劇場公開日 2023年9月15日

「日本へのリスペクト」グランツーリスモ ココヤシさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0日本へのリスペクト

2023年9月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

怖い

興奮

英国日産のダニー・ムーア(オーランド・ブルーム)がプレステのドライヴィング・シミュレーター「グラン・ツーリスモ」の数千万人の愛好家をリアル・レーシングの世界に取り込むために、世界各地で選抜ゲーム大会を開催し、その優勝者をプロ・レーサーとして鍛えて、トップ成績者を本物のレーシングに出場させる企画を日産本社に提案。本社は優秀なメカニックをチームにつけることを条件にこの企画を承認。ムーアは数々のメカニックに断られた挙句、伝説的レーサーだったジャック・ソルター(デヴィッド・ハーパー)に声をかける。ソルターもゲーマーにレーサーが務まるわけがないと懐疑的だったが、現在メカニックを務めるチームで粗略な扱いを受けて腹に据えかね、ムーアの誘いに乗ることに。
一方、英国の大学を中退したヤン・マーデンボロー(アーチー・マデクウィ)がグラン・ツーリスモで優秀な成績を収めるが、元サッカー選手の父親スティーヴ・マーデンボロー(ジャイモン・ガストン・フンスー)やサッカー選手として将来を嘱望される弟にはまったく理解されなかった。それでも欧州大会に出場して優勝し、GTアカデミーに入校してソルターと邂逅。初めは反発しあっていた2人だが、やがて互いの才能を理解していき――といったストーリー。
6月にEゲームの優勝者がドリフト・レースに出場して活躍する邦画『アライヴフーン』を鑑賞して、良作だと感じた。けれども、全世界をまたにかける本作のほうが見ごたえがある。CGとドローン空撮がド迫力の映像を生み出している。
日本人としては製作者のソニーや日産へのリスペクトが感じられるのも心地いい。マーデンポローが日産との専属契約のために来日するシーンがあるが、ちゃんと日本でロケしておりまったく違和感はない。

ココヤシ