「混沌と悲劇のライトモチーフ、黄金を盗まれないように」アスファルト・シティ TTさんの映画レビュー(感想・評価)
混沌と悲劇のライトモチーフ、黄金を盗まれないように
冒頭、ワーグナーのラインの黄金のモチーフが奏でられる。若さと力強さ、無垢と悲劇、死と再生の象徴であるジークフリート、即ち英雄の登場を予感させます。映画は終始、救急救命隊員のハードワークぶりが描かれてます。日常的に命の危険や惨事に直面し、慢性的なストレスと過重労働、タフであるべきというスティグマ、アルコール依存、プライベートの不安定さ、彼らを追い詰めるものは、単純に語ることができない。
ラストで冒頭のモチーフが再び奏でられる。黄金が盗まれて、復讐の指輪が誕生しないように。
コメントする
