「「助けなくていい命」なんて無いのでは?」アスファルト・シティ ぇんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
「助けなくていい命」なんて無いのでは?
キリスト教に同じ概念があるのかは知らないが、日本には、
「他人を呪わば穴二つ」・・・つまり誰かを〇したいと思うには、自分も〇んでもいい覚悟が必要・・と言う諺がある。
冒頭から銃撃事件の現場に飛び込み、助けられなかった重い場面から導入。その後も様々な現場が続くが、どれも「こんな奴助けなくてもいいんじゃね?」と思わせるに十分な胸糞例が次々出て来る。
こんなんじゃ人間が早番壊れるんじゃ?・・と思っていたら娘との面会や人妻との逢瀬で、かろうじてバランスを取っていた。
映画後半では、それらの「救い」が(自責でもあるが)離れて行って、人格が崩壊していく様子が丁寧に描かれている。その過程で段々と「全能の神」の立場に居る錯覚から「命の選別」に手を出してしまう。その命の重みに耐えきれず、パートナーを絞め殺す衝動を抑えきれなくなったり、相棒を「人殺し」と罵倒したり・・・
目の前で人が〇ぬ場面を何度も見ていればPTSDになっても不思議ではないが、それを避けるために〇を正当化することは、反対にその〇を背負い続けることで人格破壊してしまうのではないか・・・が本作の主題かと。
終盤で「救命」は・(どんな相手でも)・患者だけでなく自分の心も助けているんだ、と気が付いたのかも知れない。
・・・と安らかに見終わったと思ったら、エンドロールで打ちのめされた。
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