「3時間は長くない」ボーはおそれている yanpakenさんの映画レビュー(感想・評価)
3時間は長くない
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マスコミの映画評ではそれほどでもなかったけど、ホラーを見たかったので、あまり期待せずに見たら予想外にパンクな感じで面白かった。現実なのか夢なのかよくわからないような光景が多いが、それが面白い。それぞれの細部がよくできているので、ストーリーを忘れてそれぞれの場面がすごく面白かった。
映像だけではなく、音楽や効果音もとてもよかった。目をそむけるような衝撃的な場面があるわけでもないが、怖がらせる演出の中にユーモアや余裕がある。遊園地のジェットコースターみたいな感じで、安心して怖がれる感じで、楽しい。
だけど、成功した実業家の息子がなぜスラム街に住んでいるのか?勘当されたわけではなく、母親と普通に電話しているので、そこが気になった。優柔不断の性格なので、母親から快く思われていないのはわかるが、普通のところに住めばいいのに、よりによって無法地帯に住んでいる理由がよくわからなかった。でも、理由は多分、単純で、「その方が面白いから」。実際、その無法地帯は秩序が崩壊してしまった近未来の都市みたいで、すごく面白かった。森の中で暮らす劇団も世界核戦争で生き残った人たちのような感じで、近未来SFみたいで面白かった。
サスペンス+ホラー+SF+ファンタジー+お笑いと言ってしまえば身も蓋もないが、細部に凝っているので、何度も見たくなる映画だと思う。チープな感じを意図的に出しているところもあるが、それは演出なので、面白い。私としては屋根裏の父親のシーンが最高だった。なぜ、屋根裏にいるのか?理由は簡単で、「その方が面白いから」。よくこんなシーン考えるなあと感心した。
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