「私なら絶対に許さない」青いカフタンの仕立て屋 maduさんの映画レビュー(感想・評価)
私なら絶対に許さない
イスラム圏のモロッコでこうゆう同性愛の映画が作られて、質の良い人間ドラマと映像となっているのがすごいことではあると思うのだけど
同性愛である夫の葛藤を妻が許し包んでくれるとゆう、話なのが、なんとも座り心地が悪い気持ちになってしまう。
夫を、人として尊敬し、愛してるのに、女として求められない悲しみを抱えてるシーンもあるし、従業員として雇った青年との恋に揺れる夫を見て、青年に嫉妬し嫌がらせしてるシーンもある。
ミナは完全に傷ついてる。しかも、手の施しようのない病によってゆっくり死に近づいてる状態での夫の、
この行動。私なら絶対に許さない。
異性愛とか同性愛関係なくこんな状態で人生のパートナーだった人が、自分より若く美しい人間に心も体も惹かれいるなんて。
結局女性が全ての苦しみを飲み込み許すことが美しく回収されていくことに苦痛を感じる話だった。
もちろんモロッコで同性愛が容易にカミングアウトすることができないであろうことも分かってはいるが、
悲しみの皺寄せが全てミナに集約されて死んでいったあと残った2人はミナは素晴らしい女性だった言ってお終いなの、けっこうキツい。
あと、客が嫌なやつだったとしても
オーダーメイドで仕立てた服を、冥土の土産にしてしまうなんて…職人としてどうなのか。プロ意識なさすぎてすごく萎えた。
ので、映画としてはかなりモヤるが
モロッコの庶民生活の姿が美しく描かれてるし、モロッコの公衆浴場のシーンも文化的に興味深いし、建物の装飾や街並みを観るのも楽しい。
3人が窓際でダンスするとこやミナがミカンを食べる姿、カフタンを仕立てていく手元や、糸を紡ぐ仕草、布の美しさなどたくさんの美しいシーンがあった。
イスラム圏のモロッコでも同性愛の人々が普通いるとゆう描写もすごく革新的だと思う。
同性愛を否定しようが、同性愛者や性的マイノリティの人が存在しているし、消えてなくなったりしない。
同性愛を否定する人は、この映画のハリムの様に社会の中で、同性愛者を隠して生きる苦しみを、観てほしい。
映画館で鑑賞