「十字架を負った救急隊員に救いはあるか」アスファルト・シティ 島田庵さんの映画レビュー(感想・評価)
十字架を負った救急隊員に救いはあるか
主人公の名が、クロス。すなわち十字架。
そのことの意味に気づいたのは、見終わった後だった。
血とか痛いのとか苦手なワタクシなのだが、
そういえばこれ救急隊員の映画だった、と気づいたのは、始まってからだったという迂闊。
開始早々離脱しようかと、本気で思った。
なんとか思いとどまったが、
以後、人を救う人たちが救われない、という苛酷な日々が、延々2時間続く。
なんたって救急に助けてもらうはずの人々がクズ・カスばかり。
おまけに同僚にもクズがいるし。
バディの先輩が唯一の救い、かと思いきや……
ラスト10分、かろうじて救いはあったが、
そしてエンドロールの最後で監督の意図(あるいは願い)は分かったが、
危うくこっちがメンタルやられるところだった。
主人公のストレスの唯一のはけ口であるセックス・シーンは無駄に長いし。
これで観客は気分転換できるとでも、監督は思ったんだろうか。
いやそれとも、ひたすら粘着質のお方なのか。
もうちょっと何とかしようがあったんじゃないか、と思うけど、
そんな気はないだろうね、きっと。
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