「ラストが最高。美しいカタルシスがあった。」哀れなるものたち 餃子さんの映画レビュー(感想・評価)
ラストが最高。美しいカタルシスがあった。
世界観は、微ファンタジー。(犬アヒルとかいる)
主人公は、お母さんの体に脳みそを移植された赤ちゃん。(可哀想)
その設定すごい可哀想じゃない!???って思ったけど、それが判明するタイミングが良くて、あぁ〜主人公が奇妙な行動してるのは赤ちゃんだったからか〜!と、逆に安心しちゃう妙義。
父に家に閉じ込められてた主人公が、冒険に出かけ、外界に出て、世界は色付き始める。
最初は根源的な快・不快で行動していた主人公が、人と出会いの中、思考を獲得していく様は、まさに人の成長の姿。
セックスが、この映画において重要なモチーフなんだと思うんですけど、
・自慰(快との出会い)
・最初に出会った人との性交(快のあるスポーツ)
・不特定多数の男性への奉仕(仕事)
・恋人との情交(愛情のある性交)
と、描き分けがなされていて、表現が素晴らしい。
R18+の名に恥じぬ描きっぷり。
照れちゃう人は照れちゃうと思うので、御家族と見ると気まずいかも。ご注意を。
んで、恋人が同性なんですが、
男性への奉仕的な娼婦という仕事との対比的な意味もあったのかな?とも思ったんですが、
個人的には、その女の子が恋人なんだ!
からの、自分を理解してくれる男性との結婚へ〜の流れで、
え!?あの子はどうなっちゃうの!???
ってヤキモキしてたんで、ラストが凄く良かったです。
理解者も恋人も(旦那と友人かも?)手に入れて、親との円満な別離を果たし、己の力で外敵を排除し、後続の似た境遇の女の子も成長が見られ、未来への希望を感じる。
外敵って書いたけど、お母さんの旦那さんな訳だから、DV身内ですよね。
銃を突き付けるシーン本当に嫌だった。
「自分の望む回答以外は受け入れないし、場合によっては殺す」って態度は、本当にDVだな。って思いました。
兄さんや、姉さんの旦那さんが、僕が彼らの望まない発言をすると、「ちょっと黙って」って凄い目で言ってくるのを思い出して吐きそうだった。
ラストは強くてしなやかで賢い主人公の明るい未来を感じさせる一枚絵。といった風情でとても良かったです。
満足出来る映画でした。
餃子さん、共感とコメントありがとうございます。
鑑賞中はどうしても、ベラに対して「何?この子」と
いう感想を持ちながら観てしまいましたが、鑑賞後に
振り返ってみると、ベラの生い立ちの過激さは彼女自
身に問題がある訳では無い訳で…。 ・-・; ウン
>照れちゃう人は照れちゃうと思うので、御家族と見ると
>気まずいかも
思わずリモコンを探してしまいそうです。
誰かチャンネル変えて~ (…TVじゃないし)