「Influence」#ミトヤマネ ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Influence
Filmarksオンライン試写会に当選したのでありがたく鑑賞。正直、劇場で見るにはどうかなと思っていたので、これはまたとない機会でしたので深夜に一気見しました。78分という尺はありがたいです。この時までは…。
これは劇場で見なくて良かったなと思いました。SNS社会やZ世代の苦悩を描きたいのは分かるんですが、あまりにもステレオタイプなインフルエンサーとしか描かれないのと、唐突な展開やアーティストチックの洒落た映像、観客にぶん投げたラストと、欠点ばかりの作品だったと思います。これをフルプライスで見るとなると…人によっては怒り爆発ものになるのではと思ってしまいました。
まずミトヤマネ自身に魅力を感じないというのが最大の欠点だと思います。商品紹介や飯食ったりするだけで金がもらえるインフルエンサーなんて少し前のイメージですし、街ブラしてたむろされる絵面もなんだか見た事がある光景でしたし、物申す動画とかもう何年前なんだ…と唖然としました。ここ一年位の出来事にシフトできなかったのかなと思ってしまいました。
ディープフェイクという自分の顔を他人の顔に貼り付けられるというシステムを悪用した事例は国内外多く報告されており、その危険性は一般人である自分も重々分かっているんですが、ここの社長はIQがすっからかんになったのか、お金めっちゃくれますよ!の一点張りでグイグイきて、しかも案の定悪用されたらショボンってなって会社辞めるとかもうバカの極みすぎてなんでコイツが偉い立場に入れたのか全く分かりませんでした。
ミトヤマネがどんな時もスマホ片手に映像を撮り続ける異常性は十分描かれていたんですが、ただただ不快に見えてしまったのと、少し前に「DASHCAM」というコロナ禍だろうがなんだろうが関係ねぇ!とカメラを回しまくる迷惑オバさんの方がSNSやもう1人の自分に取り憑かれている感があったので、その面でも中途半端だったかなと思います。
ミホがミトヤマネになったのか、いや別にそうでもないのか、というか社長どうやって復職できたんだとか、豚から犬になっているところにツッコミは入らないとか、もう何だかやりたい放題なんですが、それが面白さに繋がっていなかったです。結果ツラい映像がずっと続いていました。
この手の作品を手がける人たちに共通して言えるのが、背景へのこだわりがハンパないとこです。今作も例に漏れず、家具や衣装へのこだわりは凄かったです。凄かっただけです。
玉城ティナさんは本当に良かったです。お人形感が不気味さに拍車をかけていましたし、時代のアイコンとしての立ち振る舞いとしては完璧だったと思います。
この監督の作品は今作が初めてだったのですが、このテイストの作品がメインだとすると、他の作品も合う気がしません…。今年はこのパターンがちょくちょくあるんですよね…。怖い怖い。
鑑賞日 8/21
鑑賞方法:オンライン試写会にて