哀れなるものたちのレビュー・感想・評価
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リスボンでベラ達が食べたポルトガル風タルトを頬張りたくなる
18世紀が舞台?のゴシック・ファンタジー・SEX・自分探し映画。
それでいてシュールなSFラブコメ成長物語でもある。
ロンドン、リスボン、アレクサンドリア、パリの無さそうで多分無い所を旅する主人公ベラ。服装から奇天烈で上は肩のフリルが大きなドレス風なのに下はミニスカート風で、他にも無さそうで無い乗り物が美しくて さらに絵画の様な建物や装飾が沢山見れるのも楽しい。
見応えはベラの成長と、ウィレム・デフォー演じるゴッドが語たる過去だろう。
またマーク・ラファロ演じる遊び人弁護士ダンカンのキャラが良くてベラの成長を刺激、加速させる。
R18+の理由は予告編で想像出来るだろうから 一緒に観に行く人は慎重に選ぼう。
最終的に
誰が一番哀れだったのだろうか?
なかなか攻めた内容だったと思う。
天才外科医ゴッドは、現代版?(時代設定は現代ではないが)のフランケンシュタインだろうか?ということを考えながら観た…。
当然、結末は異なるのだが、誰が最も哀れだったのだろうか?
エマ・ストーンは、体当たり演技と言えば良いのかどうか分からないが、まさに一皮むけた演技でした。
笑えるツボが違う…?
上映前日にこの作品のCMをみて
オモシロそうだったので観てみました
序盤は
ベラに凄く興味があった
まあ、旅に出て彼女の奔放さ
人間本来の欲望のままに生きるところ
グイグイ引き込まれていったけど…
中盤以降は
眠くはならなかったけど
お腹いっぱい。笑える所もなかった
…退屈な感じ
結婚式で…あ~これでハッピーエンド
終わりかな
と思ったら先があった
そこからもstoryがあった
時間は短いと思うけど長く感じた
最後のころは
音と音楽の爆音に頭が痛くなった
私には笑えるツボが違う…のね
2月2日記
☆再度。観てきました
前回途中で頭が痛くなって
最後がオボロゲだったので…
別に笑う映画ではありませんでした
重くならずライトに描いています
…女性が男性に縛られない社会
というメッセージ
…全世界の
女性が自由に生きられる未来を
ということですね。
最初はわからなかったけど
メッセージはあって無いようなもの
エンタメ作品だから
いかにその…世界観を
楽しめるかどうかですかね
再度、観てよかったです
…でもやっぱり
やぎ人間は笑えないし
性描写が多いのもどうなのかな
評価は変わらないです
哀れなるものたち…とは
★エマストーンの
体を張った演技が見所ですね
…スゴイとしか言い様がありません
♪この作品はファンタジーと
思ってみるとベラが愛しく思える
とんでもなくビザールでエクスペリメンタル
川に身を投げた妊婦から存命の胎児を取り出したマッドドクターがその脳を絶命した母親に移植、無事成功 オイオイ
見目麗しいから周りの男が靡かそうとする
多分に幼児性を孕んでた時期なら優しさベースだったものが、彼女が知識と智慧をドンドン身につけるにつれ暴力ベースになる、なるほど
台詞に何度もExperimentalって出てきてたけどこの作品自体が Experimental、とんでもなくイカれてビザールなアカデミー賞ノミネート作品
ピアスと脇毛
オール50点
物語・芝居・画、"名監督"と呼ばれた方々の作品には、そのどれか(または全て)に特出した才能を感じ取れたのだが、最近のぱっと出監督にはそこまで特出した才能を感じ取れる方が居ないのですよ…
で、本作。
画は一見美しく見えるのだが、カメラアングルが悪い所(カメラマンの問題?)が有り、せっかく美しい背景・セットも脳に焼き付く画…とまでならなくて残念。
エマ・ストーンが寝転がる固定ショットとか、良い画は有ったのですけどね…
そんなエマ・ストーンが脇ツルツル、時代設定的に脇毛は有るべきだと思いますけど。
あと、ピアスの跡も消して欲しかったですね、時代設定的に。
物語は…永い、要らないシーン・要らないセリフが有るよなぁ、中盤以降あくび連発。
ラストのヤギは安易、アイツの脳を女性に移植して強制娼館送り、キモ親父達にナブり倒されて娼館の窓からダイブ…の方が。
どーでも良いのですが、娼館のシーンは五社英雄作品を観てるようでした。
エマ・ストーンの体を張った演技は見ものだが…?
エマ・ストーンが主演のベラ役を務め、体を張った演技で、ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞し、アカデミー賞にもノミネートされている話題の作品。ホラー、ミステリー、サスペンス、ファンタジー、エロチシズム、ヒューマンドラマの様々な要素が盛り込まれ、一つのジャンルには、到底、分類できない不思議な作品。
大人の体を持ちながら、胎児の頭脳しか持ち合わせてないベラが、次第に頭脳と体の釣り合いの取れないセクシャル・ディスティニーに目覚めていくシーンは、極めて生々しく描かれている。エマ・ストーンが、全てを曝け出して、ストレートでエログロなセックス・シーンを惜しげもなく披露し、女優魂を見せつけてくる。
また、前半部分は、スクリーンがモノクロで映し出されていたのが、途中からカラーとなる演出は、ベラの自我からの目覚めや心の開放を、演出していたのかもしれない。背景も19世紀のヨーロッパを思わせる街並みの中に、どこか近未来も思わせるような色彩と佇まいが美しく印象に残る作品となった。
物語は、身ごもったベラが自ら命を絶つところから始まる。しかし、風変わりな天才外科医のバクスターによって、胎児の脳を女性に移植され、体は大人、脳は幼児のちぐはぐな女性として蘇る。次第に自我か芽生える中で、バクスターの館から出ることを禁じられていたべラは、「世界を見てみたい」と、弁護士のダンカンとヨーロッパ大陸への逃避行に出かける。その旅で、ベラは純粋な欲望と視線で世界を見渡し、成長していくのだが…。
当初は、フランケンシュタイン的な悲哀の作品かと思いきや、ベラの奥底から突き上げてくる性欲に対する衝動と共に、『女性の自由や解放・平等』がテーマとして根底にあるようだ。「ここまで映していいのか?」というようなシーンも盛り込まれ、海外での各賞を受賞しているが、日本では、賛否両論の作品になるだろう。
出演は、主演のエマ・ストーンの脇を固める、天才外科医のバクスター役をウイリアム・デフォーが演じ、相変わらず怪演振りをみせている。また、逃避行の相手ダンカン役には、『アベンジャーズ』の『ハルク』を演じたマーク・ラファエロが演じたが、エマの相手なら、もう少し若手でも良かったように思った。そして、ベラの婚約者でバクスターの助手をテレビドラマに良く出演している、クリストファ・アボットが務めている。
完全に好みが分かれる映画。 物語はすごく面白いけど性描写が多い。 ...
完全に好みが分かれる映画。
物語はすごく面白いけど性描写が多い。
男の人も露わ。
まぁのめり込む時期もあるかもしれないけど。赤ちゃんの頭の中だったらもっと面白い事もたくさんあるだろうに。その内他に目覚めていくのは良かった。
白黒からカラーに変わる辺りはきっとベラの中を映してるんだろう。
全体に魅力的な背景でベラの衣装も素敵だけどあの足を出した服はどうなんだろうね、時代的に。
あのおばあちゃんとの絡みがもっと続くともっと良かった。
貧困や戦争、女性の割礼等、色んなメッセージを込められているんだとは思う。
最後あのダンナの頭の中は博士になるのかなと思おうとしたけどやっぱりそうしたのか…気持ち悪!
自分でも何点つけて良いかわからない映画だった。
エマストーンすごい
とても不思議な物語
とても不思議な物語。これまでの知識と経験をもとに理解しようとしてはダメです。
何故に?何が?どうなった?とツッコミながらも物語を素直に受け入れましょう。
長編と難解に対峙する大いなる覚悟をもって鑑賞に臨んでください。
それぞれのシーンで映像と音楽、衣裳や動きが魅力的に作られています。そして物語にどんどんと引き込まれていく感じです。
大きなテーマとして『「自己実現と知性」と「本能と性」が人間の根源なのだ』と語りかけてきます。
ラストに向かって「なんですと!」という展開が訪れまして「あぁそうするんだね、それが良いよね」と自分なりにハッピーエンドを想像したのですが遥かに想像を超えてきました。そうくるかぁ。それは思いつかんかった。
映画についてまだまだ未熟だなと思い知らされます。
う〜ん、難しい!
いえ、ストーリーが難しいという意味ではありません。この作品をどう感じるか、どう評価するか、悩みどころです。
エマ・ストーンの演技は幼児脳からだんだん成長していく様を表情やしぐさを通して見事に演じられ主演女優賞で問題なしと思います。
作品全体的に美しい映像と独特の音楽、雰囲気に圧倒されることも間違いありません。
ベラ(エマ・ストーン)が胎児の脳からものすごい勢いで進化していく、その過程で色々な人々と出会いながら影響を受けてある意味成長物語とも言えるこの作品。しかしながら万人に受け入れてもらえるかどうかは???でしょうか。テーマとして性描写は必要かもしれませんが見方によっては『エログロ』と捉えられても仕方ない感もありますよね。
確かにここのレビューをざっとみても女性ウケはすこぶる悪そうです。海外では随所で笑いが起きていたらしいですね?日本人には老若男女笑えないかもしれません!
明るく例えてみましょうか?ゴッドとベラはブラックジャックとピノコ(あっちょんぶりけ!)、再生したばかりのベラはシザーハンズのエドワード、ダンカンは量産されるインド映画に掛け持ちで出てる役者、ゴッドの執事(?)のオバ様はハイジのロッテンマイヤーさん、娼館の主人は『ばるぼら』のママ、ゴッドは空飛ぶグリーンゴブリン(これは例えじゃないか?!)てなところでしょうか?何の脈絡もない話になってきました。
とにかく問題作で色々評価が分かれて賛否両論ではありますがエマ・ストーンさんに3000点、いや3択の女王竹下景子さんに全部でお願いします。(わかんないだろうなあー)
変態監督の冴え。
気持ちワル。支持。
女性を幽閉調教する鬼畜の異様を撮り続ける変態監督の冴え。
肉体は頭脳と繋がりつつ分離し、内側から腐り腐臭を放つ。
グロテスクに蠢く汚物の如き群像を撮りきってこそキラリ光る高強度の生の讃歌。
ギリアムな内観外観も楽しい。
自我とは?か。
問題作。
歪
14本目。
全てが歪。
なんじゃ、これと。
成長するにつれになる当たり前を、あの設定で言われると、あっと気付かされたりもする。
でも、あの世界に馴染んだかといわれると、いや何だかと思うけど、演者としての格の違いは見せ付けられた。
ファーブル昆虫記やシートン動物記の人間版
フランケンシュタイン、アメリ、マイフェアレディを混ぜた感じ。マッドサイエンティストなんだけど、Lovelyとコメディ(ブラックユーモア)が入っているので、大人のディズニー的な?変態ってバッサリもあり。
寝るかもと思ったけど全然眠くならない。ファンタスティックな映像が-0.5、キレイにまとめ感のあるラストが好みじゃないので-0.2、⭐️4.3なので切り上げて⭐️4.5。
不適切にもほどがある
娘が××してしまう・・・
ベラ・ルゴシのフランケンシュタイン、
ドラキュラだけでなく、
古今東西、映画の設定で最多である、
比較文化研究。
モンスターと人間、
カッコーとひと、
宇宙人と地球人、
魔法使いとサラリーマン、
昭和と令和、
バービーとケン、
トランプとジョーカー、
クイーンとダイアナ、
king&metoo、
東と西、
北と南、
右と左等々、
we didn't start the fire・・・
前作は女王と側近の、
王室や側近たちのゲスっぷりを、
ギリギリ崖っぷちでレディとして保つのはカメラや照明機材をほとんど使用しないライティング(一部使用してましたね)。
頑なにフィクスのカメラに固執してきたランティモスもワイドレンズ使う使う、
魚眼も辞さないローアングルショットがほとんど。
その理由とは?
ウェス・アンダーソンと
ランティモスは筆致が正確無比、精密機械のようなので、
前作同様下記のようなことがぴったりはまってしまう・・・。
話しは脱線、
カメラフレーミングとその内容を世界地図の図法を例にして。
〇メルカトル図法
地球全体を平面にして描く、ただし極地は正しく描かれない。
カメラをフィクスで真正面から描く。
プロット運び、物語重視、芝居や感情に興味薄。
例えばウェス・アンダーソン。
〇モルワイデ図法
魚眼レンズのように歪んでみえるが、極地も正確。
ワイドレンズを使用してパースを駆使してでも人間の内面を描く。
芝居運び、感情重視、昼メロみたいに突っ走る内容。
ヨルゴス・ランティモスは今まではメルカトル図法が多かったが前回同様、
突っ走る。
機材やフィルムを作品の質に併せて新作してしまうキューブリックや、
タランティーノもこちらに近い。
以上勝手な図法解説は全くのデタラメです。
強調したい所は顕微鏡並みのピント解像度魚眼、ローアングルショット。
どうでもいい所はどうでもいい。
その理由は、すばらしい衣裳、背景に豪奢な部屋、荘厳な建物、盛者必衰、格差表現のアイテムを全部入れ込んで権威や品位を上げたり下げずんだり、
バックアップ担保(嘲笑有)しとくかって感じか?
たまに上からのアングルもあるんだけど、
単なるだだをこねる腐女子は見るに堪えない。
でも、それこそがおもしろいつくりでいつものヨルゴス・ランティモスの手口だ。
船のシークエンスが無駄に長い。
知識を得るおもしろさに気づく、
大事な場面だが、
映画的には退屈なセリフ以外にも、
手法は取れただろうが、
尺を使いたくないのもわかる。
考えてみれば、
シネコンで観る映画ではなく、
アート映画、
無駄に長いは、
あたりまえ。
自由や人権以前の、
脳は単なるハードディスク、
OSはDNAのような、
ケダモノベース、
ギンズバーグ、アーレント、
自由、権利、開放、
ジェンダーベース、
小さなアイデンティティを、
皮膚感覚マッハ50で拾い集めていくような、
ピノキオベース、
サリバン先生が、
手に水を当ててwater!
ヘレン・ケラーベース、
I have seen THE LIGHT !
ジョン・ベルーシベース、
それぞれテーブルを分けて、
テーマ別にも話せるが、
物理的ロジックより、
精神的ロジックより、
感情剥き出し、
いつものランティモスベースで、
なめんなよベース、
または、
ツッコまんかいベースで、
話すのが妥当か。
公房『密会』の溶骨症の少女のように、
ベラのココロを、
グズグズの真っ黒とみるか、
イノセントな真っ白とみるか、
は、
あなたしだい、
いや、
あなたの状況、タイミング、
マインドしだい。
【蛇足】
強調、ピント外しは、
絵作りだけでなく、
実は昨今の役者や物語にも反映されている。
それは100年強の歴史の浅い映画よりも、
400年続く歌舞伎の世界の方が顕著だ。
例えば、
役者でいうと、
16代目ロバート・デ・ニーロとか、
シナリオでいうと、
1シーン、いや1カットを拡張して表現する連獅子の舞とか、
強調する所は前後左右関係なく強調する、
ベスト盤のような、
あるいは、
今日のスーパーゴールのような・・・
400年継続する為の映画のありえない強調と、
映画のあるべき文法を比較して考える。
しらんけど・・。
エマ・ストーンの全てに驚き
橋から飛び降り自殺を図った若い女性のベラは、天才外科医のゴッドウィン・バクスターによって、自分の胎児の脳を移植され生き返った。そして、ベラは貪欲に多くのことを学んでいき、もっと世界を見たいと思うようになった。そして、ベラは弁護士のダンカン・ウェダバーンと駆け落ちし、大陸横断の旅に出た。大人の体で新生児の目線から世界をみるベラは、時代の偏見から解放され、平等と解放を要求し、成長していく、という話。
胎児の脳が生きていたのならそのまま育ててはどうかと思ったけど、目的が違うんだから仕方ないか、と途中から思った。
色々な男を経験するベラだが、さすがR18+だけ有ってなかなかのもんだった。エマ・ストーンの弾けたセックスシーンや幼児がヨタヨタ歩く姿など、彼女の演技全てが驚きだった。
あまりエロく感じなかったのは、愛のあるセックスに見えなかったからだろうと思った。
自殺を図った理由も伏線回収されてたし、最後も良かった。
面白かった。
未来のイヴ
フランケンシュタインの怪物のように甦ったベラ。ベラを甦らせたゴッドはさながら理想の女性像を求めるピグマリオンといったところか。
確かに体は大人の女性、心は赤ん坊で従順、これほど男にとって理想的で都合のいい女性像はないかも。
まだ幼い彼女は好奇心から広い世界を見たいといい、駆け落ち同然で家出をする。そして性的快楽や美食に目覚め、世界のすばらしさを知る。
それを与えてくれるダンカンに依存していたベラだが、世界の醜い部分を知ってショックを受ける。彼女の中でこんな社会を変えたいという気持ちが芽生える。そのためには多くを学びたい、とりあえずそのための生活資金として売春宿で働き始める。そんな彼女に未練たらたらのダンカンは帰国もせずに娼婦館の下で地団駄踏んでおります。
印象的だったのは彼女が娼婦として働きだしたころから見違えるようにきれいで知的な女性に見えたこと。今まではどこか男に依存して生きてきた無知で愚かな女性というイメージがガラッと変わる。自立して革新的な考えに啓発された彼女が本作で一番輝いていた。彼女は男性優位の娼婦館でもそのシステムに疑問を感じて意見したりする。女性に相手を選ばせるべきではないかと。
同僚の女性と社会主義者の集まりに参加するという彼女たちの後ろでなんとまあ無様な姿をさらすダンカン。ダンカン、この野郎。
ベラは純粋無垢なので世間体とか気にしない、売春をやることにも何の躊躇もない。むしろそれを責め立ててる男の方が滑稽に見えてくる。男社会では売春婦、娼婦といえば蔑みの目で見られたりする。でもそれは男目線、結局男が女性に貞淑を求めるのは己の独占欲を満たしたいがために過ぎない。俺だけのものになれ、俺にだけかしづけ、俺以外の男とするな、である。なにか道徳的倫理的に売春を責めているような顔をして結局は自分の独占欲を満たしたいだけなのである。それはダンカンや元旦那の姿を見れば明らか。
本作では観ているものに明らかに不快感を与える性交シーンが延々と描かれる。立派な身なりをした男たちが変態的な行為を要求したり、子供の性教育とばかりに行為を見せたり、そしてそれを真剣にメモる男の子の姿。ここまで男社会をこけおろしてるのもすがすがしいほど。
そして娼婦という仕事がそもそも恥ずかしい仕事なのか蔑まれる仕事なのか、ということにも投げかけてくる。やはり自分も心のどこかで娼婦を見下している。憐れだと、ほかに仕事がないから仕方なくやらざるを得ないのだろうと。そんな考えにも純粋なベラは投げかけてくる。そもそも憐れんでる時点で見下してるのではないかと。そんな風に本作は我々の価値観にもゆさぶりをかけてくる。
本作のタイトル、「哀れなるものたち」の正体は作品の最後の最後に分かる。この男社会を変えるには革新的な外科手術が必要ということなんだろうか。男が追い求める理想的で都合のいい女性像として創られたベラがその男社会を変えていくことを予感させるラストには思わず膝を打ってしまった。
ちなみにエマ・ストーンがエマーソンを読む、しゃれでしょうか。一人で女性史を演じきったのは素晴らしかった。個人的には「バービー」のマーゴット・ロビーと賞レースを競い合ってほしかった。この監督らしいファンタジーでグロテスクな怪作。
これぞ映画!
「女王陛下のお気に入り」で大手配給によるメジャー入りを果たしたギリシャのヨルゴス・ランティモス監督が、今回はサーチライトピクチャーズ配給によってインディ系映画にカムバック!そしてゴリゴリの作家性を出してきました。
やはりこの監督はやばい!笑
フランケンシュタイン、メトロポリスはとても分かりやすいオマージュですが、原作のゴシックホラー調の世界観がヨルゴス・ランティモス監督によってファンタジーなんだけど色使いや衣装がエッヂが効いたデザインになっていてモダンでかっこよかった。
相変わらずの魚眼レンズで普通の画がひとつもない。
巨大なセットといい映画作りをものすごく楽しんでいる感じが伝わってきて、観ているこちらも楽しくなります。
エマ・ストーンはやる子だというのは「女王陛下のお気に入り」時点でわかっていたのだが、マーク・ラファロ演じるダンカンのクズっぷりにやられました。完全にハマり役。
やはりクズキャラが魅力的な映画はいいですね。
パリで浮浪者になってロンドンまでしつこく追いかけて来る執念には参りました。最後ダンカンがどうなったのかとても気になるのだが映画では描かれなかった。
ただし、本作の日本配給は相当頑張っており、これだけエッヂの効いたアート作品(男性器もボカシなし!)を大手のシネコンで観れる日が来るとは思っていなかった。
私が観た109シネマズのほぼ満席の劇場ではエンドロール(これもかなり凝っていた)中も誰も席を立たたなかった。私のように圧倒されていたのか、ララランドのエマ・ストーンを期待して来てとんでもないものを観せられ呆然としていたのかはわかりません笑
性への目覚め、知の目覚め、そして自己解放という精神の大きな旅路をまさに船旅という画で分かる冒険劇に落とし込み、その冒険を渾身の舞台セットと衣装と音楽でデザインし尽くしている。これぞ映画。
ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を獲得したランティモス監督の最高傑作!今年ベスト確定!
全482件中、401~420件目を表示