劇場公開日 2023年12月22日

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PERFECT DAYSのレビュー・感想・評価

全780件中、21~40件目を表示

4.0誰にでも、人生

2025年9月8日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

あなたにとって、取るに足らない人にも、豊かな人生がある。
端々にいる人や場所に焦点を当てて、そのように思わせてくれる作品でした。

男の過去に何があったのかは、はっきりとは描かれません。
しかしカセットテープや、紙の本など、アナログな物を愛し、銭湯や浅草の地下街などの、時代に取り残されたような場所を好む男の嗜好から、早い段階で敷かれたレールから外れた教養の高い男性だと捉えることができます。
それは、チラリと登場する社会的地位の高そうな妹の発言からも窺うことができます。
しかしどんなレベルの生活を送っていようとも、結局のところ人間は根本的には孤独で、木漏れ日のように儚い人生を送るものではないでしょうか。
木漏れ日のように、時と場所が少し重なりあって、その時にちょっとだけ人生が交差する。
ちょっとだけ、人のことを愛しいなぁ、街の風景を見る目が変わるなぁと思わせてくれる映画でした。

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rex

3.5個人的には苦手な分野だが

2025年9月2日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

知的

癒される

個人的には苦手な分野の映画だが、役所広司の演技は安定の素晴らしさで、自然とこの作品の世界観に引き込まれていった。
それは当然監督の手腕によるところが大きく、並の監督がこの類いの映画を作ったとしたなら、私は最後まで観ることが出来なかっただろうと思う。
そして、なんと言ってもラストの音楽と役所広司の表情が素晴らしかった。

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しろさん

5.0芸術性の高い作品

2025年8月30日
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鑑賞方法:VOD

知的

斬新

癒される

大人はこの映画を観て共感できる部分が多いと思います。
しかし、ほとんどの若者がこの映画を退屈に感じるはずです。
でも、それが人生なのだと思います。
大人と若者は生きている時間軸が違うのだと思います。
「今夜が勝負!」、「今度っていつ?」、若者は未来を想像して生きていますが、大人は今を大事にしています。
年を取ると人に必要とされることが、とてもうれしく思います。
この映画の主人公も人の役に立っていることが生きがいになっているのだと思います。
主人公が使っていたフィルムカメラはオリンパスμでした。
私が若い頃に開発に携わっていたカメラです。
今も世界のどこかで使ってくれている人がいれば、この上ない喜びです。

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KAZddo

3.0通好み

2025年8月13日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

話題になってたから観たけど、個人的には観なくて良い作品だった。自分のような薄っぺらい映画鑑賞者には物足りない。
ドイツの監督の方が日本を美化してくれるのはありがたいけど、逆に日本人が誤解されそう。
さすがにあんな人いないと思う。
評価:3.1

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bigsuke

3.5「よもぎ蒸しのように、静かに心を整えてくれる映画」

2025年8月6日
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日々の喧騒や情報に追われる毎日。そんな中でこの映画は、まるで自分をゆっくり整える“よもぎ蒸し”のような存在でした。

ヴィム・ヴェンダース監督の『PERFECT DAYS』は、主人公・平山の日常を淡々と映し出します。でもその“淡々”が、どこか心地よい。無駄を削ぎ落とした生活に、逆に豊かさを感じるのはなぜでしょう。

静かな映像、最小限の会話、流れるような編集——。すべてが絶妙で、観終わった後には心がすーっと軽くなる。まるでよもぎの香りに包まれながら、ゆっくりと汗を流したあとのような、デトックス感がありました。

エンタメに疲れた大人たちにこそ観てほしい1本。
スマホを手放して、心を温める90分を、ぜひ。

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林文臣

0.5良さがわからない

2025年8月6日
スマートフォンから投稿

こういう淡々とした日常の中の映画って他にもたくさんある。
この人にも色々あるんだなと感じさせるシーンもつきものだ。
何が違うかと言えばドイツ人が監督だということだと思うけど、それは観客には関係ないと思う。
しかも、特段の出来事はちゃんと用意されていて起きていて、逆にリアルな感じもなく、悪い意味であぁやっぱり映画だもんなと思わされる。
東京ロードムービーという視点は納得できる。

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growingfrom

3.5諸行無常もFeelingGood

2025年8月1日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

幸せ

同じ場所で木漏れ日を眺めても毎日違う。
ちょっとした変化や出会いにクスッと微笑む平山さんを見てるだけで、少し幸せな気分になりました。
「誰かの為に」丹念なトイレ掃除をしながらもアニマルズ、バディスミス、ヴェルヴェッツ、ストーンズ、ルーリード、オーティスレディングなどクラシックロックの名曲と文学に囲まれたアナログで文化的な日々に新鮮な魅力を感じるZ世代になんか嬉しくなりました。人生色々ありますが、泣きながらFeelingGood♪は沁みますね。
東京トイレ×役所広司× ヴィム ヴェンダース
奇跡のケミストリーが産んだ秀作!

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映爺

2.0退屈な日常

2025年7月30日
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鑑賞方法:VOD

評価が高かったから期待したのですが、退屈な日常過ぎてつまらなかったです☆

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hide1095

3.5日常

2025年7月26日
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笑える

楽しい

知的

1人の人生ドキュメント

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syoya

4.0物語は、平山のシンプルな生活を淡々と追いかけます。毎朝決まった時間...

2025年7月21日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

幸せ

癒される

物語は、平山のシンプルな生活を淡々と追いかけます。毎朝決まった時間に起き、トイレの清掃に励み、休憩時間には古本を読み、音楽を聴き、木々の写真を撮る。そんな繰り返しの中に、彼の小さな喜びが散りばめられています。ルーティンの一つ一つが丁寧に描かれ、まるで彼の心の平穏を映し出すよう。渋谷の喧騒の中で、公共トイレという地味な場所が舞台なのに、そこに美しさがあることに気づかされます。ベンダース監督は、渋谷の街並みや「THE TOKYO TOILET プロジェクト」のモダンなトイレを背景に、日常の尊さを浮かび上がらせます。

特に心に残ったのは、平山の生活を通じて見せる「小さな喜びの積み重ねが幸せ」というテーマです。古いカセットテープで音楽を聴き、木の葉の揺れを愛でる彼の姿に、人生の豊かさを感じました。

そして、クライマックスの運転中のシーン。平山が涙を流しながら車を走らせる場面は、胸を打ちます。それまで感情を抑えていた彼の内面が、初めて溢れ出す瞬間です。穏やかな日常と心の奥底の複雑な感情が交錯し、喜びと悲しみが共存する人間らしさが伝わってきます。このシーンで流れる「Feeling Good」の明るいメロディと歌詞が、平山の涙と対比され、彼の人生が「完璧」でありつつも完全ではないことを示唆します。家族との過去や孤独、そして日常の美しさと儚さが、涙を通じて一気に表現されていました。

この映画は、派手な展開や劇的な事件はなく、静かな時間が流れます。それでも、平山の小さな動作や表情、渋谷の街の風景、音楽の調べが心に深く響きます。日常の中に潜む美しさや、人生の喜びと切なさを改めて考えさせられました。50代の私にとって、平山の生き方はどこか共感できるものがありました。日々の繰り返しの中で、自分なりの幸せを見つけることの大切さを教えてくれる作品です。

観終わった後、ふと木々の揺れる音に耳を傾けてしまいました。『PERFECT DAYS』は、そんな風に日常を少し違った目で見つめ直させてくれる、素晴らしい映画でした。

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ひろかん

4.5タイトルに込められた深い意味

2025年7月5日
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鑑賞方法:VOD

第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されたことで有名になりましたが、いままで見ていませんでした。

いやぁ、カンヌに出るだけの事はありますね。っていうか、間違いなくアカデミーでは無く、カンヌの作品だなと思いました。

タイトルの『PERFECT DAYS』ですが、どこをもってして“完璧な日”と考えればいいんでしょうかね?何事も無く平凡に過ぎていく日常が良いのか、あるいは、波瀾万丈な色々巻き起こる日が良いのか。なんか、この作品では、どちらも“完璧な日”と言っているような気がしました。

気になったのは、主人公の平山に関する説明が全く無い事。そう言う意味では、出演しているそれぞれの人物についての説明がほぼないんですけどね。まぁ、普通の日常ってそう言うものですかね。とはいえ、終盤、平山に関してはちょっとだけ何やら彼の事が仄めかされます。あくまでも仄めかしですが、それはそれで、なぜ彼がトイレ掃除をやっているのかという謎も付いてきます。

いやぁ、しかし、この平山は役所広司以外では成立しなかったんでしょうね。渡辺謙とか、真田広之とか、他にもできそうな俳優が思い浮かばないわけでは無いですが、それでも、その二人はちょっと圧が強すぎますからね。役所広司ほどの力を抜いた感じが出せないかもしれません。

なかなか面白かったです。

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勝手に評論家

3.5ラストカットの解釈を

2025年7月3日
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鑑賞方法:映画館

観賞後15分経過。喜びととるのか悲しみととるのかで悶々がとまりません。

ストーリーとは関係ないが、見慣れた街、見慣れた役者に反応してしまう自分が面白かった。普段見てる外国映画め何気ないシーンは現地の人からしたらこんな感じなんだろうと感心しきり。
脚本的にもそれはあり、日本人にはバグの代わりになる行為がないことに悩んでみたり。

淡々と孤独な生活をこんなふうになりなたくないと下げるコメントを見かけますが、賛同されるコメントもあるので同じような生活をしている自分としては励まされるという副産物をいただきました。🙏

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ジャム太

4.5おじさん定点観測

2025年6月23日
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幸せ

癒される

変わり映えのないようで
当たり前のようで
それでいて実は
何よりもかけがえのない日々

今を生きる男ひとりにフォーカスし
朝目覚め
歯を磨き
植物に水をやり
缶コーヒーを飲み
仕事をし
銭湯に入り
いつもの居酒屋で一杯やり
寝落ちするまで本を読む

このなんて事ないルーティンを何度も何度も繰り返す
でもこれが心地よく、懐かしく、それでいて愛おしい
劇的なドラマがあるわけでもスリリングな毎日でもない
でもここには間違いなく、愛すべき日々がある

また忘れた頃に、ふと売店にでも立ち寄るようにこの映画をまた見たい
その時に得た感情を糧に、また日々を生きていけると思う
本当の豊かさに立ち返ることができる

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ジョイ☮ JOY86式。

4.0人間という生き物そのもの

2025年6月22日
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鑑賞方法:映画館

何気ない日常の何気ないルーティーン。少し楽しかったり嬉しかったに困ったり、でもブレずに毎日を過ごしていく。人の人生はいろいろだけど、人間という生き物の生き方の正しい生き方かもしれない。欲をかかずに淡々と生を全うする。なかなかできない。。。。。

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hiro

2.5私にはそんなに

2025年5月29日
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何か違和感ばかり感じました
金なさそうなのに しょっちゅう居酒屋 銭湯 いけないんでわ
役所工事と音楽はよかった カセットテープっていうのもいいね
ちょっと前に見た役所工事の
素晴らしき世界の方が断然よかったかな
こぢちのほうが役所工事も生きてた

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まるまるまるね

5.0日本人が日本人であることとは?

2025年5月20日
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鑑賞方法:VOD

perfect days
2023年 日独合作
ヴィム・ヴェンダース監督

淡々とした日常、ストーリーがないようであるような超薄味
それでも、観終わった満足感はずっしりとありました

日本人が日本人であることとは?
それがテーマのように思えました

判で押したような日々の繰り返し、誰も見ていなくとも仕事の責任を満足できるまで果たす平山
登場する若い世代の男女も日本人だけども、これから日本人になろうとしています
平山だって日本人だけども、いつの頃からか、日本人になったのでしょう
日本に生まれたから、はじめから日本人になれる訳じゃない
両親が日本人だからそれだけで日本人になれるわけじゃない
日本人という存在になろうとして、初めて日本人なれるのだということを本作は言いたいのだと思いました

公衆トイレのクリーンさ
大都市なのに静かさがある
公衆トイレのクリーンさを守るために真面目に仕事をする人がいる
本作には、クラクションも盛んに聞こえず大声で話す人々もいません
日本人には当たり前過ぎて気付きもしません

本作はただ普通無意識にそれを撮ったようにみえます
でもインバウンド観光客が語る日本の印象に、クリーンさ、静かさを語ることがとても多いようです
監督の目にも奇異に見えています
だからそれを撮っています
それはどうしてそうなのか?
それが本作なのだと思います

平山は衣食住すべてにミニマムな生活です
なのに彼は満ち足りています
なぜ独り暮らしなのか?
訳ありのようです
なぜ高い教育のある人間と思われるのに、今の生活に甘んじているのかは語れません

もっとより良い生活への意欲を失っている?
人生に諦めている?
外国人にはそう見える人が多いでしょう
でも日本人にはそうではないと普通に思えます
自分を律して自分の責任を果たすそれだけの毎日で必要十分

でもそれなら何故平山は泣くのでしょうか?
今の生活が屈辱だから?
そうではないことは彼の生活から分かります
平山の語られない訳ありの理由が彼の涙の理由なのだろうと思えました

低賃金なのだから、それに見合う適当な仕事で十分
しかし日本人はそうは考えません

だからと言って日本人が全員平山のような人間ではないのも当然です
それでも平山のような人間が数多く集まっているから、東京はこのように成り立っているのだと、そのことを説明しようとしているように思えました

今度は今度
今は今

(過去は過去)
(欲を求めればきりがない)

平山の過去は語られません
居酒屋のママの元夫のお話はそのヒントだったのかも知れません
影と影が重なって濃くならない訳が無い
少なくとも平山は自分を影と思っているようです

それでも与えられた責任は確実に果たす

アヤは平山から少し学んだようです
家出して来たニコは平山から日本人になるとはどういうことかを懸命に学ぼうとしています

タダシは知的障害のある少年に優しくできる良い面を持っていますが、日本人にはまだまだ、なっていないようです
もう少し時間がかかるようです

ラストの朝日に向けてバンを走らせる平山の笑顔
今日も自分の役割を果たすぞという満ち足りた泣き笑いの顔です
社会に関係して貢献する喜びです
自分は、決して影じゃない
より良い社会は自分を律する生活から始まる
それが結論のラストシーンであったと思いました

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あき240

4.0外国人監督が撮った「邦画」

2025年5月19日
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鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

幸せ

渋谷の公衆トイレの刷新プロジェクト「THE TOKYO TOILET」をモチーフにした映画。このプロジェクトについては何度か報道も目にしており、いかにも「日本らしい」取り組みだと感じていた。映画はその「日本らしさ」、とりわけ「TOKYO」らしさが上手く詰め込まれている。近代的で華やかで賑やかな大都会の隙間にある庶民的な下町・銭湯・古アパート。ハイテクな公衆トイレの側にある穏やかな日常、そういった一見相反する性質のものが器用にミックスされている様子がよく表れている。この映画に限らず、多くの映画や写真などでも表されるものでもあるが、だからこそやはりそれが「TOKYO」なのだろう。

ストーリーは小さな起伏がありながらも淡々とした主人公の日常を淡々と描いている。
その雰囲気はもはや「邦画」であり、監督の感性が日本に合っているというのが窺える。
ストーリーの起伏が小さいながらも画面に見入ってしまうのはやはり主人公を演じる役所広司の力量が大きい。ちょっとしたしぐさ・表情がその人物の感情の些細な起伏を表す。トイレ清掃の様子・部屋の佇まい等々、彼の性格を表現する設定は随所にありよく練られているが、それ以上に役所広司の存在が役を雄弁に語るのである。
物語としては小さな起伏の詳細が「雰囲気」で伝えている感もあり、それに関しての感動はないが、見終わったあと「一人の人間を見た」実感が残る。
(ただ、そういう「役所広司ショー」と言う意味では「すばらしき世界」の方がより優れていると思う)

他の役者さんについても地に足の着いた実力のある役者が揃っている。
(石川さゆりと田中泯は本来の才能が生かされた役)
特筆したいのはアオイヤマダ。この人は本業はパフォーマーとのことだが物凄く存在感がある。また、役柄としても「ド派手でガールズバーで働く女の子が案外良い子」というのもなんだか「TOKYO」らしくて良いと思う。

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yco

1.5淡々と淡々と

2025年5月5日
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悪友の2023ベスト映画で「本当に何も起こらないけどそれがいい。ラストの役所広司の顔のアップがいい」とのこと。
何も起こらないと聞かされているがゆえに1年以上食指が動かずようやく鑑賞。

良く言えば現代の雨ニモマケズ。
悪く言えばヤマなし意味なしオチなし。
あまりにも話をしないから口が聞けないのかと思ってしまったぐらい喋らない役所広司。
トイレのパターンと浅草あたりの飲み屋の紹介のようでもあり、TOKYO下町ガイドのよう。
話になんの進展もないから感想としては以上。
もっと尺が短くても成立すると思う。

この中の役所広司のように質素で無欲な生活を美徳とすると、この30年成長しないニッポンを肯定しているようで氷河期世代としてはなんか嫌。

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ニック

4.0きれいでした

2025年5月5日
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月並みですが。絵も音も。この映画の良さを、ほんの少ししか理解できていないと思いながら、世で高く評価され、いいと思う人が多くて、うれしくなりました。

東京の街をこれだけきれいに撮った作品を知りません。最後に「こもれび」とあってハッとしましたが、東京はこもれびが多い街だと思います。人工的に見えることも多いけど、住宅街では意外なほどホッとする。街に休息を与えてくれていると思います。

作り手は、何を思ってこの職業を取り上げ、こんなに個性的でキレイな公衆トイレを舞台に選んだのか。東京のトイレは多くがどこも美しい。中には、トイレをアートにしてしまってる街もあるくらい。でもそれを支える人は当然いるわけで、過度に感謝する必要はないけど、忘れてはいけない。エッセンシャルワーカーという言葉の一角に含まれるのだろうけど、どこか機械のように扱ってしまっていないだろうか。みんなに生活があり、人生がある。

なんと単調な生活、自分なら耐えられないだろうと息苦しさを覚えつつ、単調な仕事を高いクオリティでやり遂げる崇高さをうらやましくも感じた。

無口で人付き合いも下手。それでもいいじゃん、つながりってよく言われる世の中だけど、つながるかどうかはその人次第で。そんな人たち、この東京にいっぱい住んでる。淡々と生きることの素晴らしさ、どこが悪い。
そういう意味の勇気をもらう作品でもありました。登場する音楽に通じていればもっと楽しめるのでしょうが。

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おかゆ

4.0シンプルで美しい世界

2025年5月5日
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まず思い浮かんだのは、世捨て人。
世捨て人になり切れない人の人生。
毎日同じことの繰り返し、余計な感情は不要で
穏やかな完璧で美しい世界。
しかし現代社会で人間同士関わりを持たずに生きて行くことは不可能であり、ちょっとした変化で崩れていく世界。
何かのきっかけで、しまい込んでいた思いが溢れ出てしまう、期待して失望して心が締め付けられる思い。何のために生きているのだろうと虚無感に襲われる。
けれども、役所広司演じる世捨て人のような生き方が出来たら、見える景色も違うのだろうか。
羨ましくもあり、なりたくないとも思う。
けれどその景色はやはり美しいのだろう。

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まーさん嫁
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