「驚きの結末。そこだけでも観る価値あり。」ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻 あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
驚きの結末。そこだけでも観る価値あり。
イギリスのわらべうたに「一番離婚、二番斬首、三番死亡、四番離婚、五番斬首、六番生存」というものがあるそうだ。これはヘンリー8世の6人の妻のたどった運命をあらわしたもの。この映画は唯一無傷で夫を見送った六番目の王妃キャサリンの姿を描いた。原題の「Fire brand」は「たいまつを掲げ先頭にたつもの」といったニュアンス。映画紹介ではキャサリン妃がプロテスタントであったかのごとく書いてしまっているものもあるが、まだこの時代のイギリスではルター派にしてもカルヴァン派にしても異端扱いなので、プロテスタントに対しある程度の理解と共感を示していたというべきだろう。ただ宗教や王権の不寛容を緩和する流れにある程度貢献したのでこのようなタイトルがついているのだと思う。継子であるエドワード(6世)とエリザベス(1世)を手元で撫育したことで尊敬されている人だそうである。
さて映画は最初のアン・アスキューとのくだりのあたりが長々しくついうとうとしてしまった。近年のリアルに寄せたコスチュームプレイは画面も暗いしセリフも劇伴も抑え気味なのでなかなか乗れないところはあるよね。
でも後半、ヘンリーとの死闘、というかサヴァイバル合戦になってからは実に見応えがあった。アリシア・ビカンダーとジュード・ロウともに好演です。そして驚きの結末。こういう形で決着がつくとは!歴史としても新解釈ということになるのでは?一応、原作というかベースとなる本はあるらしいので英国本国では予想していた人もいるかも知れないが、日本人としてはね。ちょっとびっくりしました。
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