哀れなるものたちのレビュー・感想・評価
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解剖学は緊張する
“わぁー”
観終わった後出たのはこの一言やった…またしても監督の変態性が作品を昇華させている…
やっぱスゴイ作り込んだ画、魚眼レンズやハマりきったカメラワークどれもバツグンでしたね。もちろんエマストーンも!そして最後の将軍の姿に戦慄した…人に勧めるのは少し躊躇するけどたくさんな人に観て欲しいような気にもなる(^^;;
「哀れなるものたち」とは…
ベラなのか、ゴットなのか、助手なのか、クリーチャーたちなのか、弁護士なのか、皮肉屋なのか、老女なのか、金をせしめた船員なのか、貧しきものなのか、女主人なのか、娼婦たちなのか、買いにくる男たちなのか、性教育をする父親なのか、将軍なのか、使用人なのか、二人目なのか、それともこの世界なのか…果たして哀れなるものとは…
誰かしれ哀れなものは少なからずある。
この世は哀れなもので溢れている。
①L-10
熱烈ジャンプ!エマストーン様⁈
いやはや問題作です。キ印の天才博士が蘇生した女性版フランケンシュタインのベラが天衣無縫に、無垢に世界を体験、学ぶストーリー。頭の中が新生児、カラダが成人の、奇妙なバランスゆえ、体験も学び方も常識が通じない。それでも周りの登場人物の方がどんどん滑稽に見えてきます。(それがPoor Things?!) 現代版マイフェアレディの印象も?
セックスシーンが多すぎて、少し辟易される向きもあるやもですが、売春宿でのいくつかの場面以外は必要だったと思う。ベラを演じたエマ様、凄すぎます!スタンディングオベーションです!
現代人が持つ、自由、冒険、常識、ジェンダー、現実、社会の仕組み(劇中の時代設定は産業革命後〜大戦前?)の認識を嘲笑う挑発に満ちた作品⁈個人的には、最後の伏線回収は無くても良かったが…それもベラを通じた学びだったか、スッキリはしました。いや、とにかく参りました。
あと、極彩色に変化した後の映像がアメリやムーランルージュのような雰囲気で結構好きです。
ただ、カップルや家族で観に行くのはやめた方が良いかも?R18+です。
登場人物は皆上流階級なのに、やっていることは哀れ
すごいものを見てしまった。映画を見ながら、古典落語の「元犬」とか、筒井康隆のショートショート(こちらは馬の脳を移植された男の話)とかを思い出していたが、まさか映像化してしまうとは。アレクサンドリアの描き方が酷いなとは思った。
ブラックユーモアも最高だった
我々は“もの”ではないと宣言する艶笑スチームパンク
女性の主体性の獲得と、それを阻む家父長制社会を描き、我々は“もの”ではないと宣言する艶笑スチームパンク。
マッドサイエンティストに自分の赤ん坊の脳を移植され、無理やり生まれ変わらされた主人公。彼女が主体的に性に目覚め、知識を得て、生活をたて、世界を改善しようとする過程を通じて、女性を都合の良い“もの”として扱う家父長制社会の搾取構造があぶり出される。
主人公の主体確立の過程で、一度は戯画的なものとして笑われ退けられた“有害な男らしさ”が、「現実はそうじゃねんだよ」とばかりに、暴力を伴って再度立ち現れてくる展開には戦慄を覚えた。
主人公の成長に合わせた歩き方の演出や、色彩設計も見事。
あえてローファイにすることで作り物感や表現主義感を増した美術も印象的だった。
2024年ベストムービー!⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️✨✨
観る側の「性や差別に対する寛容さ」が問われている…そんなテーマの作品でした。
…なんて難しいことは考えなくとも、煌びやかな映像体験ができること必至の作品です!
超オススメ!笑
*今度は大きな劇場でもう1回観てみたいな…。
この映画はコメディーだったのか!
初っ端のベラの幼児っぷり、動きのぎこちなさエマストーンの芸達者ぶり...
独特の世界ですね
アカデミー賞にノミネートされている話題作ということで早速鑑賞してきました。ヨルゴス・ランティモス監督作品を観るのは初めてです。エマ・ストーンがアカデミー主演女優賞にノミネート。
見終わった感想はというと、力作ですが好みかと問われると答えに詰まります。グロいシーンや性交場面が多く、これがアカデミー賞ノミネート??と途中までは感じました。
ベラは赤ちゃんの脳を移植された大人の女性という設定なので、純粋過ぎて下品だと感じる部分もありますが、そもそも人間の本音は下品なのかもしれません。社会を形成する上で人間関係を円滑にするために本心を包み隠し、嫌なことでも我慢して皆生きてる訳です。
性交シーンがこれでもかと多いのはそれが人間を形成する大きな欲望だからなのかもしれません。欲望を満たし女を支配しようとする男たち。しかしベラは肉欲を満たしながらも、男に支配されるのではなく、真の自由を望み身体を張って生きていく。
映画を見る前はベラがいろんな冒険や経験をして成長していくのかと思いきや性の部分に多くスポットがあてられその描写が多く、ベラが性交を通じて男を知り、そして女を知るのがなんだか男の視点で見ると考えさせられるものがありました。描写は割と奔放に描かれてるのでいやらしさはあまりありませんが下品だと思う方もいるでしょう。
結局は、男と女は性交で結ばれますが、男女の結びつきにはもっと重要な事があるとこの作品は言ってる気がします。本当の意味での女性の自由がなければならないと。
ラストで元の夫が登場してからも面白かったのですが、正直にいうと上映時間がちょっと長く感じました。
追伸:ウィレム・デフォーも歳をとって立派な役者になりましたねえ。ストリート・オブ・ファイヤーのときはまさかこんな演技派俳優になるとは想像できませんでした。
(๑˃̵ᴗ˂̵)史上最大の勘違いを犯しました。
成長記録的な
オスカーレースで話題だからといって、絶対に初デートやファミリーとの鑑賞で選んではいけない作品、だと思います
ん〜、昨年の「エブエブ」みたいに、またもやオスカーレースを騒がすトンデモ作品が登場・・・
観た直後の第一印象は“いろんな意味でなかなかの変態ぶり”
今年のオスカーレースで「オッペンハイマー」と本命視をがっぷり二分するノミネーション作品ですが、明らかに一般向けではないですね
オスカーレースで話題だからといって、絶対に初デートやファミリーとの鑑賞で選んではいけない作品
途中退場も数人いました
作品のテイストは好きです
緻密に計算され作り込まれた見事な画づくり、独特の色彩タッチ、画面の端が大きく歪んだ映像と通常の映像の意味付けされているであろう切り替わり等々、直ぐにヨルゴス・ランティモス監督作品と分かる上質な映像表現は興味深かったです
特に前半のモノクロ映像と継ぎ接ぎだらけの醜悪なメイクをしたウィレム・デフォーさん演じる科学者のシーンは昔のフランケンシュタイン映画みたいで、とても雰囲気があって良かったです
そして本作のもう一つの見どころは、何と言ってもエマ・ストーンさん
全編にわたって彼女のフルヌードやセックスシーンがこれでもかってぐらいあります
こんな役、超ビッグネームの彼女がよく受けたなと思いましたが、彼女はプロデューサーも兼ねてますから自主的にやったんですよね、感心します
そして前半のまだ脳が幼少期の頃を演じる彼女がとても不気味
不気味なキャラクターが自由を手にし広い世界に放たれ、性に目覚め、しまいにゃ娼婦になり、最後はシュッとした知性を覗かせるクールビューティになる、というとんでもなく難しい役をやりきった事を考えると、エマさんがこの役でアカデミー主演女優賞(Academy award for Best Actress)にノミネーションされるのも納得ではあります
そしてもう1人、ウィリアム・デフォーさんのマッドサイエンティストっぷりが素晴しい!
特にモノクロ画面であの継ぎ接ぎだらけのフランケンシュタインみたいなバストアップ映像が出るたびに痺れました、正式にはノミネートもされてませんが、私の中ではオスカー・助演男優賞受賞です(笑)!
最後に解らず気になっている点をいくつか
・穴から覗いている様な映像が意味するものはどういう意味の表現か?
・モノクロ映像とカラー映像の違いは何か?
・冒頭にも記載した、フィッシュアイレンズで撮ったような画面端が大きく歪んだ映像と通常の映像の切り替わりの意味するものは何か?
と、かなり賛否が分かれると共に、ちょっとクセになる作品だと思いました
無垢な魂と性
2023年。ヨルゴス・ランティモス監督。自殺した妊婦を、そのお腹の中の胎児の脳を移植することで助けつつ自らの実験にもしようとした医師。大人の身体を持ちながら未熟な脳を持ったその女性は、みるみるうちに成長していくが、次第に性の世界に取り込まれていく、という話。
言語や社会の知識を驚くべきスピードで吸収していく無垢な魂の物語。彼女の感覚を追体験することで、常識を捨ててみれば、この世の中は理不尽なことだらけだということがよくわかる。身体の要求や科学的な合理性に従って実験的に生きていく主人公。その最大の問題が「性」であり、主人公は自身の(移植以前の、を含む)性をつきつめていく。
不思議な光、街や風景のビビットで不気味な色彩は幼い子どもに感得される現実の風景なのかもしれない。エマ・ストーンのただたどしい動きと合わせて奇妙に独特なイメージだった。ただし、恋に関わる場面は、穏やかに歩きながら話す湖の水辺だったり、上と下の格差が生まれる二階のバルコニーだったり、閉じ込める場所としての海上の船だったりする。そういう意味では定型にそった演出であり、安心安全な映画。
全く共感できない
気持ち悪いけど凄いとは思う!
性描写の許容度は人それぞれ。私の場合はかなり駄目な方です。
若い頃からずっとそうなので、肯定的に受け入れられない理由が自分自身にあるのでしょう。今回は、しばらく胃腸が悪かったせいもあり、観た後ずっと気持ち悪くて…夜中に嘔吐しました(笑)
エマ・ストーンは、あんなに頑張らなくてはいけなかったのだろうか?
何かもっと他にアプローチがあったのではないか?
性描写に引っ張られて、そればかり記憶に残ってしまう。
…見終わった後も、やや疑問が残ります。
それでも「観なければ良かった」と思わないのが自分でも不思議です。
全体を通して、ベラの前向きな生きるエネルギー、成長したいという欲望が猛烈に迫ってきて、圧倒されました。
あと、着地点のおかげで、鑑賞後感は良かったです。
テーマも美術も世界観も、特に衣装は可愛くて素晴らしく、楽しめた部分が多いことは事実。
好きにはなれませんが、すごい作品であることは認めます。
未見の方はぜひ挑戦してみてほしいと思います。
大人のお伽話
エマ・ストーン、ウィレム・デフォーが素晴らしい ダーク・ファンタジー・ホラーのテイストで描かれる自由と解放の物語
女性だけでなく、古い価値観などの圧力からの解放と自由の物語。
その手法は、ウェルメイドの優しさではなく、現実的で即物的で悪魔的な側面を持って描かれる。
まさに、ダーク・ファンタジー・ホラー!
自殺した若い女性が、天才外科医ゴッドウィン・バクスターの手術により、ベラ・バクスターとして奇跡的に生き返る。
「外の広い世界を自由に見たい」という欲望を叶えるため、弁護士ダンカンに連れ出され大陸横断旅行に出たベラは、様々な経験を通して、世界の非情や自由を経験するのだった。
物語は終盤で、ハッピー・エンドを一度思わせて、そこから驚きの展開を経て、グロテスクな面を加えていく。
何といっても、製作も兼ねる主演のエマ・ストーンによる、演技が凄い。
ヌードや体当たりのシーンに限らず、成熟した体をもちながら、新しい知識・発見を次々に重ねていき成長していく女性を見事に演じています。
コミカルで独特な体の動きが粗暴でキュートで癖になる。
そして、ウィレム・デフォー(大好き!)演じる生みの親のゴッドの、やはり医師だった父親から受けていた仕打ち、手術では常に「慈悲の愛」をもってナイフを入れるようにと言われていた話など、独特の親子関係、ベラとの親子愛も印象的。
旅先の各地の、極彩色でファンタジックな風景、レストランや豪華客船、ブリッジ的に挿入される幻想的なアイキャッチなどの美術、キッチュで愛らしい個性的な音楽も素晴らしい。サントラ出ないのだろうか!
凡庸な表現ですが、本作は本当に、142分を全く長いと思わなかった!
映像が素晴らしい。
女性受けはしそうにないな。
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