「内容がないよう…(ギャグではなくマジで…)。本当にどうしようもない…。」DASHCAM ダッシュカム yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
内容がないよう…(ギャグではなくマジで…)。本当にどうしようもない…。
今年244本目(合計895本目/今月(2023年7月度)30本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))。
恐ろしいまでの地雷作で、B級だのC級だのといった議論を超越している映画です。なお、映画のレーティング(映倫によるもの)はPG12です。PG12ですからね。
ストーリー他は他の方や特集等に書いてあるので思い切ってカットします。ちょっとここまで触れている余裕がないので…。
まず、映画そのものの「根本的な欠陥」として画面左側にチャット画面、右側に主人公が写るという構成にしたため、字幕が2か所出てくることであり(チャット画面が左、主人公たちの会話は右。なお、縦表記という珍しい映画です)、それを「同時に」見せられるシーンがかなり増えるため、正直拾いきれないのが事実です。このため、結果的にリアル英語能力を要求されてしまい、英検準1そこらでは無理じゃなかろうかという気がします。しかもこの主人公、極端にマニアックな語彙を使う傾向があり(後述)、とにかく、読み取りが難しいタイプの映画で、英語の能力をリアルに問われるという恐ろしい映画です。
で、内容なのですが、まぁよくPG12で通ったなぁというところであり、さすがにブチギレラインです、これ…。主に吐しゃ物、「人間の下側から出るもの」、性表現と「数え役満」状態であり、何がどうするとPG12で通るのか本当に謎です。ちょっと前に「単に車を勝手に運転しているシーンがあるから」という理由だけでPG12になった「ライル」と同列なんですかねぇ…。
正直、感想を書き込むサイトなのに内容の書きようがないのは、途中から(実質、映画の後半40分くらい)は事実上字幕もなくなり、「人間の下側から出るもの」と性表現ばかりであり何がなんだか直視も無理な映画であり、何がどうなっているのかまるでストーリーの理解がおいつかない(追いつく方っているのかなぁ…)というところです。「内容がないよぅ…」がまさにそれです、はい…。
そしてとどめを刺すのが最悪のエンディングで、よくある「こんなエンディングロールはいやだ、自分にやらせろ」と主人公が(演出的として)介入して勝手にエンディングロールを作ってしまうというタイプなのですが、そこは単に性表現祭り…。まぁ映画館という「閉じた環境」だからではありますが、時々ある、「野外で映画を見ましょう」のタイプでこの作品はとても流せないんじゃなかろうかというところです(リアルで警察が来そう…)。
この本当に直視すらできない珍妙字幕とグロ表現に加えて、主人公がフォロワー数か登録者数か(?)を増やすため、「韻を踏んで今日も配信しましょう~」等といっているところ、 acquit (~を無罪放免にする)といった、どこで見るんだ?という超ハイレベルの語彙が出てくる(ただ、字幕上の配慮はある)等、主人公が「ちょっと飛んでいるのかな」と思いきや超真面目なのかも本当にわからず、見た人はこりゃ怒りが沸騰しそうな気がします。
…と、ここまでけちょんけちょんに言ってはいますが、それでも日本では法が定める範囲内で表現の自由があり、映画館は営業の自由があるのであり、単に下品だからといった理由だけでどんどん引くことはできません(法律系資格持ちとしては当然の理であり、逆に、法律的な解釈が危ういなどはどんどん引かれます)。これらまで「かなり考慮して」以下のようにしています。
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(減点0.8/どう考慮しても配慮が足りず、気分を害する方が出ることの想定が足りない)
まずもって、この映画が何を述べたいのか主義主張が謎で、映画作品を作ったのだから、「どこかでは放映してよ」という契約でもあったのか、だから日本の本当に少ない(今日段階で、東京、大阪、兵庫の3館といった有様)で出てきたのか…という気すらしますが、日本のミニシアターはそんな「どうでもいい」ことにまで付き合わなきゃいけないのでもありません。
「人間の下側から出るもの」や性表現の大半など、何をどうするとここまでへんちくりんな状態になるのかが謎すぎて、こりゃもう批判殺到しそうな気もしますが、映画館も察したのかたった3館でしかないし、その意味ではまぁ、1週間かあって2週間でそうそうに消えそうな気がします。
(減点0.2/レーティングの配慮不足)
PG12ですが、R15ないしR18扱いされても仕方がないのではなかろうか…という気しかしないです(ただ、レーティングの一つ飛ばしと思える点は、0.2以下で統一)。
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(減点なし/他事考慮/ミニシアターの放映作品のチョイス)
この点は基本的には映画館(か、映画館を管理する親会社)の専権事項であり、「基本的には」個人がどうこう口出しするべきものではないというのは理解しますが、ミニシアターというのはどこも経営が大変で、その中で、「どう見ても何がどうなってるのかすら誰にもわからない」映画を流すことの意義が何なのかすら不明です。
この点、大阪市ではシネマートのみの放映であるところ、シネマートのアカウント上では「映画館があること自体の普及が映画を学ぶ専門学校生にも足りていないなぁ」等とつぶやかれていたところ、そりゃこんな変な映画が唐突に出てくれば、そりゃ人も少なくなるのは仕方がないんじゃないかな…(ミニシアターの休館・廃館等も、コロナ事情等で起きた不可抗力的なものと、映画のチョイスミスが続き、お客さんとの「対話」が取れずに離れていくという2パターンが想定できますが、その後者のほうを「行っていそう」で怖い)というところです。
ただこの点は究極最後は映画館の専権事項の話であり、映画側の帰責事由にならないので、ここでは減点なしの扱いにしています。
※ ただ、映画を日本で放映するにあたって、「どこかでは放映してください」となったときにミニシアターとして「ハズレくじを引いた」というような状況になっているのならそれも仕方がないし、それらのことは一般客は知りようもないし、どうしたものかなぁ…というところです(一般的な資金力、シアター数等に恵まれる中型以上の映画館ではおよそもって放映されないだろう、というレベルの映画です)。