破壊の自然史のレビュー・感想・評価
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Watch How the World Burned
The Natural History of Destruction, a no-narration documentary on WWII slaughter. Loznitsa this time turns the footage away from the persecution of Jews and focuses on the bombing of Germany's civilian population. It's slow and moody and the music is half the show, and rings more like a film that would be played at a museum than in a cinema. Nevertheless, this is very interesting archival footage.
人類史上最大規模の大量破壊
大阪十三「第七芸術劇場」で映画を見ました
人類史上最大規模の大量破壊を描いている。
第二次世界大戦末期、連合軍が、敵国ナチ・ドイツへ攻撃を行った。その規模が大きかったようで、その後封印されてしまったようです。
この映画ではアナウンスがほとんどなく、映像だけでその悲惨さを伝えている。
ハーケンクロイツ(ナチドイツ国旗)などで判断できるようになっている。
冒頭は
平穏なドイツの田園風景が広がっている様子
勇敢なメロディーは、スーザ作曲「星条旗よ永遠なれ」アメリカの作曲家
次のシーンでは、戦闘機や爆弾を製造している工場。軍事力の強化を示している
次のシーンは、爆弾が投下されている様子である。絶え間なく投下される大量の爆弾。
ラストシーンは、変わり果てたナチドイツの風景を描いている。
音を改変した非ドキュメンタリー映画
最後に流れるクレジットに「ADR」のものすごく長いスタッフ一覧がある。ADRは Automated Dialogue Replacement、つまりアフレコ・吹き替え。映像素材に編集段階で音を新しく加えたり修正したりする作業のこと。
これ自体は普通の映画でも一般的なポスプロ作業なんだけど、この映画は、それをほとんどすべてのショットに行っている。爆音、銃撃音、悲鳴、路地のざわめき…全部つくりものです。
つまり、この映画をNHKのドキュメンタリー番組のようなものと理解してはならない。これはあくまでロズニツァ監督の脳裏にひらめいた戦争のイメージを再構成したにすぎない。決して「ドキュメンタリー」ではないです。
それを理解した上でなら、ウクライナ育ちのこの監督による戦争観は、ところどころ興味深い部分を含んでいるとは思う。とりわけ資本主義の世界にまきこまれた市井の人々が、敵・味方どちらも自分たちの役目を淡々と果たしているだけなのに、結果として、無意味な殺戮が拡大してしまうという構図。が、個人的には、それも唯一無二の新鮮な視点とは思えなかった。
タイトルなし
逆に、連合国軍から夜に、ドイツの主要都市への無差別爆撃が行われた映像が映し出される。それは、まるで夜空を見ている錯覚に陥らせる。しかし、それは暫くすると大きな爆発を目にすることで違うことに気付く。
爆撃が止み、夜が明けると、そこには老若男女問わず爆死体が転がっている惨状が拡がる。
戦争は、どちらも悪い。やった側も報復した側も。
戦争は、何も生まない。大きな被害を被るのは、いつも民衆。
絶対に、戦争はしてはいけない。
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