「米国テキサス州オースティンの刑事ダニー・ローク(ベン・アフレック)...」ドミノ りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
米国テキサス州オースティンの刑事ダニー・ローク(ベン・アフレック)...
米国テキサス州オースティンの刑事ダニー・ローク(ベン・アフレック)は、ちょっと目を離した隙にひとり娘のミニーを失った。
たしかに、先ほどまで目の前で遊んでいたはずなのに・・・
いなくなってしまったのだ。
連れ去った犯人はまもなく逮捕されたが、犯人の少年はミニーをどこへ連れて行ったのか覚えていないという。
あれから5年。
ロークは、いつものようにセラピーの前で目を覚ました・・・
といったところからはじまる物語で、その後、近くで銀行強盗が発生、相棒ニックスとともに現場に急行、銀行近くにいた不審な中年男性に目を付けるが、その男は不思議な能力を有していた・・・と展開する。
「冒頭5秒で騙される」というフレコミなので、身構えていたが、映像が出る前に原題「HYPNOTIC」が出たところで、「ははぁん、催眠術のハナシですか」と想定が付く。
というか、「HYPNOTIC」って「催眠」の意なので、ネタバレでもなんでもないわけで。
すると映画鑑賞歴が長いものだから、『テレフォン』みたいに催眠術にかけられた人間爆弾のような映画か?とか、余計な勘が働いてしまう。
ま、当たらずとも遠からず。
そういう要素もあり、『インセプション』的要素もあり、のゴッタ煮感覚のサスペンススリラー。
(『インセプション』よりも『バーチャル・ウォーズ』に近いかも)
だが、もっとも近しい感じを抱いたのは『炎の少女チャーリー』。
謎の組織「ディヴィジョン」は、『炎の少女チャーリー』の「ザ・ショップ」のようだし、眼帯かけた男性も出て来るし、そんでもって最終兵器が少女で、父親が少女を守ろうとするというのも、まんまの設定。
途中、ネタバラシ的な構造はヒッチコックの『めまい』を踏襲しているが、映画が面白くなるのは、その後。
深層意識世界を描いた『インセプション』では、「現実世界では主人公たち、眠っているだけやん!」とロドリゲスはツッコミを入れたのだろう。
本作では眠っているだけでない。
その上、「映画って、こういう張りぼてセットで撮ってまんねんで」と言わんばかりの映像をみせ、それで面白くさせるという離れ業を繰り出している。
ロバート・ロドリゲス監督、ほんとうにB級ムービーが好きなんだねぇ、と今更ながら感心。
<追記>
念の入ったことに、『バーチャル・ウォーズ』の主演ジェフ・フェイヒーまで登場させているのには恐れ入谷の鬼子母神。