「かわいい子には旅をさせよ」哀れなるものたち こじろうさんの映画レビュー(感想・評価)
かわいい子には旅をさせよ
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圧巻。エマ・ストーン。
身籠った胎児の脳を移植された女性ベラの物語。
思ったのは「ベンジャミン・バトンの数奇な人生」のメンタリティに特化したバージョン。
その時点である程度の結末が想像出来ましたが、なぜ身投げしたのか?はたまたその父親は?という作品における重要な伏線回収が置いてけぼりの印象を受けました。
「あ、そういえばそうだったな」と。笑
理由も世界観が強すぎてあまりにも印象薄かったのもあります。
なぜならエマ・ストーンの幼児から賢人になるまでの表現力がすごすぎて。様々な世界を見る、体験、知ることで感性が蘇っていくさまを表現出来たのはすごいなと。
着目したのは歩き方。セリフ回しは猶のこと。
それにあんなにも体を張った俳優さんはあまり見ないです。R18+になるのもうなずけます。
最初、外の世界へ行く事を否定していたマッドサイエンティストのウィレム・デフォーも最期は愛する我が子の成長を感じながら往生するシーンは滑稽ながらも引き込まれました。「いろんなことを経験したんだね、、、よかったよかった。」と思って目の光が消えていく。印象的なシーンでした。
マーク・ラファロも演技の幅がめちゃくちゃ広い方なんだなと再認識。ただ最後結婚式の時の小物感はすごくシュールでした。笑
監督のヨルゴス・ランティモス。演出がスタンリー・キューブリックの撮り方の様で「女王陛下のお気に入り」からずっと個人的に思っております。
壮大な美術展覧会の様な映画でした。
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