「ママ、気がへんになりそうです。」ボーはおそれている 23さんの映画レビュー(感想・評価)
ママ、気がへんになりそうです。
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かなり攻めた構成で万人受けからは程遠い。
そして難解で解釈も複数できるだろう。
序盤でカウンセラーが話す共存する感情。
ボーが持つそれらの感情を終始描いているか。
母親に生きていてほしいけど死んでほしい。
会いに行きたいけど行きたくない。
そんな矛盾するように見えるが共存する気持ちがボーの見る世界には常に顕現している。
ボーにとっては鍵を盗まれたのも、殺人鬼に追われたのも、ペンキを飲む子供を助けようとしたのも、母を愛していることも現実である。
言い訳のための自己正当化なのか、本当に起きている出来事なのかを知る術は観客には無い。
メメントのように共存し相反する視点を対照的に描くのではなく、キュビズムのように一つの流れを途切らせず物語が進む。
本来一つの視点からは見ることのできないものを、無理やり一つの視点から見させられる歪さは他では味わえない。
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