「【1920年代、米オクラホマ。オイルマネーでリッチになった先住民族オセージ族に巧みに付け込み、彼らの財産を奪い取ろうとする白人の狡猾さと残忍さや原住民族との複雑な関係性を描いた作品。】」キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【1920年代、米オクラホマ。オイルマネーでリッチになった先住民族オセージ族に巧みに付け込み、彼らの財産を奪い取ろうとする白人の狡猾さと残忍さや原住民族との複雑な関係性を描いた作品。】
■アーネスト(レオナルド・ディカプリオ)は第一次世界大戦後、叔父のヘイル(ロバート・デ・ニーロ)を頼ってやって来る。
ヘイルはオイルマネーでリッチになった先住民族オセージ族の居住区の中で、絶大な力を持っており、自ら”キング”と名乗る程である。
そして、ヘイルは表向きは町の名士として振る舞うが、裏では殺人も含め、政略結婚などでオセージ族のオイルマネーを狙って居た。
◆感想
・アーネストは町に来て、運転手の仕事をしている。ある日乗せたオセージ族のモーリー(リリー・グラッドストーン)に惹かれていき、彼女も又アーネストの自身を愛する姿を見て二人はメデタク結婚する。
ー 結婚式での二人の幸せそうな顔。
そんな中、笑顔(デ・ニーロ・スマイル)を浮かべながら他の人とは違う事を考えていたヘイル。
当時の白人が決めたルールでは白人でも、オセージ族と結婚すれば相方、親類が亡くなればその一族の財産は白人のモノになるというルールである。
それが、様々な殺人事件がヘイルの指示の元、行われて行くのである。ー
・アーネストは糖尿病であるモーリーの為に”世界で5人しか打てない”インシュリンをヘイルの”知り合いの”医者から貰い、懸命に看病する。二人の間には3人の子も出来る。
ー アーネストを演じたレオナルド・ディカプリオが、ヘイルには全く頭が上がらず、悪行に加担しつつ、モーリーを愛する姿。
だが、モーリーの母は亡くなり(オセージ族は”消耗性民族であり、寿命が短い。)姉、妹はヘイルの指示の元殺される。
その際の悪事に加担するアーネストのモーリーへの愛と、ヘイルへの服従に板挟みになった苦悩の表情。
更に言えば、インシュリンを効果的にするための液体を入れた酒を呑んだ時の朦朧とした表情・・。(毒ですね。)ー
■そして、モーリーが体調の良い時にワシントンGCに行き、大統領に訴えた白人が行っていた事。
FBI捜査官(ジェシー・プレモンス)は、アーネストを始めとして悪事を暴いていき、最後にはヘイルに辿り着く。
<そして、行われた裁判。
一度は関与を完全否認したアーネストだが、我が子を無くした事が切っ掛けか、モーリーを助けたFBIへの思いか、ヘイルの行いを述べていくのである。
”誰が貴方にその指示をしたのですか”という問いに、ヘイルを指さすアーネストの姿。
今作は、長時間の映画であるが、見応えは十分です。>
■今作は、エンドロールを見ると史実を基にした作品だそうで(原作もある。)、多少当時の状況を下調べすると今作でも出てくる”タルサ人種虐殺”など、より分かり易いかなと思いました。
こんばんは。ヘイルの笑みが怖い作品でしたね。アーネストが頼った絶対的な叔父からの圧力、モーリーへの愛がどちらも並行して強くなっていった様子でしたが、やっぱり金にめがくらんだが最後…。
あの時液体を酒にいれて飲んだ姿には、追い詰められた苦悩が葛藤を越えてヤケになっているようにみえ、どうなることやらと思いましたが、彼の意思で叔父との訣別に向かったのはひどい不幸中のちいさなちいさなちいさな幸いでした。
今晩は。
ラストを締めくくる人物が、まさかの人で、余りにも強烈で、ある意味本編翳んでしまいました。
個人的には、アーネストは確信犯で、どこまでが本当で、また嘘なのか、中々興味深いなと思いました。