哀れなるものたちのレビュー・感想・評価
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う〜ん、難しい!
いえ、ストーリーが難しいという意味ではありません。この作品をどう感じるか、どう評価するか、悩みどころです。
エマ・ストーンの演技は幼児脳からだんだん成長していく様を表情やしぐさを通して見事に演じられ主演女優賞で問題なしと思います。
作品全体的に美しい映像と独特の音楽、雰囲気に圧倒されることも間違いありません。
ベラ(エマ・ストーン)が胎児の脳からものすごい勢いで進化していく、その過程で色々な人々と出会いながら影響を受けてある意味成長物語とも言えるこの作品。しかしながら万人に受け入れてもらえるかどうかは???でしょうか。テーマとして性描写は必要かもしれませんが見方によっては『エログロ』と捉えられても仕方ない感もありますよね。
確かにここのレビューをざっとみても女性ウケはすこぶる悪そうです。海外では随所で笑いが起きていたらしいですね?日本人には老若男女笑えないかもしれません!
明るく例えてみましょうか?ゴッドとベラはブラックジャックとピノコ(あっちょんぶりけ!)、再生したばかりのベラはシザーハンズのエドワード、ダンカンは量産されるインド映画に掛け持ちで出てる役者、ゴッドの執事(?)のオバ様はハイジのロッテンマイヤーさん、娼館の主人は『ばるぼら』のママ、ゴッドは空飛ぶグリーンゴブリン(これは例えじゃないか?!)てなところでしょうか?何の脈絡もない話になってきました。
とにかく問題作で色々評価が分かれて賛否両論ではありますがエマ・ストーンさんに3000点、いや3択の女王竹下景子さんに全部でお願いします。(わかんないだろうなあー)
変態監督の冴え。
気持ちワル。支持。
女性を幽閉調教する鬼畜の異様を撮り続ける変態監督の冴え。
肉体は頭脳と繋がりつつ分離し、内側から腐り腐臭を放つ。
グロテスクに蠢く汚物の如き群像を撮りきってこそキラリ光る高強度の生の讃歌。
ギリアムな内観外観も楽しい。
自我とは?か。
問題作。
歪
14本目。
全てが歪。
なんじゃ、これと。
成長するにつれになる当たり前を、あの設定で言われると、あっと気付かされたりもする。
でも、あの世界に馴染んだかといわれると、いや何だかと思うけど、演者としての格の違いは見せ付けられた。
ファーブル昆虫記やシートン動物記の人間版
フランケンシュタイン、アメリ、マイフェアレディを混ぜた感じ。マッドサイエンティストなんだけど、Lovelyとコメディ(ブラックユーモア)が入っているので、大人のディズニー的な?変態ってバッサリもあり。
寝るかもと思ったけど全然眠くならない。ファンタスティックな映像が-0.5、キレイにまとめ感のあるラストが好みじゃないので-0.2、⭐️4.3なので切り上げて⭐️4.5。
不適切にもほどがある
娘が××してしまう・・・
ベラ・ルゴシのフランケンシュタイン、
ドラキュラだけでなく、
古今東西、映画の設定で最多である、
比較文化研究。
モンスターと人間、
カッコーとひと、
宇宙人と地球人、
魔法使いとサラリーマン、
昭和と令和、
バービーとケン、
トランプとジョーカー、
クイーンとダイアナ、
king&metoo、
東と西、
北と南、
右と左等々、
we didn't start the fire・・・
前作は女王と側近の、
王室や側近たちのゲスっぷりを、
ギリギリ崖っぷちでレディとして保つのはカメラや照明機材をほとんど使用しないライティング(一部使用してましたね)。
頑なにフィクスのカメラに固執してきたランティモスもワイドレンズ使う使う、
魚眼も辞さないローアングルショットがほとんど。
その理由とは?
ウェス・アンダーソンと
ランティモスは筆致が正確無比、精密機械のようなので、
前作同様下記のようなことがぴったりはまってしまう・・・。
話しは脱線、
カメラフレーミングとその内容を世界地図の図法を例にして。
〇メルカトル図法
地球全体を平面にして描く、ただし極地は正しく描かれない。
カメラをフィクスで真正面から描く。
プロット運び、物語重視、芝居や感情に興味薄。
例えばウェス・アンダーソン。
〇モルワイデ図法
魚眼レンズのように歪んでみえるが、極地も正確。
ワイドレンズを使用してパースを駆使してでも人間の内面を描く。
芝居運び、感情重視、昼メロみたいに突っ走る内容。
ヨルゴス・ランティモスは今まではメルカトル図法が多かったが前回同様、
突っ走る。
機材やフィルムを作品の質に併せて新作してしまうキューブリックや、
タランティーノもこちらに近い。
以上勝手な図法解説は全くのデタラメです。
強調したい所は顕微鏡並みのピント解像度魚眼、ローアングルショット。
どうでもいい所はどうでもいい。
その理由は、すばらしい衣裳、背景に豪奢な部屋、荘厳な建物、盛者必衰、格差表現のアイテムを全部入れ込んで権威や品位を上げたり下げずんだり、
バックアップ担保(嘲笑有)しとくかって感じか?
たまに上からのアングルもあるんだけど、
単なるだだをこねる腐女子は見るに堪えない。
でも、それこそがおもしろいつくりでいつものヨルゴス・ランティモスの手口だ。
船のシークエンスが無駄に長い。
知識を得るおもしろさに気づく、
大事な場面だが、
映画的には退屈なセリフ以外にも、
手法は取れただろうが、
尺を使いたくないのもわかる。
考えてみれば、
シネコンで観る映画ではなく、
アート映画、
無駄に長いは、
あたりまえ。
自由や人権以前の、
脳は単なるハードディスク、
OSはDNAのような、
ケダモノベース、
ギンズバーグ、アーレント、
自由、権利、開放、
ジェンダーベース、
小さなアイデンティティを、
皮膚感覚マッハ50で拾い集めていくような、
ピノキオベース、
サリバン先生が、
手に水を当ててwater!
ヘレン・ケラーベース、
I have seen THE LIGHT !
ジョン・ベルーシベース、
それぞれテーブルを分けて、
テーマ別にも話せるが、
物理的ロジックより、
精神的ロジックより、
感情剥き出し、
いつものランティモスベースで、
なめんなよベース、
または、
ツッコまんかいベースで、
話すのが妥当か。
公房『密会』の溶骨症の少女のように、
ベラのココロを、
グズグズの真っ黒とみるか、
イノセントな真っ白とみるか、
は、
あなたしだい、
いや、
あなたの状況、タイミング、
マインドしだい。
【蛇足】
強調、ピント外しは、
絵作りだけでなく、
実は昨今の役者や物語にも反映されている。
それは100年強の歴史の浅い映画よりも、
400年続く歌舞伎の世界の方が顕著だ。
例えば、
役者でいうと、
16代目ロバート・デ・ニーロとか、
シナリオでいうと、
1シーン、いや1カットを拡張して表現する連獅子の舞とか、
強調する所は前後左右関係なく強調する、
ベスト盤のような、
あるいは、
今日のスーパーゴールのような・・・
400年継続する為の映画のありえない強調と、
映画のあるべき文法を比較して考える。
しらんけど・・。
エマ・ストーンの全てに驚き
橋から飛び降り自殺を図った若い女性のベラは、天才外科医のゴッドウィン・バクスターによって、自分の胎児の脳を移植され生き返った。そして、ベラは貪欲に多くのことを学んでいき、もっと世界を見たいと思うようになった。そして、ベラは弁護士のダンカン・ウェダバーンと駆け落ちし、大陸横断の旅に出た。大人の体で新生児の目線から世界をみるベラは、時代の偏見から解放され、平等と解放を要求し、成長していく、という話。
胎児の脳が生きていたのならそのまま育ててはどうかと思ったけど、目的が違うんだから仕方ないか、と途中から思った。
色々な男を経験するベラだが、さすがR18+だけ有ってなかなかのもんだった。エマ・ストーンの弾けたセックスシーンや幼児がヨタヨタ歩く姿など、彼女の演技全てが驚きだった。
あまりエロく感じなかったのは、愛のあるセックスに見えなかったからだろうと思った。
自殺を図った理由も伏線回収されてたし、最後も良かった。
面白かった。
未来のイヴ
フランケンシュタインの怪物のように甦ったベラ。ベラを甦らせたゴッドはさながら理想の女性像を求めるピグマリオンといったところか。
確かに体は大人の女性、心は赤ん坊で従順、これほど男にとって理想的で都合のいい女性像はないかも。
まだ幼い彼女は好奇心から広い世界を見たいといい、駆け落ち同然で家出をする。そして性的快楽や美食に目覚め、世界のすばらしさを知る。
それを与えてくれるダンカンに依存していたベラだが、世界の醜い部分を知ってショックを受ける。彼女の中でこんな社会を変えたいという気持ちが芽生える。そのためには多くを学びたい、とりあえずそのための生活資金として売春宿で働き始める。そんな彼女に未練たらたらのダンカンは帰国もせずに娼婦館の下で地団駄踏んでおります。
印象的だったのは彼女が娼婦として働きだしたころから見違えるようにきれいで知的な女性に見えたこと。今まではどこか男に依存して生きてきた無知で愚かな女性というイメージがガラッと変わる。自立して革新的な考えに啓発された彼女が本作で一番輝いていた。彼女は男性優位の娼婦館でもそのシステムに疑問を感じて意見したりする。女性に相手を選ばせるべきではないかと。
同僚の女性と社会主義者の集まりに参加するという彼女たちの後ろでなんとまあ無様な姿をさらすダンカン。ダンカン、この野郎。
ベラは純粋無垢なので世間体とか気にしない、売春をやることにも何の躊躇もない。むしろそれを責め立ててる男の方が滑稽に見えてくる。男社会では売春婦、娼婦といえば蔑みの目で見られたりする。でもそれは男目線、結局男が女性に貞淑を求めるのは己の独占欲を満たしたいがために過ぎない。俺だけのものになれ、俺にだけかしづけ、俺以外の男とするな、である。なにか道徳的倫理的に売春を責めているような顔をして結局は自分の独占欲を満たしたいだけなのである。それはダンカンや元旦那の姿を見れば明らか。
本作では観ているものに明らかに不快感を与える性交シーンが延々と描かれる。立派な身なりをした男たちが変態的な行為を要求したり、子供の性教育とばかりに行為を見せたり、そしてそれを真剣にメモる男の子の姿。ここまで男社会をこけおろしてるのもすがすがしいほど。
そして娼婦という仕事がそもそも恥ずかしい仕事なのか蔑まれる仕事なのか、ということにも投げかけてくる。やはり自分も心のどこかで娼婦を見下している。憐れだと、ほかに仕事がないから仕方なくやらざるを得ないのだろうと。そんな考えにも純粋なベラは投げかけてくる。そもそも憐れんでる時点で見下してるのではないかと。そんな風に本作は我々の価値観にもゆさぶりをかけてくる。
本作のタイトル、「哀れなるものたち」の正体は作品の最後の最後に分かる。この男社会を変えるには革新的な外科手術が必要ということなんだろうか。男が追い求める理想的で都合のいい女性像として創られたベラがその男社会を変えていくことを予感させるラストには思わず膝を打ってしまった。
ちなみにエマ・ストーンがエマーソンを読む、しゃれでしょうか。一人で女性史を演じきったのは素晴らしかった。個人的には「バービー」のマーゴット・ロビーと賞レースを競い合ってほしかった。この監督らしいファンタジーでグロテスクな怪作。
これぞ映画!
「女王陛下のお気に入り」で大手配給によるメジャー入りを果たしたギリシャのヨルゴス・ランティモス監督が、今回はサーチライトピクチャーズ配給によってインディ系映画にカムバック!そしてゴリゴリの作家性を出してきました。
やはりこの監督はやばい!笑
フランケンシュタイン、メトロポリスはとても分かりやすいオマージュですが、原作のゴシックホラー調の世界観がヨルゴス・ランティモス監督によってファンタジーなんだけど色使いや衣装がエッヂが効いたデザインになっていてモダンでかっこよかった。
相変わらずの魚眼レンズで普通の画がひとつもない。
巨大なセットといい映画作りをものすごく楽しんでいる感じが伝わってきて、観ているこちらも楽しくなります。
エマ・ストーンはやる子だというのは「女王陛下のお気に入り」時点でわかっていたのだが、マーク・ラファロ演じるダンカンのクズっぷりにやられました。完全にハマり役。
やはりクズキャラが魅力的な映画はいいですね。
パリで浮浪者になってロンドンまでしつこく追いかけて来る執念には参りました。最後ダンカンがどうなったのかとても気になるのだが映画では描かれなかった。
ただし、本作の日本配給は相当頑張っており、これだけエッヂの効いたアート作品(男性器もボカシなし!)を大手のシネコンで観れる日が来るとは思っていなかった。
私が観た109シネマズのほぼ満席の劇場ではエンドロール(これもかなり凝っていた)中も誰も席を立たたなかった。私のように圧倒されていたのか、ララランドのエマ・ストーンを期待して来てとんでもないものを観せられ呆然としていたのかはわかりません笑
性への目覚め、知の目覚め、そして自己解放という精神の大きな旅路をまさに船旅という画で分かる冒険劇に落とし込み、その冒険を渾身の舞台セットと衣装と音楽でデザインし尽くしている。これぞ映画。
ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を獲得したランティモス監督の最高傑作!今年ベスト確定!
なかなかの衝撃作。エマ・ストーンの熱演に拍手!!
妊娠中に自殺した女性。たまたまその新鮮な遺体を手に入れた天才外科医によって蘇らせられる。どこの誰だか分からぬまま彼女は実験体として生きていく。
不自然な動きにおぼつかないしゃべり。
脳に障害を持ってしまったが故かと思いきや、蘇生のためにお腹の胎児の脳を移植していたという衝撃的な設定。
その為か知能の発達は早く、少しずつ言葉も覚えていく。
体は大人であるが、知能が伴っていない為何をしてかすか分からない怖さ。
閉じ込めておきたいが徐々に芽生えていく好奇心。
やがて彼女は旅立っていく。
人間も動物。本能のままに生きるとこうなっていくのかといった感想。
倫理的に容認できない内容も多々あり、決して気持ちのいい作品ではない。
しかし、映画でしか表現できない世界であり、だからこそ映画は面白い!
久しぶりに観るような重厚な作品でした。
あの難しい役柄を見事に演じきったエマ・ストーンには脱帽です。
それにしても、グウェンにグリーンゴブリン、ハルク。
主要人物が揃ってマーベル出演者だった事にビックリでした☺
不協和音の不思議な世界
不協和音とモノクロの映像で、不穏な世界を予想させるオープニングだった。キテレツなストーリーで、理解しようと字幕を懸命に見過ぎてしまった。主人公の野生児からの変化が面白いし、裸体やSEXシーン多数あったが、理論的な解釈が入っていやらしく感じなかった。
見終わった後考えると、なんだかな〜とモヤモヤする。結局、身を売るしか術はないのか、単純過ぎやしないか。
確かに10年に一度の傑作かも知れない?
世界最高峰の才能を集めて構築されたのは、
眩いほどの色彩を散りばめた壮麗かつ緻密な美術、
ユーモラスでありながら荘厳で情感あふれる音楽、
華麗かつ大胆さを極めた衣装、
度肝を抜くカメラワークを駆使した撮影。
さらに、
奇想天外でありながら映画史に残るカタルシスに満ちたエンディングへと導く脚本に支えられた。
そう、確かに10年に一度の傑作かも知れない!?
そんな素晴らしい作品だった。
本当に久し振りに良い映画だった。
でも、残念ながらラストはやり過ぎの気がする。
超えてはいけない科学と人間倫理の領域にこうして踏み外すのだという暗喩として見れなくはないが、
ヤギ将軍の姿は、
ちゃぶ台返しを観たような興醒めをしてしまった。
それはゴッドが亡くなってからの和やかな庭先のひとコマに過ぎないことのだろうか?
( ̄▽ ̄)
哀れなるものたち
「女王陛下のお気に入り」のヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンが再びタッグを組み、
スコットランドの作家アラスター・グレイの同名ゴシック小説を映画化。
2023年・第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で最高賞の金獅子賞を受賞し、
第96回アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞、脚色賞ほか計11部門にノミネートされた。
不幸な若い女性ベラは自ら命を絶つが、
風変わりな天才外科医ゴッドウィン・バクスターによって自らの胎児の脳を移植され、
奇跡的に蘇生する。
「世界を自分の目で見たい」という強い欲望にかられた彼女は、
放蕩者の弁護士ダンカンに誘われて大陸横断の旅に出る。
大人の体を持ちながら新生児の目線で世界を見つめるベラは時代の偏見から解放され、
平等や自由を知り、驚くべき成長を遂げていく。
プロデューサーも務めるストーンが純粋無垢で自由奔放な主人公ベラを熱演し、
天才外科医ゴッドウィンをウィレム・デフォー、
弁護士ダンカンをマーク・ラファロが演じる。
「女王陛下のお気に入り」「クルエラ」のトニー・マクナマラが脚本を担当。
哀れなるものたち
劇場公開日:2024年1月26日 142分
ここから出たい!
薄っぺらい男に力を誇示したがる男…世の中のクソ男たちに支配されずに、自らの自由意思で選び取ること。差別、貧困、環境問題 etc...内側が異型の男たちが回す世界の"普通"常識など疑い・抗い・ブチ壊して選手交代!! クソ男は用済みです。止めようのない自我に目覚め、止められても踊るところがよかった。
唯一無二ヨルゴス・ランティモス✕エマ・ストーンによる悪魔的なファンタジー(セックス)コメディ。端的に言えば不思議で奇妙"変"ヘンテコだけど、最後まで面白く見ていられる。エマ・ストーンがキャリア最高峰オスカー級に素晴らしいけど、助演のウィレム・デフォー&マーク・ラファロもニクい。外の世界を知りたい、自らの目や耳で冒険したいという、とめどなく溢れ出す自由への渇望がフュリアス・ジャンピング!演技も撮影も音楽もどこを切り取っても贅沢。
想像力かきたて広がる世界で問いかけ突きつけてくるクソみたいな世界のリアルと人間の凶暴さ。魚眼レンズに極端なパンなど分かりやすくカメラという存在を意識させる作りに、そしてモノクロとカラーを使い分け、彩りは極端なほどビビッドにカラフルで虚構性を強調する。それらはまるで本作が"物語"であることを伝えながら、同時にその奇妙さから世界の真実を炙り出しているようだった。今までにも増して観客を選びかねない作品だけど、それもまたこの監督らしいと言えば"らしい"作家性。
P.S. そこまでしなくちゃいけなかったのか?…という点はあって、作品の内容含めてまだまだ消化しきれていない。
鑑賞後の満足感が半端ない
人によっては低評価かも知れません。
序盤は今年初のやっちまった系かなと思わせながら、それでもダレること無くストーリーは進んでいきます。
そうすると中盤からグイグイ引き込まれ、終わってみればスゴイもの観させてもらったと大満足でした。
で、何がそんなに良かったかなんて私の拙い文章で表現できるはずもなく、そんなんでレビューなんか書くなよって話ですが、鑑賞後にしみじみR18+を観られる年齢で良かったと感じた映画でした。
ちなみに私は芸術性が高いとされる映画や作家性の強い映画(本作の監督が本作でオマージュしてると言ってるティム・バートン監督作品など)は苦手で、序盤はまさにそんな感じ満載でこりゃ失敗したと思ったんですが、映画の世界観とか出来事は観ているだけで全てわかり易く理解できるように作られており、エログロの表現が受け入れられないとかなければ、オトナにオススメのブッ飛びオモシロ映画だと思います。
禁断の果実
寓話色の強い話で、クセの強いカメラワーク、色彩、映像、衣装含めて見事な世界観を表現。アダムとイブが如き果実の使い方って、おいおい、下の口にもってってどうするねん。そして目醒めるって破壊的に過ぎる。性に肯定的で罪悪感も羞恥も捨てて、生を知る旅に出る。自分のルーツを眺め思いふけるシーンがいい。
こっちは頭の整理がつかないが、やりきった潔さだけは間違いない。
Girls Just Want To Have Fun
「哀れなるものたち」ダークなストーリーを予想していたんだけど、女性版フランケンシュタインの形を取りながら、女性の人生を勝手な物差しで限定しようとする男たちを主人公が翻弄し打ちのめしていく様をゴシックでもないサイケでもない、今まで観たことのない映像で描いたぶっ飛んだコメディでした。うん、痛快。ただ、売春宿での描写をどう捉えるかで、評価や好き嫌いは別れるんだろうな。
息をのむほど美しいR18+
もう雲の造形と配色だけでご飯3杯いける。
2時間半画面に釘付け。美しすぎる映像。ただ美しいんじゃなくてアートとして至高。R18だけど美術系志望の高校生に見てほしい。十代でこうした作品に触れてほしい。私が十代でタルコフスキーに触れて人生変わったみたいに、ヨルゴス・ランティモスにもそんなパワーがある。
性をダイレクトに描いているところに説得力を感じる。ここらへんはこれまで社会的に隠されてきた題材だけど、重要なテーマ。
その人が性的に魅力的かってことは重要だよね。
性的に満足できるか、深い親密さを共有できるかってことも。
エロくて猟奇的な演出や画面の配色、衣装のデザイン。とても刺激的。
けっこうヤバい脚本。ギリアウトなプロットだと思う。
そして圧倒的な存在感のエマ・ストーン。
この作品に出会えて良かった。
類まれな名作
シュールレアリスムの世界で生の生命をエマ・ストーンが体当たりで演じる
アカデミー賞主演女優賞は本作エマ・ストーンの動の演技と
フラワームーンのリリー・グラッドストーンの静の演技の一騎打ちとなるが
甲乙つけがたくどちらかが獲れないのは誠に勿体ない話だ
如何にも英国製原作のよく練られた文学性の高い物語
エマ・ストーンの卓越した表現力と一つ一つ具体的に
丁寧に説明されて進行していくのでしっかりと観ていれば
置いてけぼりになる人はいないでしょう
冒頭で何故ベラが身を投げたのかが
明らかになる終盤は如何にも英国小説の醍醐味ですね
もう既にオスカー女優ですが
本作でついにリアル・ララ・ランドを実現しました
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