「「白い人々に教えて貰う事になる・・・」」キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
「白い人々に教えて貰う事になる・・・」
スコセッシ版実録シリーズである
「花殺し月」の意味については、オクラホマ州オセージ族保留地において、5月になると背の高い草が生え、小花の光と水を吸い取る≒小花の命を奪い取ってしまうことが由来とのネット参照なので、作品で表現される小綺麗な花の映像とは違うみたいだ
今作には正しく、そして潔白で勇敢な人は誰1人登場しない 人間の原罪をきちんと正面に衒い無く描き切るというキャストやスタッフ、制作陣の心意気のみが正義な作品である
原作は未読だが、ネット情報では視点を変更させているようで、そのお陰でディカプリオがこれだけの演技を残せたのだろう
この凄惨な出来事が事実だということにも驚愕だし、しかし欧米人の残虐さはさもあらん、否、日本人だって同じなことは、『福田村事件』とベクトルは同一である それは今事件を曝いたFBIの前身組織であっても、長官フーバーの思惑の下衆さが、ラスト前のラジオショーでの自画自賛番組放送という気色悪さも相俟って、石油利権の闇の深さを考えずにはいられない
一夜にして巨額の富を生むモノは、果して神様からのプレゼントなのか、それとも悪魔の引導なのか、群がる人間達の生き物への敬意の欠如、尊厳の希薄、まるで絶望の煮こごりを観客へぶつけ続けた三時間超えの圧巻ドラマである
登場人物を端折れば幾らでも時間は削れる でもそれも監督は拒否する それはキチンとこの作品が現代と陸続きなのだと訴えたい映像作家としての矜持なのだと強く受け止める 登場人物達はいつだって周りにいるのだろうし、なんなら観客が主人公かもしれない "信じる"事と"信じたい"事は似て非なる事実であり、そうして自分を騙す事で毎日を青色吐息で過ごす我々への"警告"なのであろう いずれフクロウが目の前に舞い降りるその時まで我々は同じ事を繰り返すのか、それとも尊厳を取り戻すのか、ま、無理だな人間は(苦笑
最後のラジオ劇でのエンディングが全体の流れからいって、不釣り合いな感じでモヤモヤしていました。プロパガンダなんですね。腑に落ちました!そうなると逆にめちゃ恐ろしさを感じます。
共感&コメントありがとうございます。
ラジオ劇演出でちょっと似た人が居たのでカメオ?と思ったのですが、クレジット確認出来ず。そうですか、あれはフーバーの仕掛けですか、勉強になります。
コメントありがとうございます。
被っても構わないですよ!
鳥の歌うたいもやはり気になりました。
既知の単語ですし内容的にもしっくりくるしでこっちかなとw