哀れなるものたちのレビュー・感想・評価
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哀れなるものたちって誰のこと?
映画館で観れてよかったです。ヨルゴスランティモスは美しい映画が多いと思っていましたが、これもまた美術が素晴らしい作品でした!エンドロールもしっかり見てほしいです。衣装でのベラの状態の表現も面白く、ヴィクトリアトップスにペラペラの黄色いペチコートに白いブーツの冒険スタイリングがお気に入りです。不気味でシュールな音楽も耳に残り心地よかったです。
原作は未読。事前情報ゼロの状態で観てきました。
エマストーンの演技、パワーがとにかく素晴らしいです!今回エマストーンも俳優だけでなく制作に関わっているという事で彼女の俳優としての力と、映画を通して社会にメッセージを残していくという力強さに圧倒されました。
わかりやすく、この映画のテーマは女性の成長だと思います。主人公のエマストーンが演じるベラが精神年齢が野生的で赤ちゃんの状態からどんどん色んな世界や人に触れて自我を形成し自分で人生と人格を選び、持ち前のフラットなメタ視点から女性として大人になっていく姿は見ていてとても魅力的で爽快です。
正直、まだ生まれたての獣の状態であるベラは、いくら可愛いエマストーンが演じようと見ていられない醜さを感じましたが、人格ができてからが私はすごく魅力的だと思いました。それに対して、彼女の人生に関わってくるマックスやダンカンなどの男性は彼女が"何も知らない無知で見た目が美しく可愛い女の子"として見ていたようで、自分が与えるものでその世界にいる状態のベラを愛しく思っており、それはベラのエマストーンの美貌でしか成立せず、強いルッキズムと、フェミニズムを感じます。仮にベラがものすごくブスだったらこの話は成立したのだろうか?"ブスの無知"は冒険に出るチャンスも与えられないのだろうか?と疑問です。
ベラが新しい音楽とダンスに出会い一人踊り出すシーンでも、何度もダンカンに俺と踊れと言わんばかりに戻されるシーンも男性にとって女性はこうあってほしい姿を表しているようで象徴的でした。
自殺した妊婦の胎児の脳を母親に移植するというトンデモ設定ではありますが、女性の冒険サクセスストーリーとしてはありがちな展開ではあるものの、ベラの魅力とダンカンやマックス、ゴッド、ハリーと彼女を取り巻くキャラクターの面白さで退屈せずにずっとみれました。
特にダンカンは、最初はイケてる遊び人風だったのに実は嫉妬深くて女性に幻想を抱いているタイプのわかりやすい男性でなんだかバカでかわいいなぁと思ってしまいました。船の老婆のマーサもお気に入り。
チキンドッグ、飼いたい。
ベラの冒険と成長の物語
好き嫌い分かれる映画やと思う
最後にドン引き。アカデミーは好きそうな話やわ。上映時間の6割以上が下ネタに費やしてる印象。これは間違いなくR18やな。体を張ってるという意味でもエマストーンは評価されているのかなと思った。
この監督の音楽は相変わらず不協和音多め。音楽は毎回クセになる。
女性からみて、体を売っているのはなんとも複雑な気持ちになる。その点であまり良い映画だとは思えなかった。ベラの成長に感動するよりも生理的な気持ち悪さが上回ってしまった。
エマストーンもよかったとは思うが、私自身としては、アカデミー主演女優賞は、静の演技が印象的やったリリーグラッドストーンに獲ってもらいたい!
なるほどアカデミー賞
なるほどアカデミー賞主演女優賞にノミネートされるだけのことはある。エマ・ストーンさん頑張ったね…。何故18禁なのかというと、これでもかと性的行為のシーンが出てくるからと思われる。「え?こんなにオープンな話なの?!」と序盤から驚いたが、先行き見えないストーリーに思わずのめり込んでしまった。
人間の愛、欲望、暴力、醜さ、愚かさをありのままに表現し、本能に問いかけてくる。果たしてこれは神に許されることなのか?最後まで分からなかった。ベラを造った医者は、自分のことを「ゴッド」と呼ばせる。
衣装はアカデミー賞受賞しそうな勢いでお洒落だった。映像もモノクロとカラーが入り交じり、色の配置も美しかった。個人的にはフォントも好きだった。
周りの観客が話すには「めっちゃイギリス映画」「男のひとは気まずいかも、女性同士が良いかも」とのこと。なるほど…。
マーク・ラファロがかなり良い味を出していた。もともとマーベル作品で知っていたのだが、今作の個性的で迫真の演技にとても驚いた。
芸術品を眺めているような、リッチな時間を過ごせたように思う。
良作だが、人物像が極端な気も
ベラ・バクスターの冒険 面白かった!
エマのとりこ
時間と金を無駄にした
エマ・ストーンの体当たり演技も、魚眼レンズ他クセ強めの映像も、不協和音だらけの音響も良かったけど、、、
エログロと芸術。 2時間21分あってやや食傷気味だけど、見たほうが...
エログロと芸術。
2時間21分あってやや食傷気味だけど、見たほうがいいと言えば見た方がいいかなと。
現代なのか、中世なのか、はたまた未来なのか。
絶妙にミックスされた衣装、色彩、アイテムで構築された世界観は非常に素晴らしい。
また、その世界観に負けないエマストーンの存在感は必見。
まるで美術館を回っているかのような2時間でした。
エログロは賛否あるんでしょうが、
人間は獣っていう言葉通り、生死の本質を生々しく描画するとああいう表現に行き着くのかなとも思えました。
思うままに生きるベラやゴッドウィンと、金や立場に執着する人達の対比がよく描かれていたと思います。
ただ、そこまで揺さぶられなかったなーと思うのは、どこか火の鳥やブラックジャックで見たなぁって思ってしまったからかも。
世界を知れば、世界を手にできる
まず、想像したよりグロかった。そしてエロい。それなのになぜか清々しい。それは、この映画が人間賛歌を謳っているからなのだろう。人間の愛欲を皮肉たっぷりに描く、成長物語、冒険物語だからだろう。人造人間と言えば、フランケンシュタインかキャシャーンかって思い浮かぶけど、このベラの陽気さはチャーミングだったし、知能、感情、性欲、理性がぐんぐんと発達していく様は見事だった。エマ・ストーンの演技の賜物だった。邪悪なものを憎み、哀れなるものを慈しみ、未知の世界に貪欲に、閉じこもることを好まず、果てしなく広がる世界へと恐れずに足を踏み出していくベラの魅力。美しく、新鮮で、不穏で、奇妙。性的な興奮でさえ背徳的なものと思っていない。そんな純粋なる人造人間を前にして、むしろ生身の人間の浅ましさが浮き彫りになるのが滑稽とも思えた。
そして最後、ベラの聡明なる笑顔を見た時、「ベラに幸あれ」とエールを送りたい気分で満たされた。
カオスからコスモス?へ
ニュアンスが合っているか、この表現が合っているのか分からないし仰々し過ぎる気もするが、取り敢えず全体を通してカオス(混沌)からコスモス(秩序)へ段々と散らばったものが収縮していくという印象を受けた。もっとシンプルに入口が広くて出口は狭い、みたいな漏斗のような雰囲気に近いかも笑
冒頭から映像表現が素晴らしく、色使いや構図、撮影方法、カメラの動きなどあらゆるシーンに工夫が合って素晴らしかった。
ただし前半は正直とにかくシュールで、ついて行けそうにないな。うん。といった感じで観ていた。トップ女優がシュールで芸術的な映画の為に身体を張ってます的なやつか。と早速結論づけてしまいそうだった。
後から思うとわざとか?と思ったが、ベラがダンカンと旅に出てモノクロからカラーになった後から急激に話が入ってくるようになり、面白くなってくる。
街を探検し色々なものを観て、「体験」し、「成長」していくベラ。ダンカンに指導を受けながら、失敗しながら外の世界との関わりを覚えていく。
そして船に乗ったあたりから一気に思想的な成長を遂げ、さらに貧困を知り、世の中は本の中の理想だけではない現実も知ることになる。
パリに放流され、娼館で働き様々な男女と関わり、金を手にして文化や医学にも触れ、気がつけばどうだろう。あれほど散らばっていたものが一つの、しかも綺麗な球体として完成されていた。
あれ?なんかこの映画実はめちゃくちゃまとまってるじゃん。と理解できると諸手を挙げて「凄い映画だ。」と感じることができた。
気になった点。ベラの正体というか仕掛けは確かに面白い。が、無垢な状態の女性主人公が歩んでいく道筋としては、性への目覚めや、男から(ダンカン)の扱われ方やレストランでのはしたない事を言ったりするコメディ?や金が必要で娼館で働くなど、大方予想できるラインでやや面白味には欠ける。
終盤のある種「気高さ」のある彼女へ至る為にはその対比として必要な部分だったのかもしれないが。
あと自身の正体とそれを作ったゴドウィン(博士 フランケン)に対し「流石にそれは許せない」と言っていた彼女が、元夫の脳をヤギにしてしまったのは、ちょっとよく分からない。結局彼女もその許せないゴドウィンの様なマッドサイエンティストになってしまっているのはどうなのかな?元夫は確かにクズたけど。
ややツッコミたい所も感じるが、いずれにしても評価せざるを得ないという出来だったと思う。
エマ・ストーンの覚悟
世界をもっと知りたい。良識なんてクソくらえって感じ
人造人間ベラのヨーロッパSEX漫遊記
結論から先に言うと凄まじい傑作、封切り間近だからと去年の東京国際映画祭でスルーしたことを激しく後悔しました。まあこんなほぼ直訳の邦題はオシャレではあるんですが映画の内容自体は判らないので私ならこう名付けます。
“人造人間ベラのヨーロッパSEX漫遊記”
直接説明はないですが舞台は19世紀のヨーロッパ・・・ですが世界史の教科書で見覚えのあるそれかと思いきやヨルゴス・ランティモスが描いてみせるのは『ブレードランナー』みたいなスチームパンクなマシンが日常に溶け込んでいる全然デタラメで美しい世界。この辺りは18世紀を舞台にしながら風景にもサントラにも違和感が滲んでいた『女王陛下のお気に入り』からさらにシュールさに磨きがかかった感じ。お話を書くと野暮にも程があるので似たような作品で喩えると、序盤は『フランケンシュタイン』、中盤は『エマニエル夫人』、終盤は『ファントム・スレッド』もしくは『バービー』という感じ。とにかく執拗に繰り返される性描写が赤裸々にも程があってしかも無修正、まさかエマ・ストーンがシルビア・クリステルを軽々と超えてくるとは誰も期待していなかったことでしょう。というかこれがそのままスクリーンで上映出来るならモザイクとかボカシとかもう要らんってことですよ。そこだけ切り取っても画期的。ホンマ『ブギーナイツ』とか『ぼくのエリ』とかも無修正でスクリーン上映して欲しいです。
『女王陛下の〜』は登場人物の誰にも感情移入出来ない物語で魑魅魍魎達の七転八倒を半笑いで眺めるようなトラジコメディとなっていましたが、こちらは奔放極まりないベラの快進撃がとにかく痛快で最初から最後まで楽しくてしょうがないです。ほとんど全てのカットが斬新かつ美しいですが、特に印象的だったのがベラが訪れたリスボンの街角で弾き語りで歌われるファドに心を奪われるシーン。Carminhoが歌う“O Quarto”(部屋)という曲ですがその歌詞がベラの境遇と共振する様が物語のフックとなっています。
美しくも無知なベラを誘惑したはずが壮絶な速さで世界を理解していくベラに翻弄されて身を持ち崩していく胡散臭い弁護士ダンカンを演じるマーク・ラファロが開陳するヘタレぶりも見事ですが、やはりベラの創造主たるゴッドことゴドウィン・バクスター博士を演じるウィレム・デフォーの存在感が圧巻。自らも父によって人体実験の限りを尽くされたボロボロの肉体を引きずりながらベラに惜しみなく愛を注ぐマッドサイエンティストという常軌を逸したキャラクターを演じられるのは確かにこの人しかいないでしょう。
予告を見た瞬間にこりゃ『フランケンシュタイン』オマージュだなと思ったのでちょうど再上映中のヴィクトル・エリセ監督の『ミツバチのささやき』を先に観ておいたのですがこれは大正解。村にやってきた映画『フランケンシュタイン』を観て怪物に魅せられた少女アナが無邪気な遊びを繰り返した末に自分を閉じ込めている見えない壁にぶつかり父と対峙する物語が見事にシンクロしていました。
色々楽しい作品ですがR18+なのでどエゲツナイものがバンバン映り込んでいますし、ベースにあるのが痛烈な社会風刺ですのでそんなワサビが苦手な人は近づかない方がいいかとは思います。
天才の目を通してみた世界の鮮やかさと残酷さ。
前情報無しで鑑賞。天才の目を通してみた世界がこんなふうなのだと感心しました。
最前半の黒澤「赤ひげ」を思わせるモノクロから一転して、ロンドン、リスボン、アレクサンドリア、パリ、青い海の圧倒的な色彩が印象的でした。
ウィレム・デフォーの抑えながらも狂った演技は彼の華やかな芸歴の中でもピカ一(前情報無しだったのでアカデミー賞当確かと思っていたら候補にもなってませんでした笑)。エマ・ストーンの演技はうますぎて鼻につく。好き嫌いが分かれる感想です。
2時間超で長いですが、退屈なく観ることができました。様々な男たちのセックスプレイシーンも新鮮で、様子がよく分かり良かったです。
ラストのラストシーンは蛇足。ちなみに、特殊な環境から医者を目指す女性としてシーボルトの娘楠本いねさんを思い出しました。原作者は彼女知ってるのかなあ?シーボルトは若い頃やんちゃで、顔面が傷だらけだったというのは余分な知識ですね。
良い映画でした。
(一回運営様にレビューが消されて2回目のレビューです)
鑑賞動機:ランティモス8割、あらすじ2割
「まーた、変な映画撮って」と書いてみたものの、原作あるし、脚本はまかせてるから、隅々までランティモス印というわけではないのだろうけど。
動物が最初に出てくるところで、危うく自然すぎてスルーしそうになった。馬車かと思ったら…
私が知っている過去とは微妙に違う世界だと思うのだけれど、ベラという異分子に接した周囲が変わったり変わらなかったり、あるいはベラ自身の変化が見どころなのかな、と。最初は無知/無垢故にだけど最後は…みたいな対比もあるのかな、とかね。パリのパートは、最近観た『ラ・メゾン』と捉え方の違いを考えるのもした。
本を海に放り込むのに、次々代わりを出してくるとこ好き。逆にラストはあまり好きじゃない。ランティモスは一筋縄にはいかない。
とても退屈なキノピオ
意見をはっきり言える女性かっこいい。 それで人を傷つけることがあっ...
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