「すごい」哀れなるものたち ツネさんの映画レビュー(感想・評価)
すごい
・正直なところ、ストーリーの設定から美術から没入感は凄かった。ベラの変化と社会の関わりという印象でテーマとかが全くわからなかった。あそこの世界と現実とを繋げて考えられず、遠くの世界の話って感じで見たせいだろうか。ググったりしてたらフェミニズムらしくて、そうだったのか…といった感覚。娼館に神父や父親と息子二人とか。逆だったらダメだけど、男はそういうのいいんだよみたいなのがそういうことなのか。そう思って振り返るとなんだか考えさせられる。もう一度見る機会があったら、理解できるだろうか…エマ・ストーンはとても良かった。
・胎児の脳をその母親の死体に移植してどうなるかっていう話が驚いた。その成長速度がめざましくて、何となく成長を見守ったような気になった。やっぱ脳みそも大きくなっていったのかなぁとか思った。
・弁護士の執着と将軍の冷酷さとゴッドの顔と実験への姿勢のすさまじさの印象が強い。フェミニズムという話を踏まえて考えると確かにそういわれてみればという感じ。弁護士の醜態が所々でくすっと笑えた。そういえば三人とも外にでないようにと言っていた。弁護士に関しては会食の際にセリフは三つだと言っていた。あれは男の愚かな所有欲を揶揄してたんだ!と気づかなかった。男ってああいうもんだよな程度だった。自分の感受性のなさが切なくなった。
・豚とアヒルだったかの繋げてた生物の絵がおもしろかった。
・ベラが性行為をした瞬間、モノクロがカラーに変わって、そこから世界が一変した表現の感覚がすごいなぁと思った。あれは女性のほうがピンとくるんだろう。徐々に大人の体になってってという所をすっ飛ばして大人の女性にっていう感じが正直どんな感じなんだろう。ベラはとても感動していた。幸福を見つけた!っていう。それが何だか面白かった。どういう事かはわからないけど、気持ちいいから良いことだ!っていう事かと。
・ベラの行動がとにかく読めなかったのがよかった。結婚が決まっているのに公然と駆け落ちしていって、ひたすら熱烈ジャンプをしたかと思ったら船に乗せられた辺りから悲しみや理想を知って、急激に大人になっていって結婚式の時は将軍の家に行くっていうし。
ただ、高評価の作品だったので良さが理解できなかったことが切ない。