「レースゲームのチャンピオンは実際のレースで通用するか?」グランツーリスモ 臥龍さんの映画レビュー(感想・評価)
レースゲームのチャンピオンは実際のレースで通用するか?
レースゲームのチャンピオンが実際のレースでどれだけ通用するのか?
そんな興味深い題材を取り扱った映画です。しかも実話。映画なので多少盛っている部分はあるにせよ、それを差し引いても山あり谷ありのよくできた展開です。
主人公はゲーマーでありながら、レーサーに必要な特別な才能を持っている。
レースには速く走るための理想的な走行ラインというものがあるのですが、前車を追い抜くためにはあえてそのラインを外さなければならない時がある。
この主人公には追い抜きの際、スピードを落とさず追い抜けるラインのイメージが頭の中に浮かび、さらにゾーンに入ると周りの動きがスローに見えるという特殊な才能を持っています。
とはいえ、やはりゲームはゲーム。生身のレースとはまるで違います。
コーナリングやブレーキ時の肉体的負担は半端なく、ぐっと息を止めながら全身の力で踏ん張らなければ、運転どころか自分の体すら支えられません。
外から見るとただ運転しているだけに見えますが、レース中のF1ドライバーの心拍数が常時180を超えるように、実は肉体的にはかなり過酷なスポーツなのです。しかも、ミスをしたら即大怪我に繋がってしまう。
主人公は過酷なトレーニングを経て、徐々にレースで戦える体力を身に着け、時折、才能の片鱗を見せる場面もありますが、レースでは思うように結果が残せず苦しみます。
そして、ニュルブルクリンクで迎える最悪の事故(ちなみにYouTubeで『nissan gt-r crash nurburgring』と検索すれば、実際の事故映像を見ることができます)。その事故により自ら大怪我を負うだけでなく、観客まで巻き込み、死者を出したことで主人公の心は傷つき、折れます。
そして、それに追い打ちをかけるような『ほれ見ろ。ゲーマーなんかにレースができるか』という外野の声、『ゲーマーをレースに出すな』という署名運動。
しかし、元レーサーで自身も同じような事故を経験したコーチ役ジャックの言葉により主人公は前を向き、再びレースに参戦することを決意します。
そして、復帰戦として挑んだ世界最高峰のルマン24時間耐久レース。そこで表彰台に上るという快挙を成し遂げます。まさに絵に描いたフィクションのような出来すぎのストーリー。しかし、そんなベタな展開でも楽しめる。そんな映画です。
また、ストーリーもさることながら映像や音声の迫力も素晴らしい。この迫力と臨場感、没入感は映画館でしか味わえないので、興味がある方はぜひ映画館での鑑賞をお勧めします。
コメントありがとうございます
私のレビューに過大な評価を頂きありがとうございます。
基本的に書いたレビューは、全部、キネマ旬報に投稿しています。
800字前後という字数制限がありますので、字数の過不足が無いように気を付けて書いています。
映画鑑賞時間より何倍も時間が掛かりますが、キネマ旬報に投稿することを前提に映画鑑賞しますので、最大集中して鑑賞できます。
では、また共感作で。
ー以上ー
沢山の共感ありがとうございます
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私、10年位前から、キネマ旬報、kinenote、Yahoo映画レビューなどに映画レビューを投稿しています。現在の目標は2回目のキネマ旬報掲載です。こちらのサイトには昨年2月に登録しました。
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本作、夢って、直向きに夢を追いかける本人と、夢を追う本人を支える本人を取り巻く人達のチームワーク、チーム力、チームで戦う、ことで叶うものだなと強く実感できる作品でした。
ー以上ー