劇場公開日 2025年6月27日

「ニューヨークの暁に祈る」アスファルト・シティ La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)

ニューヨークの暁に祈る

2025年7月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 ニューヨークのハーレムで救急救命士として働く人を描いた物語です。監督は、タイの刑務所に収監されたイギリス人ムエタイ選手が経験した強烈な現実を描いた『暁に祈れ』のジャン=ステファーヌ・ソベールです。

 消防士をはじめとして命懸けで人を助ける職業は映画で度々取り上げられて来ましたが、この監督の手に掛かると、救命救急士の切迫感が剝き出しで息を呑みます。彼らが目にするのは、事故や急病による救急よりも麻薬・銃撃・貧困・自殺など社会にこそ病巣を有する病なのです。本作は、元救命救急士の著作が原作で監督も数年の取材を重ねたそうなので、多くは事実に基いているのでしょう。真摯に職務に向き合おうとすればするほど、救命士本人の心が削られ彼ら自身に「救命」が必要になります。エンディングでの説明によると、救命救急士の自殺の件数は職務による殉職の数を上回っているのだそうです。

 弱虫の僕にはとても務まりません。人々の命に手を差し伸べる現場の人々に感謝です。

La Strada
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