「最後の裁きの場合」ボーはおそれている Masatoshi Matsumotoさんの映画レビュー(感想・評価)
最後の裁きの場合
クリックして本文を読む
これは結局のところ最後の妄想シーンで、ボー自体、自分が母親を殺めてしまったことの後悔があの妄想を呼び、自殺に至ったのだろう。でないと、いきなり池でボートを出して裁きの場に行こうとしたとは思えないし、そこが死者の集まった場所とするならば、あのカウンセラーの姿もあったからだ。あの場には、彼がこれまで母親との絡みで接してきた全ての人がいたと考えるのが妥当なんだろうな。
そしてボートが転覆してボーは水の中に。この映画の冒頭は、ボーが堕胎で外に出てくるところから始まるが、それがまた母親の胎内に戻っていくように確かに捉えることができる。その転覆といえば、ボートの転覆は、ボーがカウンセラーのところに行った帰り、屋台でさまざまなものを売っているが、その中で水槽の中でおもちゃのボートが転覆するが、確かにあのシーンは最終のシーンの暗示なんだろうな。
昨日、今日と立て続けに見てしまったが、もちろん上のような考察は面白いが、アリアスター監督の作品は、一回だけ見て、自分の胸の内で色々と考える方が本当はいいのかもしれないと感じてもいる。今年のベストに入る作品と言ってもいいように思う。
コメントする