「実に興味深い作品でした!」哀れなるものたち 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)
実に興味深い作品でした!
タイトルの「哀れなるものたち」の意味についての解釈は、観る人によって全く違うものが出てくると思われます。なぜなら私たち一人一人が小宇宙を持っているからです。その一人一人の小宇宙の中で、かなり抽象的なこの映画の展開が、それぞれの心のヒダを打つと思います。ですからこの映画を観たということで、「哀れなるものたち」は誰?の正解となる論評は存在しない気がします。私はただただ興味深くヒロインの成長と、不思議な幸せを最後に獲得するシーンに魅せられました。また、この作品の途中で、コントあるいはギャグの様な映画に見えてくるから不思議です。劇場内ではほとんどの人は笑っていませんでしたが、私は結構笑えたので面白い体験をしました。抽象度を高めて俯瞰してこの作品を観ると、「人間は人生を学ぶために体験する生き物」であるということを表しているような気がしました。物語の中では自殺したヒロインが亡くなり、お腹の中にいた子供の脳を移植した女性として、さまざまなことを体験します。それは主に性に関する出来事を通して成長していきますからものすごくエロく見えますが、ある意味突出していますがあまり違和感がありません。何度も性的シーンは繰り返されますが、私はむしろありふれた日常の様に見えました。そして男性たちに支配される環境を打破していく姿は神々しいのです。いずれにしてもこの作品は、性の問題、男性社会の支配、人生の学びとはを教えてくれる稀有な作品と言えるかもしれません。
追記 背景映像の美しさは見事でした。センスの良さが滲み出ていました。
こんにちは。
三輪さんのレビューに驚きました。嬉しいw私も1人クスクスでしたので、自分の感性を疑っていたのですが、安心しましたw
性描写が多かったので賛否ありますが、私も日常の風景として違和感はなかったし、むしろしつこい位繰り返されるそれは、本作のメッセージとして必要な要素だと理解しました。
三輪さんのレビューはいつも勉強になります。拝読できて嬉しいです。
三輪さん、こんばんは。
共感頂きまして、ありがとうございます。
私は幼少期から現在に至るまで、女性ばかりのなかで生活しておりまして、複雑でした。
ダンカンの下りは、まんま自分で、
悲しい過去を見事なまでに思い出させてくれました。忘れていたのに…。