「タイトルなし(ネタバレ)」オオカミの家 りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
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1960年代、チリに設立されたドイツ系移民の共同体、コロニア・ディグニダ。
「相互扶助で幸福に」をモットーとした人々に優しい共同体、という触れ込みだった。
そんな共同体を写した1本の映画が発掘された・・・
というところからはじまる物語で、ここまでは実写。
発掘された映画がストップモーションアニメという凝りよう。
動物好きの少女マリアは、ある日、飼育しているブタを逃がしてしまった。
その罰は厳しく、耐えきれずにマリアは脱走。
森に逃げ込む。
逃げ込んだ一軒家には子ブタが二匹いた。
マリアは子ブタに「アナ」と「ペドロ」という名前をつけて世話していくが、いつしか二匹のブタは人間と化す。
外では、マリアを誘い出そうとオオカミが常に待ち受けていた・・・
という内容。
ドイツ人入植者によるチリの非人道的コミュニティ「コロニア」をモチーフにしたアニメーション作品。
物語的には暗に示唆するところも多くわからない箇所も多い。
が、圧倒的な表現に魅了される。
圧倒的な表現は、人物や背景など、動く度に形が崩れたり、不安定になることで、悪夢感が増速される。
ただし、圧倒的であるがゆえに、背景や物語を読み取ることを図らずも放棄して、思考停止に陥る可能性も大。
危険な映画である。
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