「JAM」オオカミの家 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
JAM
東京での上映では満席が続出し、誰もがSNSでもレビューサイトでもヤバいを連呼しており、クレイジーな作品が大好きなので否が応でも期待が高まり、劇場へ突撃しました。
思っていた以上にアート系の作風で、70分台と短いはずなのに長く感じてしまいました。フィールドが家の中のみというのも退屈さを加速させてしまったのかなと思ってしまいました。
ヤバいと噂の映像たちは本当にヤバかったです。実写での人形と壁画のようなアニメを交互に映して、良い意味での違和感を生み出しており、不思議な気分にさせられました。立体的に登場せず、壁にマリアが映されてそこで口をパクパクさせる構図はかなり不気味でした。
大きく音量が変わるジャンプスケアな演出は皆無なんですが、ほんのちょっと音量を上げてマリーィアと呼ぶ声にはそのシーン毎にゾクっとさせられました。
元々いた場所が嫌になり飛び出して、自分より弱いものを支配下に置いたけれど、その支配したものたちに反発されて、元いた場所へ再び戻り苦悩する…というのを描きたかったんだろうなと思いますが、そのシンプルなテーマを伸ばし伸ばしで70分にした結果ダレたなって感じでした。中編アニメーションだったらまだ絵面のインパクトと物語の濃さがマッチしていたのかもしれませんが、そこのバランスはイマイチだったかなと思いました。
時代背景やコミュニティを知らないのもあってストーリー的には乗れませんでしたが、独特な表現から繰り出されるアニメーションは唯一無二のものだと思います。「骨」然り今作然り、次回作が既に楽しみなコンビです。アニメも作って欲しいですし、実写映画を撮ったらどんな世界観を広げていくのか、そういう意味でも今後が楽しみです。一応今作が5年前の作品なので、日本でのスマッシュヒットをきっかけに関連作が流れてくればなと思っています。
鑑賞日 9/5
鑑賞時間 19:00〜20:35(骨と併映)
座席 B-13