ペナルティループのレビュー・感想・評価
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男の友情?が芽生える不思議なお話
この映画を見た夜、奇妙な悪夢を見ました笑 ループものって夢にまで影響するくらい爪痕を残すんだなぁとびっくり。
若葉さんにしか出せない滑稽な空気感を要所要所で感じられて良かった。伊勢谷さんとの掛け合いも最高。
終始怖いかんじなのかなと思っていたけど、何とも奇妙で面白いお話でした。6月6日は結局何回来た…?途中まで数えてたのに、ストーリーに夢中になり数えるのを忘れてしまった。
恋人を殺された復讐から溝口を何度も殺しにかかる岩森。最初は殺伐と張り詰めた雰囲気だったけど、何回目からかはお互い仲良くなっちゃって、クスッと笑える2人の会話劇が楽しかった。
若葉さんがインタビューで「伊勢谷さんはずっと小学6年生みたいだった」って言ってたけど、役にもなんとなく現れてる気がした。
謎はたくさん残るがこの映画の場合は謎を残すくらいが心地いい。
・唯はどんな秘密を持っていて追われていたのか。
・最後に岩森が唯と対面した6月8日。あれは岩森がタイムループに入る前に「事前にお願いしていたこと」?(VRでもいいからもう一度会いたかったってこと?)
・ボーリング場で謎の男が吐き捨てた韓国語の意味は?(クソって言った後に평생(一生)なんちゃら…って聞こえた気が。あの男はペナルティループを生業として報酬を得ている?だとしたら岩森はお金を払ってループに同意したってことよね。)
など考えてしまった。
溝口が書いた木の絵、見たかったな〜。ものすごくド下手だったら笑ってしまうけどね笑 (伊勢谷さんなら超上手く書くだろう。)
あと、夙川アトムがあの声だったのか〜!ってエンドロールで気づきました。
若葉竜也と伊勢谷友介の掛け合いが良かった
# 主役
「愛にイナズマ」
「市子」
に続いて出演の若葉竜也。めちゃくちゃよく映画に出てる。
あの困ったような戸惑ったような顔は健在だ。
# 物語
変な施設に住んでいる主人公。
冒頭、ほとんど無言のまま劇が進むので何が何なのかよく分からない。真実は少しずつ明らかになる。
何がどこでタイムリープしているのか?
# 同意
タイムリープのたびに「同意する?」「同意しない?」って聞かれてその選択肢で結末が変わる物語かと思いきや違った。
# 異質なタイムリープ
普通タイムリープと言えば、主人公は最初戸惑いながらも、その世界から脱出するために工夫を凝らす。
しかし本作の主人公は違う。なぜか世界から脱出しようとはせず毎日なぜか同じ生活を繰り返し、同じ男を殺し続けるのだ。なぜだ。
# 後半
後半は急に「世にも奇妙な物語」風な展開になる。
主人公と殺人犯は毎日顔を付き合わせているので、途中からまるで友達みたいになりながら、それでも強制的な力によって主人公は男を殺し続けなければいけない。
この二人の雰囲気、掛け合い、質感はとても良かった。
あまり悪人に見えない殺人犯と、彼を殺し続ける善良な主人公。
惜しい
2024年劇場鑑賞70本目。
恋人が殺され、てっきりそれを救うタイムリープだと思っていたらその犯人を何回も殺すタイムリープという、ちょっとずれた設定。しかも殺される側も記憶を受け継いでいるのでめんどくさいことに。中盤流れ作業的になるのが最高のコメディになっていて、その方向のまま突き進んでいけば稀にみる傑作になっていたのに、欲張って複雑な展開にしたばかりに訳が分からなくなって凡作に。惜しい。
奇妙な関係
確かに「ループ」だった。何度も同じことが繰り返されるので飽きそうになってくるが、そのうち若葉竜也と伊勢谷友介の関係が微妙に変化していく。殺し/殺される関係なのに、友人のような奇妙な関係がはぐくまれていき、ボーリングをしたりボートに乗ったり、思わず笑ってしまう展開に。(若葉竜也のボーリング、下手だったなあ!笑 演技大変だっただろう)
何度も繰り返して殺したいと思うほど憎んでいる相手でも、知り合ったら友だちになるような人間かも知れない、そしてこちらが知らなかった論理や背景があるのかも知れない、・・といった事がちょっと頭に浮かぶ。が、深いメッセージ性があるというわけではなく、コメディ半分の奇妙な味の映画。
久しぶりの伊勢谷友介、独特のダンディズム。格好良い。
時間の狭間で繰り返す復讐: ペナルティループの謎解き
ループ系映画好き、サスペンス好きにもささるとおもう。
さて
「人数の町」の監督荒木伸二が、「街の上で」で主演の若葉竜也と共に織りなす、オリジナル脚本のタイムループサスペンス『ペナルティループ』。
この作品は、復讐心に燃える岩森淳が、恋人を奪った素性不明の男・溝口に仕返しを試みるも、翌朝目覚めると不可解にも時間はリセットされ、すべてが昨日の状態に。溝口役の伊勢谷友介には哀愁を感じ、恋人唯役の山下リオ、そして謎の男を演じるジン・デヨンの演技もひきこまれました。
この繰り返される復讐と解決への道筋が、見る者に新時代の復讐とは被害者の救済とは何かを問いかける。映像の無機質な感じと暖かみある風景が織り成すコントラストが、この不思議な旅をより一層引き立てそして考えさせられる作品で、まさに新しい時代の映画体験だと感じました。
#映画好きシェフ聡27のレビュー #ペナルティループ #タイムループサスペンス #新時代の復讐 #荒木伸二 #若葉竜也 #伊勢谷友介 #山下リオ #ジン・デヨン #映像のコントラスト #考えさせられる映画 #無機質と温かみ #時間を巻き戻す謎 #復讐のループ #映画レビュー
伊勢谷友介が復帰一本目で何度も殺される禊
自分の読解力のなさで、最後の投げられた感は余韻とはならなかった。んだけども、特に中盤からのオフビート加減が面白くて、ループ物でもまだまだ引き出しがあるなあと思った。分かんなくても面白いって良いよね。
若葉竜也が出てる作品は間違いないんだけど、伊勢谷友介の佇まいが良かったなあ。復帰一本目で何度も殺されるという謎の禊。銃を正面から食らうか後ろから食らうかというとことか…伊勢谷友介視点が提示されてから一気に面白くなる。復讐相手とボウリングしたりカヌー漕いだり、いつの間にかバディ物になっていく。
復讐というか殺人は包丁で刺す、首を絞める、銃を撃つとバラエティ豊か。劇伴の怖い感じも良かった。
ループものは記憶の継続がデフォだが、それでも飽きがくるというのは面白い
2024.3.25 アップリンク京都
2024年の日本映画(99分、G)
恋人の復讐のためにとある1日をループする男を描いたファンタジー映画
監督&脚本は荒木伸二
物語の舞台は、日本のとある街(ロケ地は千葉県茂原市)
恋人・唯(山下リオ)と一緒に暮らしている岩森淳(若葉竜也)は、昼は植物プラントで働き、家では趣味の工作に明け暮れていた
ある年の6月6日の朝、岩森が目覚めると、唯はすでに出かける準備をしていて、彼は「今日はここにいてほしい」と唯の手を握りしめた
だが、彼女はそっと彼の手を解き、そのままスーツ姿でどこかへと向かってしまった
夕方になって、食事の用意を始めた岩森だったが、のどかな雰囲気を消し去るような激しい呼び鈴に驚いてしまう
唯が帰ってきたのかと思ってドアを開けると、そこには複数名の警官がいて、「確認してほしいことがある」と、岩森を近くの河川敷へつ連れて行った
そこは川に上がった遺体の発見現場で、岩森は被害者の確認をさせられる
遺体袋に中にいたのは、眠っているように死んでいる唯で、彼女は何者かに殺されて、川に遺棄されたと教えられた
物語は、次に岩森が「6月6日の朝」に起きるところから紡がれる
そこには唯の姿はなく、テーブルの上には見慣れない作業着がきれいに畳まれている
岩森は疑問に思うこともなくそれに着替えて、あるプラント工場へと向かった
そこでの仕事は室内栽培をしている植物の管理で、アラームが鳴ると機械をチェックするというものだった
午前の仕事を終えた岩森は、そのまま食堂に出向き、廊下を通りかかった電気工事士を見つけると、彼の行先である休憩所へと先回りをする
男(伊勢谷友介)は備え付けの自販機でコーヒーを買って工場を出るのだが、車に乗る頃にはコーヒーに盛られた何かによって、体調を崩してしまう
そして岩森は、弱った男を滅多刺しにして、その死体を袋に入れて、川へと遺棄して一日が終わるのである
映画は、この6月6日の復讐を何度も何度も繰り返す内容だが、記憶が継続するので、殺す側も殺される側も色んな対策をしていく
そして、4日目ぐらいには飽きが来て「殺さない」となるのだが、それでも「体は勝手に相手を殺しにいく」のだからタチが悪い
これらは「ある契約」によるVR体験なのだが、記憶の連続性はあっても、体のダメージは消えるので、何度も死ぬ&殺すを体験しなければいけない罰ゲームのように描かれていた
物語のテーマとしては、「復讐との向き合い方」のようなものだが、「殺しても次に生き返るから殺さない」と「殺しても復讐心は消えないから殺さない」では、導かれる感情というものは違ってくる
本作の場合だと「殺すのに飽きた」みたいな感じになっていて、7日間契約を終わらせることはできない
とは言え、VR提供組織の全容はほぼ不明で、リクエストに答えるVRという感じでもない
ラストでは、ミッション終了後に普通の世界に帰る前のご褒美というものが用意されているのだが、そこで岩森は亡き唯と再会し、その温もりにふれる体験をリクエストしていた
この一連の流れで岩森の溜飲が下がったのかはわからないが、ともかくは「ちょっと変わったループもの見たい人向け」というところは満たしていたのかな、と感じた
いずれにせよ、ループが惰性に変わって、本来の目的がどうでも良くなるという感じに変わっていくのは面白いアイデアだと思う
復讐は果たされないから募るのであって、いとも簡単に「すべてのものが用意されている状態」で相手を殺しても何も感じないだろう
所詮はVRのプログラムだとわかって契約しているのだが、実際の復讐とは程遠いもので、余計にストレスが溜まるような気がする
そういった意味において、この契約に同調したり、あったらいいなと思ってしまう人には「ペナルティがあるんだよ」と皮肉っているのかな、と感じた
6月6日はD-day
伊勢谷氏の復帰作なんで見てみた。元気でなにより慌てずゆっくり仕事選んで復帰して欲しい。
ループ物の弱点、同じ事何度も見るから少し飽きる点を、本人たちも飽きる事や、わずかな違いによるズレで上手くかわしていると思った。
ただ後半種明かし始まると美術とか、仕組みとか、理屈とか、まあそうだよね的なまとめを感じて少し冷めたかも。もっと乱暴に終わった方がカッコよかったんじゃないかなぁ。
CM、PV系の監督だから絵はカッコ良いのでそこは安心。
元々のアイデアはMONDAYSに近いかな
好きな事・やりたい事も、あくまで自由意思に基づいているから楽しいのであって義務化された途端に嫌気がさす、という、ひょっとして趣味や道楽の本質を突いている話かも。
繰り返す復讐。一言でいうと「薄味」のループもの。 そして、決して笑えない題材。しかし「復讐」を描くこだわりはない。
一言でいうと「薄味」のループもの。
ループも10回と淡泊。
ループものに対する執着が薄いのでは、と思う。
かといって、復讐の感情を描くこだわりも見えない。
復讐は愚かなことで、したとしても被害者は生き返らないし、決して心は満たされない。
相手家族による更なる復讐の連鎖につながる恐れもある。
それを知るためのプログラム…ではないらしい。
では、これは「コメディ」なのか?
犯罪被害者家族の救済、官庁の汚職?にからむ公務員の殺害は、題材としては、重すぎて笑えない。
最後の方では、愛する人を殺した相手と友情が芽生えちゃったりしてるけど。
恋人の死に対する復讐の感情が全くない。
あってもコメディにはならない、ものすごく陰惨なことで、決して数回ではあきらめきれない。
だから、何度も繰り返すプログラムなのでしょう。
俳優さんでは、伊勢谷友介の力の抜け具合が良かったです。
さて、近年公開されたループものの傑作は、会社を舞台に一週間を繰り返す「MONDAYS」、温泉旅館を舞台に2分を繰り返す「リバー、流れないでよ」の2作が邦画コメディでは秀逸!
シリアスな青春映画で、めちゃくちゃ切ない5分間を延々と繰り返す「神回」が凄かった。痛かった。心に刺さった。
邦画では、これら3本が超オススメです。
これらのループものの共通点は、とにかく同じことを繰り返し描くから、監督・脚本家の、その要素・舞台・人物への執着とこだわりが、半端ないことであると、改めて痛感しました。
バイツァダストで良いのに…
彼女を殺された男が犯人に復讐したら、その1日を繰り返す話。
何か含みを持たせて朝出かけた彼女が死体で見つかり始まって行くけれど、どれだけ経っての6月6日か判らず、この間をみせるのか?と思ったら、更に昔の出会いの話し?
そして3周目でお互い気付いた?ラジオは4周目?色々とみえないけれど、まあそういうものかとその日を繰り返し、あれ?どういうこと?からの唐突にそういう関係?
動機とかは良いので?
何だかコメディの様な感じになって来たけれど、拾わないなら余計なフリはしないで欲しい…とか思っていたら、6月8日で???
物足りなさはありつつもこれはこれで面白かったけれど、最後の最後で何だそりゃ?
自分的には7日で-0.5、8日で更に-0.5ですね。
どうでも良いけれど、車のナンバーの表示が変わる撮影の都合ってなんだろう…というところが気になった。
割と好き
上映館が少なくて、近隣だけどあまり行かない映画館に自転車で行ってきました。
午前中は用があったので、午後の2時からの上映。
25人程。
少ない…
主演の若葉竜也さん
ごめんなさい、全然知りませんでした。
華があるわけでもなく、イケメンでもないですが、良い俳優さんと思いました。
伊勢谷友介さんは翔んで埼玉の、千葉解放戦線のリーダーのイメージが強いです。
内容はなるほどって思いました。
ただ、血が多くて…
ベンアフさんのドミノに少し似ているなあ
と思いました。
終わり方が好き まとまっていて良い映画
ユーモラスな映画でした!
色んなところを削ぎ落として、ちゃんとまとまってた。やはり90分くらいの映画はこれくらいフォーカスしないと面白くならない
探そうとすれば、粗はたくさんあるけど、ちゃんと不必要なところを削ぎ落としている
死刑囚から恋人の思いを聞かされた主人公が
恋人がいる世界へループするけど、
愛情がもうなかったと気づいてから
一回で辞めてしまう
3月6日以降の
絵付近の描写から
「何もない」人間になっちゃったんだろうな
一貫して「何もない」人間が死んでく様を見せてたから
この後主人公はってのを
分かりやすく教えてくれたのが最後
(補足 恋人も死刑囚も殺される時に、生に執着しなかったのは、「何もない」から
死刑囚の場合、少し抗ったのは絵を描いてたから
主人公も命の危機の際に、生に執着してない)
そんな勝手な妄想しました
歪な日常は愉快で、爽快な終わり方(描写ではなく)
それはそれとして
リアリティはない
序盤に会話が少ないため、物語を進めてくれる面白さは少し欲しかった(ループものの1日目は大変🥲)
映画として、死刑囚の絵を見たかった(主人公の描写を見せたくなかったのかな)
フォーカスしてくれたおかげで、面白いけど
優しくはないね
最後の解釈なんて人それぞれで良いと思うけど
「最後ってこう言う意味だったのかな」
じゃなくて
「最後ってどう言う意味」
って友人が話してて
それは映画として良くない気がする
満足感があるストーリーでした
世にも奇妙なループ
当初は鑑賞予定には入れてなかったのですが、予告で興味をもち、公開2日目に鑑賞してきました。そこそこおもしろかったのですが、ラストにちょっとモヤっとしてしまい、後味はいまひとつでした。
ストーリーは、恋人の唯を殺された岩森が、犯人である溝口への復讐を企て、計画通り殺害を実行し、死体を遺棄するものの、目が覚めるとなぜか殺害実行日の朝に時間が戻ってしまい、戸惑いながらも復讐を実行する日々が繰り返されるうち、二人に奇妙な関係が芽生えるが、やがて最後の復讐の日を迎えるというもの。
タイムループものは大好きで、そこにどんな秘密が隠されているのか、ループの中でどんな変容がもたらされるのか、本作でもそのあたりがとてもおもしろかったです。星新一さんのショートショートや「世にも奇妙な物語」を観ているような雰囲気で、その手の作品が好きな方ならきっと楽しめると思います。
本作に用いられたアイデアもおもしろく、近い将来には現実に起きそうな内容だと感じます。倫理的な問題は多分にありますが、この「実際に起きそう」と思わせるアイデアやオチが、えもいわれぬ不快感や恐怖をうまくかきたてています。
また、溝口にも前回の出来事や痛みが記憶として残っているという設定は、斬新でおもしろいです。これにより次回の行動や岩森との関係に変化が生じ、興味深く展開していきます。ただ、オチがわかると、果たしてその設定は必要だったのか、逆になぜ岩森にループ前の記憶がないのかと、ちょっと疑問が残ります。
他にも、殺された唯にまつわる秘密も語られず、溝口の素性も結局わからなかったのも気になります。また、ラストの事故の意味は何だったのでしょう。自身もリアルに痛みを知ることで、アンチテーゼとして描いていたのでしょうか。まあ、このすっきりしない感じも含めて、「世にも奇妙な物語」的であったと言えなくもないです。
主演は若葉竜也さんで、しだいに狂気に染まる岩森を好演しています。脇を固めるのは、伊勢谷友介さん、山下リオさん、ジン・デヨンさんら。伊勢谷さんは久しぶりにお見かけしましたが、いい俳優さんだと思うので、これからは真面目に励んでほしいです。
タイムループ物と思って観たら・・・
伊勢谷友介の復帰第1作となった本作は、題名からするとタイムループ物でした。タイムループ物というと、最近1年に1作観ている感じで、2022年が「MONDAYS また月曜日がやってくる」、2023年が「リバー、流れないでよ」、そして2024年が本作となりましたが、前2作はいずれも好きなタイプの映画だったので、伊勢谷友介の復帰作という話題もあって本作には結構期待していました。果たしてその結果は?
まずループするスパンですが、「MONDAYS」は月曜起点の1週間のループ、「リバー」は僅か2分間のループでしたが、本作は6月6日月曜日の1日のループでした。この設定は、直近のタイムループ物との調整を図ったのでしょうか。ただ前2作との大きな違いは、その雰囲気にありました。前2作はどちらかと言うと明るい色調のお話でしたが、本作は徹底的に暗い色調で、ミステリー要素が強い作品でした。
また、何故タイムループが発生しているのかが、観客も登場人物も分からない状況でスタートするというのは、全ての作品に共通していましたが、前2作は登場人物が誰であり、彼らの置かれている状況がどんなものであるかということが観客に共有されていたのに対して、本作は主人公の淳が一体どんな状況に置かれているのか、彼は何故溝口を殺し続けなければならないのか、淳の恋人の唯の身に何が起こったのかなども、全く分からない状況でスタートする物語であり、この点も前2作と大いに異なる味付けになっていました。
そういう意味では、大いに意欲的で実験的な作品だったと言えるかと思うのですが、ではそれが成功したかと言えば、私には成功していたようには思えませんでした。その理由はと言えば、結局のところタイムループの仕掛けがちょっと反則技にしか思えなかったところにあります。
人の生き死にを扱っており、それが得体の知れない大きな力によって支配されている雰囲気が感じられた点は、「PLAN75」っぽい所もあり、それはそれで評価出来なくもないものの、一番大事なタイムループの仕掛けそのものが「レディ・プレイヤー1」で観たようなバーチャル世界のお話ということになっていて、これって夢オチと変わらないじゃないかと思った次第です。
ところで本作で3年ぶりに復帰した伊勢谷友介ですが、以前はちょっと不気味でおっかないイメージを持っていたのですが、本作では結果的にお茶目なところもあるナイスガイを演じていました。意識的にドギツイ役どころは避けたのかも知れませんが、今後の平穏なる活躍を期待しています。
そんな訳で伊勢谷友介を再びスクリーンで観られたことには満足したものの、内容的には今ひとつだったことから、本作の評価は★2.5とします。
日本のA24、木下工務店を応援してます
(種明かしにご注意) 何が何だか訳分からない映画です、はっきり言って。で、つまらない?と言われれば、そうでもなく興味をずっと引っ張る工夫はありました。だからどうなの? 面白いけどつまらない、としか言いようがありません、よくぞそんなの映画を思い付き、それを実行してしまった事が驚きですね。
若葉竜也、初?の単独主演映画を祝して、何も分からずままの鑑賞で、よけいに混乱した次第。若葉が6月6日にベッドで目覚め、大きな植物プラント工場の社員のようで、訪れた電気工事らしき伊勢谷友介扮する作業員を何故か殺し川に死体を遺棄する。この事を何度もループのように繰り返すのが本作。その上で、どうやら彼の彼女が殺害された復讐のようで、繰り返しも状況がまるで異なる摩訶不思議、さらに意識においても蓄積と言うか教育がなされ慣れ合いすら生ずる奇怪さ。
タイムマシンもそうですが、ループものも洋の東西違わずちょくちょく映画に登場するシチュエーション。タイムマシン程には暗黙の了解はないけれど、繰り返しの過程で生まれる齟齬がポイントとなるのはほぼ共通。で、本作のリピートでは殺害の時間も手順も、そこに誘導する自販機のトリックも微妙に異なるのが観客を苛つかせる。即ち従前のループものの基本を大きく逸脱しており、それは多分ワザとであってそこを見せたい意図があるのでしょうね。
その苛立ちから浮かび上がるのが包丁で伊勢谷の体をブスブスと幾度もメッタ射しにする「音」です。自らも返り血を盛大に浴び、復讐の域を大きく超えた殺戮には自らは罰せられない了解の存在を暗示し、事実誰一人として目撃者は現れない。リアルのようでこれはリアルではないわけです。実際次の6月6日には伊勢谷はピンピンしているではないですか、まるでゲームのリセットですね。ここに本作の種明かしがあるようですね。
で、ここからが問題です。リセットによって何かが浮かんで真実が顔を出しちょっとした感動ものに・・・と予測したのが間違いで、結局何? で終わってしまうのが惜しい。女の書類焼却は何? このゲームの管理者のようなメガネの男、唐突な韓国語、「イカゲーム」のような不条理を思わせつつ何もない。答えが欲しい訳ではないけれど、娯楽映画としての留飲がないのですよ。
それにしても若葉君は諸作で数多拝見してますが、相変わらずのボリューミーなロン毛で、何を演じてもこのヘアスタイルなのが違和感ありますね。応援しているのですから、役に応じて変化が欲しい。対する伊勢谷が本作の肝でしょう、例の問題後初の本格出演に拍手喝采です。流石の存在感に若葉が軽く見えてしまいます。最初は誰?状態でしたが、問題以前の過剰なギラギラ感がなくなり、薄い皮膚感覚から原石の輝きが現れたような感じです。
本作を制作・配給する木下工務店さんは、良質な映画を支える気骨があり、米国で言えば「A24」のような存在に成長しました。よくぞ本作の製作にもGOを出したもので、惜しい作品でしたが、冒険に対し惜しみなく応援をしたいものです。
アイリスの花言葉。
今年119本目(合計1,211本目/今月(2024年3月度)37本目)。
(前の作品 「ロッタちゃんと赤いじてんしゃ」、次の作品「Moonlight Club in LOVE」)
異様にネタバレ関係が厳しい作品です。一応、公式サイト、公式ツイッター等アカウントでは規制はないですが、趣旨的にネタバレになるようなことは何も書けない状況です。ただ、ここの「予告編を見る」から、お花としてのアイリスは一つキーワードになります。
アイリスは一般的にお花屋さんで見ることができますが(日本では大阪市基準だと5月くらいまで)、もともとアヤメ科の植物です。ただ、「あやめ」という場合、カキツバタなども含みうるので、「あやめ」と「アイリス」は別扱いされていることが多いです。
そしてアイリスもその由来は虹の女神に由来する通り、いろいろな花を咲かせますが、その色の多さも魅力の一つではあるものの、中には外来種で日本では「やや駆逐傾向にある種」(「やや」であり、見つけたら根こそぎに、というものではない)のお話まで登場します。ただ、全般としては花言葉という扱いであり、アイリスの花そのものが出るわけではありません。
※ この点は、花言葉そのものの知識をストレートに聞いてきた「ヴァイオレット~」と似たものがあり(登場人物の一人が「アイリス」)、同アニメを見たことがある(あるいは、アニメ版4話。いわゆる「アイリス回」といいうるもの)かどうかでも理解が変わるという、「別の作品の知識があると有利」というかわった映画です。
※ ネットフリックスでは(契約者に限り)無制限視聴可能(劇場版、アニメ版)。
一方、アイリスの花言葉それより以上にこの映画はいわゆる「ループもの」という扱いで見た方が多いと思いますが、いわゆる「脱出経路」を探す中にあたって「一度しか出ないハズレルート」が妙に多いので、一度しか出ないところも多々でます。このあたりは好き好み分かれるかな…といったところです。
そして、「同意します・同意しません」が指すもの(予告編参照のこと)が「何を意味するか」についてはネタバレなのだろうと思います。
70分ほどでさくっとみられる作品としてはおすすめ以上といったところです。
アイリスの花言葉については知っていると明確に有利かなといったところです。
採点に関しては以下を考慮しました。
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(減点0.3/民法90条と119条に関する考察が雑) ※ ネタバレ回避のため条文番号でのみ記載
民法90条により無効になる行為は、119条の適用はありません(絶対的無効行為)。
(減点0.1/民法93条に対する考察が雑)
93条による意思表示は、善意の第三者に対抗できません(善意でありさえすればよく、無過失かどうかは問われない)。
※ どちらもネタバレ回避の観点からさくっと書いていますが、一部憲法論と絡む論点に飛ぶ映画でもあり、どうなんだろう…といったところですが、公法論(憲法行政法論)で書くとネタバレどころの話ではありませんので、そこはさくっと省略しています(Plan75のように、それについて触れないとレビュー不能という作品は除く)。
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わたしは好きですよこの映画
機種変して映画.comなかなかログイン出来なくてようやくログイン😭✨良かったー!
大好きな若葉竜也君を存分に楽しめる映画
邦画ですが、海外の方にウケそうな予感
怖い映画だと思いましたが結構笑えます
最後は評価分かれると思いますが、私は好きです☺️
「6月6日6時」
「いってらっしゃい」と送り出した朝、彼女ユイがその日の夜、川で殺されてるのが見つかる…残された岩森淳の話。
唯を殺した素性不明なオトコ溝口に復讐をしようと計画…、実行し殺すも翌日になると、殺しを計画した6月6日AM6時に目覚める…。
正直期待してなかったんだけど普通に面白かった。殺しを計画した6月6日6時の繰り返しなんだけど、何が面白いって殺された側の溝口にも殺された自覚と痛みが残りで、最初は必死に殺そうとする奴と逃げる奴って感じなんだけど、徐々にこの二人の距離が縮まっていき最終的には「殺すよ!いい?」、「OK!」みたいなノリになってきちゃって(笑)
結構観てると笑えちゃいました。
上映時間も約100分と観やすく楽しめた。
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