哀れなるものたちのレビュー・感想・評価
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哀れなるものたちとは誰か
自由で天真爛漫、欲望にも忠実なベラ。
当初は改造人間となってしまった彼女、それを作ったゴッドが哀れなるひとたちかと思ったが。
前世紀初頭?の常識、風習、嫉妬心、独占欲に縛られた男たちがベラの行動に振り回されて自ら破滅してゆく。
彼らこそが哀れなるものたちなのだ。
翻って現代のリアルな世界に生きる私たち。ニュースやSNS、Webを通じた情報に踊らされてはいないか。
私たちが信じる常識や価値観に振り回されて「哀れなるものたち」となっている危機を刺しているいるように思えてならない。
あまりの衝撃に呆然としつつレビューを書いてみる…
結論からいうと『最高』
私の中では『芸術作品』
終始エマストーンの青くて大きな瞳や美しい輪郭に目を奪われつつも、所作や無垢な挙動や立ち振る舞いに心動かされ、目が離せなくなってしまった
リスボンでの大口あけて食事するシーンや、街中歩いてて聞こえてくる歌声に感動してるシーンはこちらもジンときた
乳首丸出しで眉間に皺寄せつつ放送禁止用語を連発してるけど、この人はなんでこんなに美しいんだろう…
エロスだけれど、ちょこちょこギャグめいたシーンが挟み込まれていてクスクス笑えた
たとえば父が教育のために息子を同席(笑)、息子たち顔赤らめてたけど多分別撮りだよな?とか(日本じゃありえん)
食事の最中にペニスの話、娼館で働いてるときの素直すぎる言動、マックスから不意に性病検査してるか聞かれるシーン…すべて笑えた
パリにて、娼館で身体を売ったことに嘆き喚く彼に対し、むしろ経験できたことであなたのセックスの良さに気づけたと冷静に返答するベラにも1票
俳優の皆さんの演技が素晴らしいのは勿論の事…建物、衣装、CG、デザイン…すべてがツボすぎた
船上のマダムもパリ娼館のマダムも魅力的
ベラの成長過程において、倫理観のみならず人類学や哲学的な要素も含まれ、且つ性や人種や貧富の差も折込まれ、ミックス焼きの脳になった気がする…
見終わったあと、こんなにドキドキしながら家路につくのは久しぶり
それぐらい久々に好きな作品に出会えた
『良い作品観たぞー』『周りに共有して感想ディスカッションしたいー』という気持ちで一杯です
監督の他作品も観てみたい
娼館で学んだものは社会性とジェンダーとコミュニケーション
好奇心と探究心をもって改善し進化したいと考える精神が大層健康的。知らぬ間にスラムを見て泣き崩れる感情がちゃんと育っていたんだね。
性欲の発見後の、セックス中いろいろインストールしている感に爆笑。
ヨルゴスランティモスも性格が悪そう(褒)だけど、今作は性格の悪さを綺麗にラッピングしててよいです。
(脳みその)幼少期のドラマチックを通り越してサイケデリックな色から、社会性と言葉を獲得して最終的に選ぶ色が黒というカラー演出良かった。
ラストナイトインソーホーへのよいアンサー映画。
または女版ジャンゴ。
哀れなるものたち
ある科学者の実験から生まれたとされる妖怪人間ベラの望みは「早く人間になりたい」。そのために鞭を振るったり、手首を動かしたりして、悪い妖怪や悪人と対峙する。では、こちらの科学者から生み出されたベラの望みは?「世界を自分の目でみたい」ってこと。それって弁護士ダンカンによって、あっさり叶えられるね。ちなみにダンカンのやっていることは、この時のベラの状態から考えると、幼児もしくは未成年者誘拐及び淫行以外の何者でもないから。そして、もっと学びたいと思ったら、都合よくマーサやハリーと知り合い、哲学や読書を教えてくれる。パリで無一文になったら、意図も簡単に娼館で働け、しかも社会主義者になったり大学で医学まで学んだりもできちゃう。船上でダンカンに読んでる本をほかされても次の本をマーサが渡してくれるように、望むことは大概は周りが叶えてくれる。ベラが自分から何かを成し遂げようと孤軍奮闘する姿は全然見られない。その醜い姿のため、疎まれ追われ、それでも人間を助けようと旅をする妖怪人間ベラ。対して、こちらのベラの‘冒険’の何と薄っぺらいこと。ロンドンの家から出たけど、リスボンのホテル、船の中、パリの娼館と常に限られた空間の中だけ。それも限られた人とだけ。エマ・ストーンは、こうした出会いを通じてベラはどうすれば社会に役立てるのか、世界のためになにかを作り出せるのかを考えるようになったと言っているが、そうかなあ。アレクサンドリアで多くの赤ん坊が死んだことを知った時は人のお金を渡しただけだし、娼館では「女性が選ぶシステム」を提案するも、具体的にどんなシステムかを考えることもそれを実現化することもしない。タトッーやり手ババアにあっさりと懐柔させられる。気がつけば、どっかへ行ってしまう。アレクサンドリアでは多くの赤ん坊はこれからも死んでいくし、パリの娼館では、女性たちは自由意思なく男性に選ばれ続ける。何も変わらない。少なくとも妖怪人間のベラの方は、悪い妖怪や悪人を退治していったぞ。結局、ベラのしたことって、元旦那を山羊人間にしただけ。それって、元旦那がベラにしようとしたことと同じじゃないの。パンフレットに書かれた自分の力で真の自由と平等を見つけた結果がこれなの?エキセントリックな人物や壮麗な美術などに飾られてはいるが、中味は退屈な話。哀れなるものたちって、こんなものを高いお金を払って2時間以上も見せられる我々観客のことか? と、長々と拙い文で文句を書いたが、見に行く価値がないのかと言えば、そうではない。傑作だと言う人もいる。それはそれでいい。いろんな見方が出来る映画だから。出来れば、友達や恋人、夫婦など複数で見に行って、見終わった後、意見を交換しあったらいいと思う。それでお互いをもっと理解することが出来るなら、それも映画の魅力のひとつだから。
20世紀初頭の物語。 ある時、天才外科医ゴッドウィン・バクスター(...
20世紀初頭の物語。
ある時、天才外科医ゴッドウィン・バクスター(ウィレム・デフォー)は出産間近の妊婦の死体を手に入れた。
母親は死んでしまったが、胎児はまだ生きている様子。
ゴッドウィンは、胎児の脳を母親に移植し、電気ショックで蘇らせることとし、手術を敢行。
女性は蘇生し、ベラ(エマ・ストーン)と名付けられた・・・
といったところからはじまる物語は、『フランケンシュタイン』の怪物のバリエーション。
幼児脳のベラがゴッドウィンの屋敷内で奇異な行動する前半はモノクロで、怪奇映画っぽい雰囲気が漂います。
その後、放蕩者弁護士のダンカン(マーク・ラファロ)に誘われて世界に飛び出してからはカラー。
つくり込まれた美術の豪華さなどに目が惹かれます。
ベラの脳は急速に発達するも社会規範を身につけるまでには至らず、本能と欲望が底辺にありつつも、男性優位の社会規範に対して本能的に否定的忌避的行動をします。
そのうちのひとつが性衝動で、ベラはそれを隠すことをしません。
船上で出逢った進歩的老婦人の助言で本を読むようになったベラは、まさに啓蒙され(蒙を啓かれ)、彼女なりの論理的行動をとるようになる。
が男性優位主義の権化のようなダンカンは、ベラの論理的行動を非倫理的と受け取り、赦すことができない・・・
と後半になると、旧弊な男性優位主義対進歩的な女性意識という主題がはっきりしだし、その分、笑いのツボも増えてきます。
(前半も、ベラの奇異な行動を笑うことはできるのですが、いかんせん笑っていいものかどうか、観ている側としては躊躇せざるをえない)
ただ笑えるようになる分、主題の浅さも同時に感じるため、逆にちょっとツマラナイ、とも言えるでしょう。
さて、冒険旅行の果てに今際の際のゴッドウィンの屋敷に戻ったベラは、かねてからの婚約者、ゴッドウィンの助手の青年と結婚と相成るのですが、そこへ現れたのが生前のベラの夫の軍人。
彼がダンカン以上の男性優位主義者で・・・
この後は書かないことにしますが、へへへ、そういうオチね。
って感じ。
馬鹿は死ななきゃ治らない、いやいや、死んでも心は入れ替えられない、ならば・・・
豪奢な美術、エマ・ストーンの演技、魚眼レンズを使った異化効果のある撮影など見どころは多いのですが、後半、主題が立ち上がってからは、むかしから怪奇映画を見慣れた身としては幾分失速かな。
『フランケンシュタイン』の怪物のバリエーションではあるのでが、思い出した映画は次の2本。
ダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』を映画化した『まごころを君に』と、女性の胎児に成長促進剤を投与する怪奇劇『エンブリヨ』。
どちらもラルフ・ネルソン監督作品。
前者は引き合いに出される機会もあるかと思いますが、後者『エンブリヨ』は口端に上ることも少ないだろうから、ここに記しておきます。
こんな映画に出れるなら、私も脱ぐ。
ギリシャの若手、、、と言われてたころが懐かしい。今では世界のヨロゴスですわ。
ギリシャどこいったー 草。
レヴューも400越えでインパクトの程が伺えます。パンフも売り切れじゃった。地名は既存のものですがSFファンタジーの素晴らしい原作(未読)。ヨロゴス監督が10年程前、直接原作者に会ってお願いしたという気合いの入った作品です。
死んだ妊婦にお腹の胎児の脳を移植するという発想がもはや軽くフランケン越え。
そこから人という生物の誕生、二足歩行、自我の芽生え、自立、知識、思想、男女平等、ジェンダーレスと人間の歴史、進化の過程をエマストーンが脱ぎっぷりもよく頑張った。生物として進化する過程で人間の様々な問題を描いていく身体と精神の旅の話なんで脱ぎ過ぎとは思わない。
人工的なモンスターではあるが、最終的に人間としてむしろ高い完成度となり、自分の根本にある問題解決に挑む、、、というヨロゴスにしては珍しいハッピーエンドのフランケンシュタインです。
作品規模がデカくなりどん美術が凄くなってます。
ブダペストのスタジオで、全てKodakのフィルムで撮影してます。エクタクロームは16mmしかなかったのをKodakがわざわざ35mm今回用に生産した模様。
しかし情報量多いセットで広角レンズガンガン振り回すのまじキツい。「女王陛下の、、」でもそうだったの思い出した。なんとかならんかのう、、、、。
音楽も素晴らしくて帰りにDisk union行ったけどレコードとDLしか現状ないらしい、、はよCDだせ。
これは冒険なの?
映像は楽しく、ゴシックロマンスの世界に浸れる。映画館まで観にいく甲斐はあった。
ストーリーは手塚治虫のブラックジャックの読者であれば、そんなに奇妙奇天烈とは思わないのでは。ただ、あれは漫画ならではの世界観だった。昭和の午後の光が緩く差し込む子ども部屋で貪り読む漫画。その背徳性めいたものが剥がれ落ちていく気がする今日この頃。
弁護士と駆け落ちしたベラの精神は急速に成熟。船で会うウィットある貴婦人とのやり取りが楽しい。売春宿だけではなく、もっと街の集会に行く様子などを見たかった。
ただ私が男性目線で彼女を見た場合、はたして女性としての彼女に溺れるだろうか。色気もなければ神秘性もない。馬車が走っている時代にアンドロイドを妻にしたいとは到底思えない。そして多くの男性が望む女性の若さ。主役の年齢だとかなり外れていないか。
男性たちの憧憬は、ベラを社会に参加させるための映画のお約束として、男性優位の社会から見事に自由を勝ち取ったベラに快哉を。しかし、そもそも時代背景が違うから、現代の目で見れば至極当たり前だし。哀れなるものたちは、しぶとく残ってはいるけれど、影は薄くなった。いいことだ。めでたい。
だんだんテーマが不明になってきた。
哀れなる“もの”たち
まれにみる完璧な映画
瞬きするのがもったいないほど!
造形、アングル、衣装、演技、ストーリー、音楽、照明…
映画を構成している要素は数えきれないほど沢山ありますが
ワンシーンワンシーンが完璧で刺激的で、貪るように観ました。
とくに『メトロポリス』『カリガリ博士』テリー・ギリアム監督好きはハマると思います。
あくまでも個人的な好みの問題ですが
『籠の中の乙女』でぶっ飛んで
『ロブスター』でハマり
『聖なる鹿殺し』に心酔した私にとって、
実は『女王陛下のお気に入り』は、さほど刺さる映画ではありませんでした。
『哀れなるものたち』は、エマ・ストーンとの再タッグということもあり、あまり期待していませんでしたが、自分で観ずに勝手な判断をするのはいけません。
私的にはヨルゴス・ランティモス監督最高傑作!
こんな映画を作ってしまって、次の作品が撮れるのか?と心配になるほど。(←大きなお世話)
『哀れなる“もの”たち』平仮名なのがミソ。
さて、気になるオスカーの行方は??
エマ・ストーンは既に『ラ・ラ・ランド』で主演女優賞をもらっていますが、この演技は無視出来ない!
少しでも子育てに関わった人ならわかるでしょうが、赤ちゃんは可愛い悪魔です。
好奇心の塊ゆえに、残酷でもある。
おっぱいをあげてたらふいに乳首を噛まれて、「痛っ」と顔をしかめたらニヤリと笑われた…なんてことも、あるあるですよね。
一粒の水滴が起こす波紋のように、自分の起こしたワンアクションが他のものに影響を与えて変化が起きるのが楽しくて仕方ない。
飽きるまで繰り返して、周囲を怒らせたり悲しませたりして、徐々に社会性を身につけていく。
常識や道徳に囚われない、見事な演技でした。
自己中心だった赤ちゃんは、様々なことを感じて、観察して、吸収していきますが、人間として一番大切なのはイマジネーションだと感じました。
自分ではない他者の存在を知り、立場や気持ちを想像できること。
戦争だの弾圧だの、人間が起こす不幸な行為は全て、自己中心の赤ちゃんのまま体だけ大人になった人たちがやらかしている。
そして、想像できる心は新たなものを創造する原動力にもなる!
でも、この映画の本当にすごいところは、決して他者にはなれない隔たりと、知的好奇心の残酷さをしっかり盛り込んでいるところ。ものすごいジレンマに、心が掻き乱されて悶絶しました。
女性の“商品価値”についても考えさせられます。
嫉妬や束縛など、その人を独り占めにしたい気持ちはとてもわかりますが…それって本人の主観や人格を無視した所有欲なのかも?
『Poor Things』『哀れなる“もの”たち』
平仮名に調理したシェフを呼べ〜!
ベラは自らの欲求にのみ従う
簡潔にまとめると、①女性の権利と性の解放をテーマにした、②ゴージャスでアートなエログロ面白映画です。①を訴えるよりは、②をやりたかったのかなという気はします。
追記
本作は美術が優れた作品で、ぜひもう一度観たいと思いましたが、1月末に弟が緊急入院して、余裕が無くなりました。感想はルーズリーフにまとめていたので頑張ってレビューを上げたのですが、消えてしまいました。
再度のレビューですが、私としてはこんな個性的な作品に当たり障りのない無難な感想を書いても仕方ないとは思っています。ただ、どこが悪かったのかわからないので、詳しく書くことが出来ません。一つだけ書きますが、①より②がテーマと思ったのは、18禁だからです。欧米では何歳から観ることができるのか知りませんが、日本では高校生が観ることは出来ません。本当に伝えるべき人たちに伝えられません。
共感とコメントを下さった方々にはお詫びいたします。
あと、こまめにこのサイトを見る余裕が無く、共感してくださった方をたどりにくくなっていることもお詫びします。
世界の痛みに、堪えられません
動いているのは太陽ではない。我々が暮らす大地が、動いているのだ…。こう唱えた学者さん、神への冒涜として、処刑されそうになりました。ヒトが作った良識ある社会とは、時として、ヒトの進化を妨げるものです。(この話に興味ある方は、マンガ「チ。」をご覧下さい。)
醜悪の美と云うか、可憐な蓮は泥より出でると云うか、綺麗は汚い、汚いは綺麗と云うか…。
R18とのことですが、性的描写より、精神的消耗のほうがキツい映画。ベラちゃんのように、自分の無知を知るヒトなら、更なる高みを目指すことも、できるのでしょうが…。ただ、性的好奇心→知的好奇心→社会的好奇心の順に関心を持つのは、妙に納得してしまいます。
良識ある社会は、ヒトを暮らしやすくするシステムとして有効ですが、一方でヒトの可能性を、摘んでいるのかもね。世界の痛みに、真正面から向き合える純粋さを、ベラちゃんから少し分けてもらいたいものです。(因みに、マザー・テレサは、その純粋さを生涯持ち続けたようです。凄い人。)
今の私がpoorな世界に暮らす、poorな存在だとしても、ヒトの可能性はmuchであってほしいな。
とはいえ、私には荷が重い映画。新しい世界の始まりを告げる陣痛に、堪えられそうにありません。この映画、思い出しながらご飯食べたら、口から泡吹きそうな気がします。皆さんも、是非お試しあれ!。
倫理観が捨て去られた、最高に狂気に溢れた作品
前もって、私は映画を見る時高確率でポップコーンを食べます。どんな作品でもあまり問いません。
なんなら「首」を見た際にも構わずポップコーンを食べてました。
しかし、私は初めてポップコーンを買って後悔をしました
だからこそ、これからこの作品を観る人はネタバレは極力避けますが前もってポップコーンを買わない事をお勧めします。
(感想)
作品の冒頭、それは完全に倫理観が捨て去られたもので
あった。予告から塩ポップコーンを食べ続けていた私はこの作品に「多少の過激表現はあるけど食べても大丈夫だろう」という予想から遥かに裏切られ、珍しく手が止まり「プライベートライアン」の冒頭の衝撃以来に恐ろしさが閃光した。このように私たちが考えているであろう倫理(この世の道理)が捨て去られた。
最初は「やばい、これ耐えれないかも」と思うように一度たりとも無い途中退場を考えたのであった。
しかし、その狂気は次第に麻痺して笑みに変わってしまった。そのような気持ち悪さを考える余儀がないくらい映像と音楽、内容それぞれに秀逸さが滲み出ていた。
映像
これは観る前でも分かるだろうが、カメラワーク、舞台そして背景が「絵画」のように素晴らしい。これまで舞台や背景が素晴らしい・綺麗な作品はたくさん見てきたが、
内容は気持ち悪いのに関係なく描いている。そうして作品自体が最高に狂っていると感じた。
音楽
これは是非、映画館で観てもらいたい点になるが内容と同様に我々が思う(少なからず自分は感じた)不快に感じる音を最大限にBGMとして出しているのだ。いわゆるミニシアターで上映されるマニアックな作品に使われているかもしれないが、自分はこんなにも人が不快になりそうな音を多くの場面で使っていることに何度も狂気を感じた。
しかし、その反面絵画のような心地よい音も出しており、こんなにも最悪と幸福を使い分けた映画音楽は無いのだと感じた。
内容
そして作品の根幹となる「内容」
ネタバレは極力防ぎたいのであまり事細やかく書けないが
最初は「とてつもなく気持ち悪い、こんな倫理観が捨てられた作品は初めてだ」と思っていたが次第にそれは麻痺してしまう。その気持ち悪さを乗り越え、それを面白さと捉えた上で哲学的な表現、三つや四つ上のようなレベルの高い会話によって主人公ベラの変化を表しているのではないか。私自身最初から最後手前まで理解することが難しかった。しかし、改めてベラの人生の歩み方を見ているのだとようやく感じることができた。
私は何度も登場人物の成長を大きく描いた作品は見てきた。しかし、こんなにもスタートが狂気であり、前例に当てはめることができなかった作品である。この作品は例外であるもののその"変化"に感動せずにはいられなかったのである。
最後に総評を記していきたい
この作品には前評判がとても良く、大きな期待が寄せられていたが、私の想像を大いに裏切ってきた。この作品は本当に観るものを選んでいく。カップルでこの作品を観に行くなんて是非反対する。私も何回も見たいとは勿論思わない。
それでもこの作品は"一度"でいいから見て欲しい。
今までの概念を覆すかもしれない、もしかしたらこの作品に快楽を覚えるかもしれない。もちろん拒絶反応をしても仕方ない。
そのくらいオスカーを取ってもおかしくない。
"映画史"に残ってもおかしくない作品だったと
私は考える。
とにかく映像が綺麗だし世界観が好き!
エマストーンの顔がオシャレで
着ている衣装もめっちゃ可愛くて
世界観も現実離れしていて
西洋の美術館みたいな雰囲気!!
映画館の大画面で見て良かったなと思いました。
たださすがR18作品、グロ描写よりもエロ描写が多かったですが、エマの色気がないためか濡れ場も芸術作品を見ているような感じで鑑賞できました。
私は1人(20代女性)で鑑賞しましたが、周りは40代50代男女半々くらいの割合で、1人で観に来ている人が多めでした。
脳移植というファンタジー要素の中にも、ただの愛人だと思っていたベラに依存していくダンカンや、スラムの存在を知ったときのベラの絶望感、生活していくために体を売って汚いおじさんともヤラなくてはいけない描写は現実世界にもあることなのでとてもリアルでした。
エログロ耐性はあるほうなので私は大丈夫でしたが、気軽に友達を誘えるような作品ではないです。笑
個人的には、ベラの娼婦になった後のモノトーン衣装がカッコよくて似合っていて素敵だった…!
そして夢の中にいるような映像美なので、内容は深く考えすぎず頭を空っぽにしてから見るのがオススメかもしれません!
今年の最高傑作かも
まだ1月なのに、今年のベストワンに出会ってしまったかも知れない。
物凄く新しい斬新な作品だけれども、同時に、古くから多くの才能のある作家達がチャレンジしてきたテーマも含まれており、斬新な作品と過去の名作との比較で、時代性を感じることもできる、本当に傑作だと思った。
過去の名作で、比較対象になるのは、まずは、黒澤清監督の「ドレミファ娘の血は騒ぐ」
さらに遡ると、サルトル•カミュの時代の無神論的実存主義。その時代の作品群。あの時代に影響を受けた学生たちが、性欲に突き動かされ、女の子に「自分の欲望を開放せよ。モノガミーなんて下らない」と言って口説いていたのが懐かしく思い出される。自分もその一人だった。今振り返ると恥ずかしい。
さらに、そのような口説き文句を真に受けて自由奔放に振る舞う女に対する谷崎文学。「痴人の愛」もこの系譜につらなるかもしれない。
ただし、この映画が新しいのが、上記の文学作品群が全て男視点だったのに対して、完全に主人公のベラ(エマ・ストーン)目線で描かれているところだ。しかしながら、現代においても、この作品が男性監督の手によるもので、女性監督ではなかった、というところが2020年代という時代の縛りを感じさせるものでもあり、新しい時代への流れも感じさせる。
途中退出者が
年配のグループなのか、開始1時間も経たずに5~6人退出していきました。
間違いなく万人受けする映画では無いですね。
エマ・ストーンがピュアなヒロインを熱演してます。
色気は全く感じません。
哀れなるものは皆んな男性ですね。
凄いものを見てしまった…
本日、方々で評価が高いので情報なしで鑑賞しました。
いヤァー凄い衝撃、ショックを受けました。
はじまってすぐに訳わからずショック
すぐにエッチなアレでショック
中盤も話しの展開がわからずショック
ラストのラストもなに!てなくらいにショック!
エマストーン他の演技力に脱帽!
やられちゃいました!
画面が美麗です!
オープニングからエンドクレジットまで手抜きなし!
この映画の前に邦画のゴールデンを見たのですが、遥か彼方にとんでもしまいましたわ!
いゃ〜日本にいてもこんなの見れてよかったです。
公開中にぜひとも劇場でご鑑賞ください。
万人ウケではありませんが…
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