「五人の天使と過ごす至福のひととき」五等分の花嫁∽ おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
五人の天使と過ごす至福のひととき
人気テレビアニメ「五等分の花嫁」の劇場版第2作。昨年、原作未読かつテレビアニメ未視聴のまま前作を鑑賞したのですが、魅力的な登場人物や繊細な心の機微の描写に触れ、すぐにファンになりました。とはいえ、予備知識がなさすぎて、汲み取れない部分もあり、味わい尽くすことはできませんでした。そこで、今回は1週間かけてテレビアニメ第1期と第2期の全24話を視聴し、満を持して本作を鑑賞してきました。期待どおりの素敵な作品で、五人の天使と至福のひとときを過ごしてきました。
ストーリーは、高校生活最後の夏休みを迎えた、勉強嫌いでおバカな五つ児姉妹の家庭教師でもあり同級生でもある上杉風太郎が、受験勉強に専念するために夏休み中は家庭教師を休むことにしたものの、姉妹に会えないことに物足りなさを覚え、彼女たちをプールへ誘って一緒に過ごす中で、これまでの出来事を回想しながら6人の思いを描くというもの。
時系列としては、テレビ版と昨年の劇場版の間に入る作品なのですが、その前後の流れにはいっさい触れていません。加えて、テレビシリーズとのつながりや伏線回収的なシーンやセリフが多く、初見では意味がわからず、本来のおもしろさも深みも味わえないでしょう。逆に言えば、これまでの作品を観てきた人なら、五つ子との再会と新たなエピソードに胸踊ること間違いなしです。がんばって事前に全話視聴しておいて本当によかったです。
それにしても、昨年の劇場版でも大きな感動を与え、あれだけ綺麗に完結しておきながら、まだこれだけのストーリーを描けることに驚きしかありません。修学旅行やその時の盗撮騒ぎ、三玖の積極性、変装して「零奈」と名乗った五月、転校後に風太郎と再会した時の四葉など、これまでのストーリーの隙間を見事に埋めていきます。中でも、ラストでの四葉のブランコシーンは、心情的にも映像的にも最高すぎます!四葉の胸の内を考えると目頭が熱くなります。このすばらしさは、本作だけでは絶対に伝わらないので、事前にテレビ版と昨年の劇場版でしっかり予習しておくことを強くお勧めします。
キャストは、松岡禎丞さん、花澤香菜さん、竹達彩奈さん、伊藤美来さん、佐倉綾音さん、水瀬いのりさんらテレビ版と同じ鉄壁の布陣。本編終了後にこの6人によるスペシャルトーク映像があり、上映後には竹達彩奈さんと伊藤美来さんの舞台挨拶ライブビューイングがあり、アニメさながらの和気藹々としたムードやキャラクターや作品への深い愛が伝わってきました。また、作品にまつわる話から、本作で描かれたエピソードが原作にあることを初めて知りました。なるほど、だから完結したストーリーにこれだけしっくりハマる続編を作ることができたのかと合点がいきました。こうなるとまだアニメ化されてないエピソードの新作を期待したくなりますが、一方で初めからテレビ版で描いていてくれたら…とちょっと複雑な気持ちになりました。
美紅さん、共感&コメントありがとうございます。レビューを上げておられないようなので、こちらに返信いたします。
私も世間の評判につられて、原作未読&テレビアニメ未視聴で劇場版に臨むことがよくあります。昨年の「五等分の花嫁」の劇場版がまさにそれでした。おかげで素敵な作品に出会うことができました。美紅さんもお時間があれば、テレビアニメ版からご覧になってください。
あと、花澤香菜さんの声はいいですよね。やわらかでやさしい声に癒されます。PSYCHO-PASSにも出演しているんですね。その作品も気になりつつ未視聴のままなので、機会があれば観てみたいです。