「ややわかりにくい点はあるが(後述)今週おすすめ枠。Jリーグのファン等もぜひ」ネクスト・ゴール・ウィンズ yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
ややわかりにくい点はあるが(後述)今週おすすめ枠。Jリーグのファン等もぜひ
今年77本目(合計1,169本目/今月(2024年2月度)30本目)。
(ひとつ前の作品「犯罪都市 NO WAY OUT」、次の作品「マッチング」)
史実をもとにとった映画なので、あることないこと描くことができない、一種のドキュメンタリー映画です。
また、監督の視点から描いたサッカー映画ですが、「サッカー映画」である点は間違いないので、Jリーグでも何でもサッカーというルール自体を知らないと理解自体がハマります。
ドキュメンタリー映画という事情はあるので、ある程度の改変はあるとしてもあることないこと描けないし、淡々と進んでいきます。最初に描かれる31点差というのが衝撃的で、実はこちらも「何もいきなり予選からそんな試合が組む必要ないんじゃないのか」という意見が続出したのも事実で、現在では発展的に「FIFAの上位ランキングの1次免除、1~2次免除…」といった形でバランスがとられる形になっています。
英語圏であることから英語で話されるのもゆっくりであること、また、現地のキリスト教の文化も示されはしますが基本的に最低限であり(それらの深い知識は一切要求されない)、その点について深い理解が求められなかったのは良かったです(せいぜい、応援しているJリーグのクラブがあるかないかだけでもある程度違う、といったところです)。
ただ、そうした属性…つまり、Jリーグ等「ある程度サッカーのルール等を知っている」観客は字幕上混乱する部分があります。ここは何らか補足が欲しかったです。
ストーリーについてはほぼほぼドキュメンタリー映画という事情があるほか、実はこの映画、ヨコハマ・フットボール映画祭(名前の通り、サッカーを専門にした映画祭り)で2015年という相当前の作品であることからVODなども存在する可能性があることも考慮してネタバレは少な目にしています。
採点は以下を考慮したものです。
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(減点0.3/サモアがトンガ戦でとった「ある行為」が何の意味を持ったか理解が難しい)
このことと、「サモアは次戦の結果により…」という部分(いわゆるドキュメンタリー映画にある「結末はこれです」という部分)からくる問題です。
実際の選手でなくても、Jリーグのクラブのサポ程度であれば、サモアがトンガ戦で取った「ある事項」については極めてリスキーな行為であることは誰しもわかると思います。それは、自分も相手も「選手生命」という観点から、あるいはサモア自体の成績にも関わることであることは自明です。
ところがそのあと「次戦の結果により…」という部分が出ることから、このときの予選はいわゆる「一発ノックアウト式」で行われていたのかな?と類推することは可能です。一般的なW杯、Jリーグで採用される勝ち点方式を取る限り、この映画の趣旨である「1ゴールでも」ということを考えた場合、「サモアの選手のとった行為」は極めてリスクのある行為です(一般的なW杯の試合は延長等がない(決勝一発ノックアウトは除く)ため、両者に勝ち点1がつくものと思われます)。ところが「サモアの次戦の結果により…」の表示から「一発ノックアウト方式で、勝ち負けを絶対に決めなければならなかった」というように類推可能ですが、実はそれもトラップで、当時の試合はホーム・アウェイの概念がない4チームによる3試合制で「「1チームだけが」2次予選に進める」ものだったのです。つまり、「次戦の結果により…」は、正しい部分も間違っている部分も存在することになります。
この部分は、日本でこうしたサッカー映画を見る場合、日本はもちろん、日本や隣国の韓国ほか、一般的に日本がよく戦う国はたいてい予選(1回戦)が免除されているのでわかりにくい部分がある(これらの1次予選の運営がどうなのか、触れる機会がまずもってない。せいぜい言えば、台湾を応援するサポーターくらい?)ので、そこは何らか説明が欲しかった(調べればわかるが、映画の放映時間内に調べることはできない)といったところです。
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