとするものがある。
伏線多く、きっちり回収される。月曜日の巫女、ここで来たか、と思った。
宇崎竜童の曼荼羅がとても良い。漢っぷりに惚れ惚れしました。かっこいい!
弟・丈の行動は予想通りで、やっぱりなあ、と思った。 哀しい。
自分の願望として、曼荼羅と丈とネリが揃って無事に南国のビーチでくつろぐ姿とか観たかった。
途中ちょっとダレるのでもう少し短くてもいいと思うが飽きるほどではなく、最後までハラハラしながら観た。
俳優の起用が上手いと思う
安藤サクラ、山田涼介、宇崎竜童、この3人は言うまでもなく、天童よしみなど意外だがハマっていてよかった。サリngROCKさん、ずっと山田優だと思ってた。
賭場が「新選組の映画で使ったところ」、岡田くんが出てきたりとか、楽屋落ち。
土方と沖田、廃銭湯で再会。
すみれ7878さん
生まれも育ちも関東な自分にはよく聞き取れなかったけど、いきおいと雰囲気でオッケーでした。
とんでもなマジ怖い場面でも息するようにボケてツッコむネイティブの皆さん、怖いのにそこはかとなく可笑しみ出ちゃう、すごい言語です。
これほど関西弁ネイティブな映画。関西人でない俳優さんたち、頑張ってたと思います。多分ですが、関西人でないと字幕があっても読めないでしょう。標準語に変換した字幕が必要かも...でもニュアンスが伝わらんか。「聞こえてたらアンサーしろっ」。やっぱちょっと違うか。