ペナルティループのレビュー・感想・評価
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タイムループ物と思って観たら・・・
伊勢谷友介の復帰第1作となった本作は、題名からするとタイムループ物でした。タイムループ物というと、最近1年に1作観ている感じで、2022年が「MONDAYS また月曜日がやってくる」、2023年が「リバー、流れないでよ」、そして2024年が本作となりましたが、前2作はいずれも好きなタイプの映画だったので、伊勢谷友介の復帰作という話題もあって本作には結構期待していました。果たしてその結果は?
まずループするスパンですが、「MONDAYS」は月曜起点の1週間のループ、「リバー」は僅か2分間のループでしたが、本作は6月6日月曜日の1日のループでした。この設定は、直近のタイムループ物との調整を図ったのでしょうか。ただ前2作との大きな違いは、その雰囲気にありました。前2作はどちらかと言うと明るい色調のお話でしたが、本作は徹底的に暗い色調で、ミステリー要素が強い作品でした。
また、何故タイムループが発生しているのかが、観客も登場人物も分からない状況でスタートするというのは、全ての作品に共通していましたが、前2作は登場人物が誰であり、彼らの置かれている状況がどんなものであるかということが観客に共有されていたのに対して、本作は主人公の淳が一体どんな状況に置かれているのか、彼は何故溝口を殺し続けなければならないのか、淳の恋人の唯の身に何が起こったのかなども、全く分からない状況でスタートする物語であり、この点も前2作と大いに異なる味付けになっていました。
そういう意味では、大いに意欲的で実験的な作品だったと言えるかと思うのですが、ではそれが成功したかと言えば、私には成功していたようには思えませんでした。その理由はと言えば、結局のところタイムループの仕掛けがちょっと反則技にしか思えなかったところにあります。
人の生き死にを扱っており、それが得体の知れない大きな力によって支配されている雰囲気が感じられた点は、「PLAN75」っぽい所もあり、それはそれで評価出来なくもないものの、一番大事なタイムループの仕掛けそのものが「レディ・プレイヤー1」で観たようなバーチャル世界のお話ということになっていて、これって夢オチと変わらないじゃないかと思った次第です。
ところで本作で3年ぶりに復帰した伊勢谷友介ですが、以前はちょっと不気味でおっかないイメージを持っていたのですが、本作では結果的にお茶目なところもあるナイスガイを演じていました。意識的にドギツイ役どころは避けたのかも知れませんが、今後の平穏なる活躍を期待しています。
そんな訳で伊勢谷友介を再びスクリーンで観られたことには満足したものの、内容的には今ひとつだったことから、本作の評価は★2.5とします。
日本のA24、木下工務店を応援してます
(種明かしにご注意) 何が何だか訳分からない映画です、はっきり言って。で、つまらない?と言われれば、そうでもなく興味をずっと引っ張る工夫はありました。だからどうなの? 面白いけどつまらない、としか言いようがありません、よくぞそんなの映画を思い付き、それを実行してしまった事が驚きですね。
若葉竜也、初?の単独主演映画を祝して、何も分からずままの鑑賞で、よけいに混乱した次第。若葉が6月6日にベッドで目覚め、大きな植物プラント工場の社員のようで、訪れた電気工事らしき伊勢谷友介扮する作業員を何故か殺し川に死体を遺棄する。この事を何度もループのように繰り返すのが本作。その上で、どうやら彼の彼女が殺害された復讐のようで、繰り返しも状況がまるで異なる摩訶不思議、さらに意識においても蓄積と言うか教育がなされ慣れ合いすら生ずる奇怪さ。
タイムマシンもそうですが、ループものも洋の東西違わずちょくちょく映画に登場するシチュエーション。タイムマシン程には暗黙の了解はないけれど、繰り返しの過程で生まれる齟齬がポイントとなるのはほぼ共通。で、本作のリピートでは殺害の時間も手順も、そこに誘導する自販機のトリックも微妙に異なるのが観客を苛つかせる。即ち従前のループものの基本を大きく逸脱しており、それは多分ワザとであってそこを見せたい意図があるのでしょうね。
その苛立ちから浮かび上がるのが包丁で伊勢谷の体をブスブスと幾度もメッタ射しにする「音」です。自らも返り血を盛大に浴び、復讐の域を大きく超えた殺戮には自らは罰せられない了解の存在を暗示し、事実誰一人として目撃者は現れない。リアルのようでこれはリアルではないわけです。実際次の6月6日には伊勢谷はピンピンしているではないですか、まるでゲームのリセットですね。ここに本作の種明かしがあるようですね。
で、ここからが問題です。リセットによって何かが浮かんで真実が顔を出しちょっとした感動ものに・・・と予測したのが間違いで、結局何? で終わってしまうのが惜しい。女の書類焼却は何? このゲームの管理者のようなメガネの男、唐突な韓国語、「イカゲーム」のような不条理を思わせつつ何もない。答えが欲しい訳ではないけれど、娯楽映画としての留飲がないのですよ。
それにしても若葉君は諸作で数多拝見してますが、相変わらずのボリューミーなロン毛で、何を演じてもこのヘアスタイルなのが違和感ありますね。応援しているのですから、役に応じて変化が欲しい。対する伊勢谷が本作の肝でしょう、例の問題後初の本格出演に拍手喝采です。流石の存在感に若葉が軽く見えてしまいます。最初は誰?状態でしたが、問題以前の過剰なギラギラ感がなくなり、薄い皮膚感覚から原石の輝きが現れたような感じです。
本作を制作・配給する木下工務店さんは、良質な映画を支える気骨があり、米国で言えば「A24」のような存在に成長しました。よくぞ本作の製作にもGOを出したもので、惜しい作品でしたが、冒険に対し惜しみなく応援をしたいものです。
アイリスの花言葉。
今年119本目(合計1,211本目/今月(2024年3月度)37本目)。
(前の作品 「ロッタちゃんと赤いじてんしゃ」、次の作品「Moonlight Club in LOVE」)
異様にネタバレ関係が厳しい作品です。一応、公式サイト、公式ツイッター等アカウントでは規制はないですが、趣旨的にネタバレになるようなことは何も書けない状況です。ただ、ここの「予告編を見る」から、お花としてのアイリスは一つキーワードになります。
アイリスは一般的にお花屋さんで見ることができますが(日本では大阪市基準だと5月くらいまで)、もともとアヤメ科の植物です。ただ、「あやめ」という場合、カキツバタなども含みうるので、「あやめ」と「アイリス」は別扱いされていることが多いです。
そしてアイリスもその由来は虹の女神に由来する通り、いろいろな花を咲かせますが、その色の多さも魅力の一つではあるものの、中には外来種で日本では「やや駆逐傾向にある種」(「やや」であり、見つけたら根こそぎに、というものではない)のお話まで登場します。ただ、全般としては花言葉という扱いであり、アイリスの花そのものが出るわけではありません。
※ この点は、花言葉そのものの知識をストレートに聞いてきた「ヴァイオレット~」と似たものがあり(登場人物の一人が「アイリス」)、同アニメを見たことがある(あるいは、アニメ版4話。いわゆる「アイリス回」といいうるもの)かどうかでも理解が変わるという、「別の作品の知識があると有利」というかわった映画です。
※ ネットフリックスでは(契約者に限り)無制限視聴可能(劇場版、アニメ版)。
一方、アイリスの花言葉それより以上にこの映画はいわゆる「ループもの」という扱いで見た方が多いと思いますが、いわゆる「脱出経路」を探す中にあたって「一度しか出ないハズレルート」が妙に多いので、一度しか出ないところも多々でます。このあたりは好き好み分かれるかな…といったところです。
そして、「同意します・同意しません」が指すもの(予告編参照のこと)が「何を意味するか」についてはネタバレなのだろうと思います。
70分ほどでさくっとみられる作品としてはおすすめ以上といったところです。
アイリスの花言葉については知っていると明確に有利かなといったところです。
採点に関しては以下を考慮しました。
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(減点0.3/民法90条と119条に関する考察が雑) ※ ネタバレ回避のため条文番号でのみ記載
民法90条により無効になる行為は、119条の適用はありません(絶対的無効行為)。
(減点0.1/民法93条に対する考察が雑)
93条による意思表示は、善意の第三者に対抗できません(善意でありさえすればよく、無過失かどうかは問われない)。
※ どちらもネタバレ回避の観点からさくっと書いていますが、一部憲法論と絡む論点に飛ぶ映画でもあり、どうなんだろう…といったところですが、公法論(憲法行政法論)で書くとネタバレどころの話ではありませんので、そこはさくっと省略しています(Plan75のように、それについて触れないとレビュー不能という作品は除く)。
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わたしは好きですよこの映画
不思議
6月6日6時に目覚めて ネタバレなしで観てほしい
個人的想像力では補えないくらい雑なお話
大麻所持並びに使用で逮捕された伊勢谷友介の復帰作❕
恋人を素性不明の男(伊勢谷友介)に殺された男は自らの手で犯人に復讐することを決意する❕
6月6日に復讐を果たすが翌朝目覚めると、周囲の様子は昨日のままで、殺したはずの男も生きている❕
それからと言うもの、色々な方法で何度殺しても翌朝は来ず恋人の敵を討ち続けることになる❕自らが選んだはずの復讐のループは否応なく繰り返され、それを何度でも復讐できるプログラム「ペナルティループ」と言う‼️と言うストーリー‼️
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