アスファルト・シティのレビュー・感想・評価
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使命感
接客業の人たちは感情労働(いやでもニコニコ)のため心が疲弊してくるというけれど、救命士もきっと理不尽なことだらけなんやろうなと思う。人を助けたいという純粋な気持ち、使命感だけでは続けられないよね。あれだけ長く続けているラットですら悩みながら日々職務を遂行しているんやからね。どんどん追い詰められ孤独になっていくクロスがまた苦しい。ショーンペンが久々に見たらめちゃくちゃおじいちゃんになってて驚いた。この人もデニーロと同じで善人も悪人も似合う。けど、やさぐれたショーンペンやっぱり好きやな。
今日は映画観よ!という気持ちで見始めたがとてつもなく重ーい気持ちになった。
日々葛藤を抱きながらもコロナ禍でも日々懸命に仕事をしている命を守る職種の人たちに感謝した。でも、あの激務で心の負荷も大きい仕事やのに、一人ひとりの職業倫理や使命感に任せすぎるとそりゃ壊れちゃう人もいるよね。あのネジがぶっ飛んでいた同僚やってああいう振る舞いをしないと自分が保てなくなるからなんかなと思った。心のケアや環境整備が必須です。
ところでマイクタイソンどこでてたん!?
そりゃ精神崩壊しますわ…
主人公は「人を助けたい」と志し救急隊員になってまだ数週間の、ナイーブな若者、クロス(タイ・シェリダン)君。中国人とルームシェアしながらの貧乏ぐらし。将来の夢は医師になること。医学部合格を目指し、働きながらコツコツと勉強を続ける真面目努力家。コロラド州出身。癒やしは若きシングルマザーとのセックス。クロスの精神が崩壊するとともに二人の関係も破綻します。
もうひとりのメインアクト、クロスとバディーを組むベテラン隊員・ラット(ショーン・ペン)。別れた妻との間にまだ幼い娘がおり、その子と会うことだけが唯一の癒やし。でも元妻に彼氏ができて遠くに引っ越されてしまう。9.11の生き残りでトラウマを負っている。ある事件をきっかけに彼の精神も崩壊します。
この二人の現場活動を密着取材風にカメラが追い続けます。なにしろ、ストレスフルな現場です。騒音まみれ、多言語が入り乱れ、現場活動は口出し手出しで邪魔され、ガンショットやドラッグのオーバードーズなど日本では珍しい現場が多く、過酷です。観ているだけでも気の休まる暇がありません。あんなところであんな仕事させられたら、とても正気を保てる気がしません。そりゃ精神崩壊します。救急隊員にとって世界一過酷な現場、それがニューヨーク・ハーレムです。
人の命を自分の力で左右できるという医療者特有の感覚が、彼らの倫理観をバグらせてしまいます。「生きる価値のないクズは助けない」という「不作為の殺人」を犯してしまう救急隊員たちの姿が描かれます。人命救助という崇高な使命と過酷な現実の間で、クロスの精神は蝕まれていきます。揺れ続ける映像、ノイズまみれの音響がクロスのストレスを観客に伝えてきます。危険を省みずに火災現場に突入し、子どもの命を救ったクロス。その子の笑顔と母親のハグだけが、彼へのご褒美です。背中に天使の羽根がプリントされたスカジャンが彼のユニフォームです。彼らに安らかな眠りがありますように。
安っぽいヒーローを量産する日本の医療ドラマ・映画がまるで子供だましに思えてしまいました。
ヒーローというブラックな職場
スパイダーマンもバットマンもヒーローって命がけなブラックな職業。命がけで嫌なことを率先してやってくれるからヒーローって呼ばれるのかな。人気あってみんなにありがたがれるヒーローならいいかもだけど、ある時は罵倒され、理不尽なケースで呼び出され、犯罪者も助ける。助けて当たり前、助からなかったらこっちのせい。こんなヒーローはできればやりたくない。
でもこういう隠れたヒーローが世の中にはいっぱいいて、そんな人たちに助けられてることもいっぱいあるんだろうなと考えさせられた。
不快にされる映像がたくさんで、そんな演出で相当暗い気持ちになる。繊細な方は映画だけで心折れちゃいそう。主人公の彼はギリ気持ちをコントロールしていたが、彼の将来、大丈夫かなあ。
The Baby
上半期ラストはこの作品になりました。
救急救命隊員の辛い日常を描いた作品という事で、どんな風に展開されるのだろうというところにも注目して鑑賞しました。
行く現場行く現場で罵声を浴びせられたり、邪魔をされたりと感謝される方が少ないというとんでもないヘビーな環境下で過ごす主人公たちを観ているのはかなり過酷ですし、一つのミスがきっかけで絶望の淵まで落ちていくというこれまた残酷な現実が突きつけられたりとで他人事ながら大変すぎるだろう…と思いました。
意外な感じでバディものになっていく過程は面白かったですし、だからこそ終盤の展開の辛さに繋がっていくというのもうまい作りだなと思いました。
2人が軽口を叩き合っているところはえぇなぁってなったりもしたり。
エンドロールにて救急救命隊員の自殺が年々増加しているという残酷な現実が流れてきました。
命を張って命を助けているはずなのに、些細なミスを咎められたり、目の前の命を見誤ったりとたくさんある中で多く抱え込んでしまう正義感の強い人が多いからこそなのかなと思い辛くなりました。
映像的にはリアルさが先行しているのでド派手なエンタメにはなっていませんですが、重みをしっかりと与える風にはなっているので、リアル路線なのは正解だったなと思いました。
ちょくちょく挟まる弄り合いは若干ノイズにも感じていましたが、こういう感じで発散しないとどうしようもないんだろうなという虚しさもあったりとで中々に物悲しいところでした。
どうか救急救命隊員たちの方々が気持ちよく仕事を全うできるような世界になって欲しいなと。
多くの命を救ってくださってる方々に感謝です。
鑑賞日 6/29
鑑賞時間 15:50〜18:05
MERの仕事をリアルに伝えて
さらに残念なアメリカの惨状を伝えている。
タトゥー、ヤク、エイズ、、、。
天使じゃないけど悪魔でもない人間がすべきことは何なのか。
各々考えさせられました。
日本がこんな社会にならないことを心から祈る。
皆保険制度も中国人ら外人に喰われ、中間層が居なくなり総低所得者層になり、、、。
NY MERでは無い…
アメリカ版TOKYO MERみたいな感じかなと思って観たら、そんな爽やかさは皆無で、暗くて血生臭くてリアルな現場を描いたまるでドキュメンタリーのような映画だった。
アメリカだけあって怪我の内容がエグすぎる。
最後まで救われない感じも無くはないけど好きな部類の作品でした。
VR救命救急24時
予告編を見た感じではショーン・ペン扮するベテラン救急救命士が新人救命士をビシバシしごいて一人前にするストーリーを予想していましたが。
NYのハーレムを舞台に救命士の抱える心の闇にフォーカスしており、ありきたりの訓練もの映画ではなかったです。
前半は特にストーリーらしいストーリーがなく、ドキュメンタリーのような緊迫した救命救急シーンが脈絡なく続きます。
助けなきゃいけない患者が揃いも揃って犯罪者まがいのクズばかりで、主人公の置かれた状況に観てるこちらもイライラ、うんざりしてくる。
しかし、このイライラが後半になって効いてくる。
日々、命が失われる現場にいると死に対して鈍感になるというのは想像がつくし、相手はクズばっかりだし…とはいえ。
患者をジャッジして命の選別に走る、のはやり過ぎですね。
もう1人の救命士のように患者のドラッグをくすねたりするのはまあアリなのか?
どうせ誰にもバレないし?
いやいや、これじゃどっちもどっちでしょう。
主人公は最初は青臭い理想論をふりかざしていますが(ヒーロー・ボーイと揶揄される)、シビアすぎる現実にどっぷり浸かり、終盤にかけて心が壊れかけていくのが観ていてしんどかったです。
特に主人公の心理を音や揺れる映像で表現する演出、あなたならどうする?と突きつけられているようで息苦しくなりました。
このままバッドエンドだったらどーしよう?と不安になりましたが、主人公の理想がかろうじて守られるラストに安堵。
ショーン・ペンは相変わらず、酸いも甘いも噛み分けたイケオジだし、新人救命士役のタイ・シェリダンがクールな表情の中に繊細さを秘めた演技で大変良かったです。
(調べたらわりと色んな映画に出ているようですが、ノーチェックでした)
今後の活躍が楽しみです。
空虚で冷たい街の中で、心に温かみを与えてくれる場所はそう多くはないと思う
2025.6.30 字幕 MOVIX京都
2023年のアメリカ映画(125分、RR15+)
原作はシャノン・バーグの『Black Files(2008年)』
ニューヨーク・ハーレム地区に赴任した新人救急救命士を描いたスリラー&ホラー映画
監督はジャン・ステファーヌ=ソベール
脚本はライアン・キング&ベン・マック・ブラウン
原題は『Asphalt City』で意訳すると「空虚な都会」と言う感じの意味
物語の舞台は、現代のアメリカ・ニューヨークにあるハーレム地区
そこに救急隊に入ったばかりのオリー・クロス(タイ・シェリダン)は、いきなり銃撃事件の現場に向かわされる
辿々しく指示を仰ぐオリーは、患者のトリアージを行いながら、重症患者の搬送に従事した
翌日から、ベテラン救命士のラット(ショーン・ペン)とバディを組むことになったオリーは、犬に噛まれた被害者、悪態をつく精神病患者、施設に入っている高齢男性、心肺停止患者などの対応をしていく
さらにランドリーの酔っ払いの相手をしたり、DV後の現場に向かう中で、徐々に心身に不調をきたしていく
中国人とルームシェアをしているオリーだったが、ある日を境に、クラブで知り合った女クララ(Raquel Nave)の家に潜り込むようになるものの、癒しはほんの一瞬でしかなかった
物語は、DV男と揉み合いになった際にラットが警官と小競り合いになってしまい、彼が停職してしまうところから動き出す
バディを組むのが相性最悪のラフォンティーヌ(マイケル・カルメン・ビット)で、彼はどこかネジがぶっ飛んでいる男だった
彼はオーバードーズのヤクの売人を救急車内で放置したり、街角の売人を見つけては少年であろうと容赦なく暴力を振るう
オリーのことを見下している彼との会話はままならず、ラットの復帰まで耐えることになったのである
物語は、ラット復帰後に妊婦ニア(Kali Reis)の元に出向いたところで急展開を迎えていく
ラットはヘロイン接種後に自然出産をした赤ん坊を取り上げるものの、赤ん坊の蘇生を優先しないまま、「死んだもの」として処理をしてしまう
だが、その赤ん坊は生きており、それが懲罰委員会に追求されてしまう
オリーも現場のことを詰問され、「あれは判断ミスだった」と言うものの、NYPDは事態を重く見て、ラットを内勤へと転属させてしまうのである
個人的には、救急病院の受付をしているので、「病院に運ばれるまで」と言うのを観ている気分になった
無論、ハーレム地区みたいなヤバいことになっていないのと、二次救急なのであそこまで重篤な患者は来ない
それでも、救命処置に居合わせることもあるし、救急隊員とのやりとりをする業務なので、映画で起こっていることがよくわかる
かつては、救急隊から本部に連絡が入り、司令室が病院交渉を行なっていたのだが、コロナ禍以降は救急隊から直接電話が入るようになっている
なので、明らかに三次救急案件の依頼なども入る場合があり、受け手であるこちらとしては救急隊が話している内容(医療用語)なども正確に救急医に伝えなくては行けない
そう言った意味合いもあって、ほとんどの用語がスッと入ってくるのだが、知らない人が観てどこまで理解できるのかはわからない
映画では、救急隊員に悪態をつく患者とか、明らかに不要な救急というものが描かれるが、あのような案件は思った以上に多い
日本では銃が野放しになっていないので、銃撃事件の瀕死案件は日常化していないが、精神的案件は季節によってはものすごく多い
またコロナ禍の救急搬送はかなりナイーブなもので、病床逼迫に伴って、通常ではあり得ない距離からの搬送などもあった
そう言った日常は国によって違うと思うが、この映画で描かれることは決して誇張などではないと感じた
救急救命の現場において、救命士ができることも国によって違い、医師や看護師でしかできないもの、医師の指示があれば救急搬送中にできることというのもあったりする
そう言った世界に足を踏み入れると、当初はサイレンの音を聞いただけで体がビクッとするとか、電話が鳴っただけで過剰反応するものだが、そう言ったものは徐々に慣れてしまう
ラフォンティーヌほどイカれた救急隊員はそこまでいないと思うが、自分の中で消化できないものをどこで吐き出すかという問題はあると思う
ラットにとっては娘との時間だったと思うのだが、それが奪われた先にある傲慢というのは、やはりあってはならないものなのだろうと感じた
いずれにせよ、ラットは「全員は救えないし、死ぬ時は死ぬ」というのだが、それを判断する立場にはなく、立ち入っては行けない領域なのだと思う
それでも、やりがいや誇りだけでは続けていけないのも事実で、どこかで現場と心の距離を置く以外に方法はないと感じる
どのような方法で距離を置くかはそれぞれだと思うが、映画で描かれるように「自分の行動に信念を持つ」というのが一番迷いのない部分なのだと思う
ラットが規則に縛られていては助けられないと言ったように、オリーもまた自分の方法論を確立し、自身の信念を持って行動に移す覚悟を持っていく
そう言った意味において、本作のラストは救いがあったのかな、と感じた
観ているこっちが鬱になるわ。
ただ生死を目の当たりにしているだけではなく、街の住人の人生もブチ当たるハードさ。
やはりドラッグに拳銃が絡むから日本では理解し得ない環境だから普通には伝わらないよね。
まるで戦場だよね。しかも毎日。
そらぁ病むよ。参るさ。
ニューヨークが変わらない限りこのハードなのは変わらないのかね。
ドキュメンタリーじゃないんだから(加筆修正しました)
ニューヨーク・ハーレムでEMSをするというのは、命を救う使命の他に、心身を削る戦いを強いられる。貧困層が集中しているので、ドラッグに宗教、精神障害、孤独死、なんでもありのカオス状態、呼ばれた先はヤバい人だらけで救いに来たのに罵詈雑言浴びせられ危険な目に遭わされ、血や汚物にまみれ虫だの悪臭だのどろどろの地獄のような場所での救助活動で、しかもちょっとした判断ミスでも上に報告されて懲罰の対象になる、質の悪い同僚に執拗に絡まれたりもする。過酷すぎて精神をやられる。これが昼夜問わず24時間続くのだ。この職場で働く人々の「事情」も垣間見せながら。
それを描きたかった意図は分かるが、一度の出動の状況を場面カットや端折ることなしにまるっと見せて、それをいくつもいくつも延々2時間半やるのはいかがなものか。ドキュメンタリーではなく映画なんだから。
起きていることはひとつひとつショッキングだがドキュメンタリー風に淡々と状況を追っているのでメリハリがなく、起承転結を感じないのでメインのエピソードであるラットの事件の、神でもない身で命の選択をしたのかしなかったのかとその顛末も、EMSで起きる情景の一つとして映るだけでさほどのインパクトを感じない。凄惨な場面を立て続けに見せられて感覚が鈍磨したのかも。
むしろ、「ニューヨーク・ハーレムEMS24時」的なドキュメンタリー見たほうが、クロスの延々長い内面描写も延々長い彼女とのエッチシーンもないから、だいぶすっきり見られると思う。
エピソードの数は半分で良いし、クロスの内面描写も半分の時間で良い。毎回同じようなんだし。彼女との交流も半分の時間かなんなら半分くらいは端折ったら良かった。
この監督の味なんだろうが、ヨーロッパ的と言うか、ひとつひとつが丁寧すぎ、長すぎて間延びしているように感じて、私には合わないと思いました。
ところで、マイク・タイソンってクレジットにありましたが、何を担当したんでしょうか、あのタイソンとは同姓同名の別人?
リアリティー暗いけど渋い
妊婦さん!麻薬アカンやん!それは救急救命士に謝って!
ってのが一番のモヤモヤでした
終始暗い雰囲気で救急救命士の求人動画には使えなさそう
ショーン・ペンも主役も良かったです
【ニューヨークで命懸けで働く、救急救命士たちの過酷過ぎる労働環境の中で奮戦する姿をキツイ描写の数々で描き出した、問題提起作品。ラストに流れるテロップが訴えるメッセージは重いです。】
■ベテラン救急救命士ラット(ショーン・ペン)とコンビを組む事になった、医学部入学を目指す新人クロス(タイ・シェリダン)。
夜間任務を行う中で、チンピラ同士の打ち合いで心停止した若者は人口蘇生を試みるも蘇生せず、酔っ払いのオバサンや薬中のオバサンにもや罵られる。
そんな中、ラットは飄々と仕事をこなすが、ある日元妻と彼に生き甲斐であった愛娘は、引っ越しをし、仕事では薬物中毒の母親が自家分娩をした際での、ラットの新生児への対応で二人は謹慎させられ、ラットは事務職への異動を命じられる。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・序盤からキツイシーンが続く。あれでは、心身がやられるだろうな、と思っていたら同僚がクロスの事を“持って、二週間だな。”などと言っている。
・NYはこんなに荒んでいるのかというシーンの数々。救急救命士を呼ぶ殆どが有色人種であり、DV、クスリ、など様々な問題を抱えている事が、描かれる。
・徐々に疲弊して行くクロス。だが、タフに見えたラットはある日、薬物中毒の母親が産んだ新生児のに対する対応で謹慎処分になってしまう。
ー ここで、ラットの代わりに来たヘビメタ好きの救急隊員の男の態度が、マア凄い。死にそうな薬中の男が点滴を受けているのに、”いつか、死ぬだろ。”と言い、男のポケットにあったヘロインを自分のポケットに入れたり、完全に開き直っている。
だが、そうしないと神経が持たないのかもしれないな、とも思う。-
■マサカノ、9.11の修羅場を経験したラットの飛び降り自殺にはビックリする。だが、その予兆はキチンと描かれている。
今作を製作したソベール監督の”救急隊への攻撃的な反応と、慢性的な人手不足には、崩壊した医療制度がある。”という言葉が頷ける内容である。
<ラストのテロップでのメッセージは重い。”救急救命士の近年の死者数は、殉職よりも自殺が多い・・。”
それが本当ならば、米国を統べる男は他国にちょっかいを出していないで、自国の足固めをするべきではないのかな、と思った作品である。
だが、ラストシーンで、火災の中クロスが建物に飛び込み、子供を助け、病院で涙を流す母親から”貴方はあの子の命の恩人よ!”と言って抱き着かれ、ベッドで寝ている子のクロスを見る優しき目に、少しだけ救われた気持ちになった作品でもある。>
過酷な現実
ベテランと新人のバディものと
タカをくくってました。
人の命を救うために奔走する彼らが
あまりにも過酷な現実に晒され
心を病んでいく。
命の尊さを現場でまざまざと
感じているはずの彼らが
自らの命を断つほどに病んでいく。
そんな事ってありますか。
観ていてとても胸が苦しくなる作品でした。
多くの人に劇場でぜひ見てほしい。
ちゃんと感じて欲しい。
そして彼らに対してもっとリスペクトするべき
タイトルロールの後の説明と献辞が泣ける
映画館の予告、短いのを目にしただけで、なんとなくみに行きました
最初は夜を赤いライトで照らした不穏な画面がキライだし
ざらついたり、虫の羽音だったり、不快な音も楽しめなかった
思ったのと違うな〜でした
最後は穏やかな陽を浴びたストリートを緩やかに流していくフロントグラスの
車窓の眺めが気持ちいい〜ここのスコアは耳に優しい♪
それで説明文となくなった隊員への言葉が読めるわけですが、
これがあって製作者の意図がしっかり沁み込みます
行ってよかった映画館
最後まで観てよかったよかった
ほとんど虫の息だが、かろうじて良心はあると語っている
ラット(ショーン・ペン)が9•11にも出動したと言った場面で、当時のある記事を想い出した。
ビル崩落で、警察、消防、救命、にも多くの犠牲者が出たが、家に戻って来ず、おそらく落命したと思われる“夫”の妻たちが、生活のため銀行に払い出しを求めた際、銀行側は、所属部署と名前だけで現金を渡したのだが、実際、多くの“ニセモノ家族”が現れ、その詐取被害額は50億円超だったとか。しかし当局は敢えて追求しなかったという。讃えられるべき英雄達の美談のウラにはこんなこともあったのだ。
エンドロールで救命士の自殺は殉職者より多いとの字幕。ラットの自殺の原因はもちろん良心の呵責に苛まれてという単純なものではない。元妻と娘が去り、事務職への異動、なにより相棒に同調されないという、ことどもである。
いかがわしいタクシー運転手から、ハーレムの夜を疾駆する救命士に転身のショーン・ペン!かわらず渋い演技。“最新の元妻”は笑えたし、娘と遊ぶシーンはホッコリする。
一方、主人公クロスの人物造形は、バスルームで母親がリストカットして死んだ時、なにもできない八歳児で、そのトラウマを抱え、いまは医学部入学を目指しなから新人救命士として働く青年というありがちな設定。
人命救助の激務、助けているにもかかわらず浴びせられる罵詈雑言、仲間からの嫌がらせ、暴力、麻薬、通じない言葉! 当然のように疲弊し、壊れてゆくしかない。
話を盛って作るのが映画なのだが、ここでは逆に現実を矮小化しなければスケールに収まらないというジレンマがある。ゆるいドラマなら、ここらで一服、友人に愚痴るとか、海を見に行くとか、だが“感傷”など入れ込むスキはない。うっぷん晴らしはもっぱら子持ち女とのセックスだけという日常だ。
問題のヤク中女にクロスが謝罪しに行く場面はやるせない。腕にヘロイン注射を刺したまま、HIV陽性、感染予防薬も無視、そのくせ逆ギレする人間を相手にする必要があるのか!新生児殺しを目論んだラットを断罪する安直な発想に意見したい!ほとんど永久に解決をみないハーレムの現状、人種のるつぼのリアル!
ラストでクロスが見せる、ほのかな笑みは、かろうじて、かろうじて良心はまだ残っているというメッセージだろうか。
けっこうよかった
『救命士』や『ミッドナイトファミリー』など救命士の映画はこれまで外れがないため、大いに期待して見に行く。おっかない先輩と新人のバディものだ。けっこう面白かったけど、主人公がとにかく暗い。暗いわりに真っ赤な鷲の羽のスカジャンを着ている。意味ありげに部屋に同じ羽の絵が飾ってあるが、それ以上にキャラとの違和感が強い。踊り行くタイプにも見えないし、まんまとナンパに成功してセフレができる。なんだこいつ。
ショーン・ペンの人生が苦い。挙句に飛び降り自殺して脳みそが出る。あんなかわいい子がいて、時々しか会えなくなるとはいえ、何も死ななくてもよさそうなものだ。鬱だったのだろうか。
意地悪な先輩がいて、あいつは仕事はちゃんとできるのだろうか。救急車を呼んであんなのがきたらすごく嫌だ。また地域の治安が最悪で駆けつけるとみんな刺青だらけ。
主人公は医学部受験の腰掛で就業していたけど、そんなに簡単に採用してもらえるのだろうか。日本は地方公務員だ。
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