PERFECT DAYSのレビュー・感想・評価
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役所広司さん主演の素晴らしい人間ドラマでした。ストーリーはドラマチ...
役所広司さん主演の素晴らしい人間ドラマでした。ストーリーはドラマチックな展開が殆ど無く淡々と進んでいくのですが、人間にとっての幸せとは何かを私たちに投げかけてくるように感じました。無口な主人公ですが表情や何気ない行動で訴えかける役所さんは本当に上手い役者さんですね。カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞したのも納得です。バックで流れるパティスミスやルーリードなどの音楽も大変効果的でした。
さすが役所広司さん
人にはそれぞれ自分の世界があり、どんな人でもそれは一瞬で一期一会で、大切なもの。
物語に大きなできごとがある訳ではないのですが、トイレ掃除を仕事とする人の暮らしと日々の機微を綴った作品。
なのですが、さすが役所広司さんです。全く飽きさせることもなくストーリーは過ぎていきます。
三浦友和さんとの影踏み、良かったです。
あとは、さすが!の方のもう1人…田中泯さんの存在感がすごいなぁと思いました。
それから、家出してた姪っ子ちゃんが連れ戻される時の、HUGのシーンはうるっときました。
年末にいい映画を観せてもらいました。
人生の折り返しから先
トイレ清掃員の毎日を描いた映画。日々小さく大きくアクシデントは有るが、基本は判で押したような毎日で何も変わらない。Perfect daysの積み重ねはPerfect lifeにあらず。
見ているだけで感じる、考える、伝わるものがある。
大人の陰踏み、郷愁を誘う。
穏やかそうで複雑な普通の人の人生の機微を、鮮やかに描いた傑作
毎日を淡々と過ごす、また同じような日々が過ぎていく一週間、特別な出来事なんて無い、大多数の人が何となく日々を生きている、という印象を抱くが、人と積極的に関わらずに生活しているこの主人公でさえ、毎日いろいろな事を考え、感じて生きている事がスクリーンを通して理解出来る。人間は常に考えているのだから、ちょっとしたことに楽しみを覚えたり、嬉しくなったりするものだ。トイレ清掃という仕事のプロフェッショナルであるこの主人公を通して、普通の人の生態を鮮やかに描いていると感じた。とてもセリフが少ないのに、理解出来る、説得力があるシーンが多い。なんだか、共感できるのだ。
主人公ヒラヤマの見ている夢のような幻のような映像が度々映し出されるが、凄くヴィム・ヴェンダースぽい。そしてほんの少し、ヒラヤマと言葉を交わす人達が出てくるのだか、その交錯の仕方もそう、ベルリン天使の詩や、数々のロードムービーを思い出していた。なんだか嬉しくなってしまう。ヒラヤマが1人、笑みを浮かべるその表情に胸が温かくなった。これは名作です。
凄いと思ったのが田中泯を配置していたこと。まさに踊っていて、その佇まいが、ヒラヤマだけが見えている人なのかも?と思わせるその演出に唸ってしまった。
永遠を思わせる作品
キルケゴールの『反復』を想起せしめる見事な映像詩だ。現代に生きる我々は生の倦怠を抱いている、刻一刻と過ぎ行く時の中で幾度も死を経験するがごとき倦怠だ。しかし、「平山さん」はかかる生の倦怠を抱かない、なぜであるか?彼は刹那に刻印されたるところの永遠を生きているからだ。彼は我々とは異なる時間を生きている。瞬間は永遠のアトムにして時間の断片に非ず、とはキルケゴールが「不安の概念」において記した言葉であるが、役所広司演じる平山は「永遠の戯画なる瞬間」、即ち「永遠の現在」を生きる。それは刹那にして過ぎ行くもの、もはや二度とは訪れぬ永遠のアトムである。彼は幾度も新しき生に甦るのだ。
「今を生きよう」と思った。ああ!何と素晴らしい映画!平山さんのように生きられたならば、一刻一刹那に刻印されたる永遠に触れ得たならば!
何度でも、何度でも繰り返し味わいたい作品です。まだ、ご覧になっていない方に是非ともお薦めしたい。ヴィムヴェンダースと役所広司、奇跡のタッグだ!
東京に天使が降りた。
完璧過ぎ!!!もしも”役所広司”が、トイレ清掃員だったら?
auマンデー『PERFECT DAYS』
日本俳優界の至宝・役所広司さんが、カンヌ国際映画祭で、最優秀男優賞受賞って事で注目の作品!
事前情報で、シネコンの一番大きいシアターよりミニシアター系の作風ってのは分かってましたし・・・
本来なら1時間くらいが適度な尺じゃないの!?退屈で寝落ちするかもって不安もありながら鑑賞
マーベルのWhat If...?じゃないですが、もしも”役所広司”が、トイレ清掃員だったら?
役所さんの所作だけで、画面から言葉が伝わって来る凄さに脱帽です!!!
雰囲気や情景は数年前の『すばらしき世界』と似た感じですが、2023年ながら平山の日常は敢えて昭和で止まってる。。。
無口なトイレ清掃員・平山の朝起きて仕事して休憩しながら趣味楽しんで、また仕事して風呂入って飯食って寝る繰り返し・・・
スカイツリーのすぐ近くに、まだあんな場所あるんですね。
家賃や駐車場代ナンボなんやろ!?鍵閉めな行く大丈夫なのか!?元は御曹司か!?と気になる気になるww
で、出勤時に車で聴くカセットテープから流れる曲のチョイスが最高♫
姪っ子とのエピソードも良かったですが、石川さゆりをあの役で起用するのは反則!!
外国人監督ですよねこの作品の監督さん@@!
他にも台詞もなく、画面に小さくしか映らない有名人を見つけるのも面白いかも^^!
ただ日本のトイレが諸外国より綺麗って言っても、もう少し汚れているのを綺麗にする描写があって良かったかも・・・
どのトイレも有名百貨店のトイレレベルで、綺麗なところを更に綺麗にするって感じが、リアルなのかと言われればリアルじゃない気はした。
いやいやそんな事気にせず、俳優・役所広司を観る作品って事でオススメです!
で、平山の愛車がダイハツ・・・今回のダイハツ社のやらかした事の残念さに拍車がかかる。
タイトルなし(ネタバレ)
スカイツリーがみえる老朽アパートで独り暮らす初老の平山(役所広司)。
早朝に起床し、若いころから好きな音楽のテープを聴きながら軽自動車で渋谷区内の公衆トイレの清掃に向かう。
時折相棒になる若いタカシ(柄本時生)は軽佻な雰囲気。
清掃もおざなりで平山としては「いまどきの若い者は・・・」といった気持ちがないわけではないが、割り切っているのかそれほど気にもならない。
仕事が終われば、自転車に乗り換えて銭湯の一番風呂に入り、浅草の古い地下街のなじみの一杯飲み屋で酎ハイと一品で食事を済ます。
判で押したような毎日・・・
といったところからはじまる物語で、平山の暮らす老朽アパートのつくりが面白い。
メゾネット式で、入口を入って左に台所、階段下に物置代わりの小部屋、二階に四畳半と六畳。
四畳半のちゃぶ台の上には、いくつもの小さな鉢が並び、若木が育っている。
六畳間には、ちょっとした引き出し箪笥と、窓際にカセットテープがビッシリ並んだ低い棚とその横に古本が詰まった書棚がある限り。
生活臭さがないのだが、銭湯のため風呂なし、コインランドリー利用で洗濯機なし、すべて外食なので冷蔵庫も調理器具もなし、かろうじて湯沸かし用の茶瓶がある限り。
そぎ落とした生活で、一見、禅的生活にも見えるのだが、日々ではなく、もう少し期間を広げて見てみると、そうでないこともわかる。
昼の休憩は木々が茂る神社のベンチで牛乳とパンを食べ、頭上の木漏れ日をオートフォーカスの安手のフィルムカメラに収める。
1日に3枚ほど撮って、1週間経てば24枚撮りのフィルムは終わり、なじみのカメラ屋で現像を依頼し、新しいフィルムに交換、前に現像依頼した写真を受け取る。
出来上がった写真はモノクロ。
選別して、出来の悪い写真は破って捨て、気に入ったものは海苔か煎餅が入っていたブリキ缶にフィルムと一緒に収め、ひと月経てばブリキ缶を四畳半の押し入れに仕舞い込む。
週末もうひとつの行動は、自転車で浅草まで行き、なじみの古書店で1冊100円の本を買う。
今週買ったのは幸田文『木』。
その足でなじみの女将のいる小料理屋に行く。
日々の一杯飲み屋に比べると相当な贅沢。
コインランドリーで洗濯して日ごろの垢を落とすのだけれど、選別したとはいえプリントした写真やフィルムは溜まる。
読み終えた本も溜まる。
溜まった本は、本棚からはみ出し、平積み状態になっている。
そう、モノは知らぬ間に増えている。
削いでも削いでも増えていく。
人は、どうだ。
かつての平山は、かなりの資産家の息子だったことが中盤わかる。
父親と反りがあわなく、出奔したのだろう。
人との付き合いは絶つように生きてきた。
銭湯での常連との会釈、一杯飲み屋の大将との無言の挨拶(なにせ、何も言わずとも、決まった酒と一皿が出てくる)、神社の住職への会釈。
ま、そんなところだ。
だが、絶ったようにみえて絶えているわけない。
実家の事業を引き継いだ(と思しき)妹の娘、つまり姪が家出して平山を頼って来る。
頼るといっても、ちょっとした、はじめての家出。
少しばかりの非日常。
平山にとっても姪との短い暮らしは非日常。
日々に埋もれていた(気づかなかった、気づこうとしなかった)日常の中の変化。
時折の相棒タカシは急に去っていった。
タカシの担当分も清掃をして、へとへとになった平山に一時的とはいえ新しいパートナーが来る。
なじみの小料理屋の女将の素性も偶然知った。
行き場がなくなって親水公園、橋の下で辞めていたタバコを久しぶりに吸っていたときに、女将の別れた元夫(三浦友和)と偶然一緒になり、教えてくれたのだ。
そのとき元夫が言う、「彼女をよろしくお願いします」と。
そんな気など毛頭ないが、「よろしくお願いします」と言われるのはまんざら悪い気もしない。
姪も頼って来てくれたのだ。
仕事の一時的相棒も、よろしくしますと言ったような。
これまでと同じように清掃に向かう平山の車中、「Perfect day, Perfect Life...」とカセットテープから歌が流れる・・・
足るを知って、余計なものはそぎ落としたつもりだったが、まだ足らないと思っている心がどこかにある。
それを、カセットや文庫本や写真のフィルムが象徴している。
これで十分と感じた人との繋がりは、自分が思っていたものよりも太かった。
日々は変化し、変化に気づいているようで気づいていない。
変化に気づけるくらいが、程よい暮らしということだな。
気づいているか、オレ?
<追記>
反復と往復で描かれる、ヴィム・ヴェンダース監督お得意のロードムービー。
これぐらい、ささやかなロードムービーがいいです。
ちょっとお花を摘みに、聖地巡りしたい。
ここにきて自分がほぼ役所広司である
可能性がでてきた。
観終わった後
わたしって役所広司だったんだ…
というのが一番に出て来た感想。
役所広司、世界に
まだまだいるんじゃないだろうか。
いろんなひとの感想を読むと
淡々としてみえたりもするようで、
そうなのか。と思った。
わたしの目にはそう映らなかったから
すごく興味深い。
もっと劇的な毎日を送っているひとは
それはそれでとっても良いことである。
外側の容器が違うだけだから
役所広司が幸せであることもわかったし、
わたしもこんな風にみえてるのかな〜
やっぱり幸せだよな〜
なんて嬉しくなったりもした。勝手に。
当たり前だけど
同じ日は一日たりともなくて、
腹が立つこともあれば思わずほころぶ瞬間もあって
全てが合わさってパーフェクトになる。
パーフェクトにしようとすること自体が
パーフェクトなのだと思う。
何を思ってパーフェクトとするかは
もちろん個人の自由。
つまんないな〜
映画としてどうなの〜
と思うことももちろん自由だし、
自分の考えを持っていることがパーフェクト!
ただひとつ言うならば
わたしのまわりの好きな人は
好きな映画だな。って言ってくれたら
すごく嬉しくてラストショットの
顔になっちゃうよってこと!
あと長井短の表情天才すぎ。
キャスティングがパーフェクトガイズ。
いつもの日常…いま…を生きる
ボロアパートへの郷愁
離婚経験ある人なら共感出来ると思える映画
小津安二郎作品より山田洋次作品に近い
平山の名はヴェンダース監督の敬愛する小津安二郎監督作品の笠智衆氏の役名に由来しているという情報は事前に得ていた。ただし、当然のことながら、小津監督作品とはテンポが異なるように思われた。
柄本時生氏演じるタカシとアオイヤマダ氏演じるアヤと一緒に車に乗って移動するようになったところは、山田洋次監督作品の『幸せの黄色いハンカチ』を思い出したが、そう長くは続かなかった。
次に、中野有紗氏演じる姪のニコが家出してきて転がり込み、麻生祐未氏演じる妹との久し振りの再会を懐かしむようになり、そういう展開も、何かありがちに感じた。
石川さゆり氏演じるスナックのママが歌ってくれるのは良かった。三浦友和氏演じる元夫との関係や遊びも面白い。
そうした身内や女性との関係の面白さは、「フーテンの寅さん」シリーズにもありがちで、やはり山田洋次監督の世界に近いのではないかと思った。
最初の方は、車に乗せてもらって仕事に行っているのかと思ったら、自分で運転してアパートから出かけていた。行きつけの飲み屋に行くときには自転車で行っていたけれど、それも飲酒運転だから止めてほしいものだ。
カセットテープも、曲によっては高額買取の対象になるものがあることがわかった。
エンドロールの最後に木洩れ日の映像と説明がある。
東京・渋谷区17カ所の公共トイレを、世界的な建築家やクリエイターが...
いろんな生き方があるけど、これはひとつの理想の生き方
いつもの日常を充分と感じつつ口角を上げて過ごす。目の前のことをきちんと果たす。そして、出会った人にやさしくする。ひとつひとつのことは誰でもできそうなことだし、安アパートに住むレベルなら誰でも手が届くこと。でも、主人公平山のような生き方はなかなかできない。その意味でPERFECT DAYSというタイトルは、なるほどと思った。
今は禅の修行僧のような生活をしているけど、そこに至る人生にはいろいろことがあり、悲しいこともあったのだろうという深みも感じた。平山の妹を抱きしめた後の涙や、エンディングの涙目は胸に迫って来る。涙の理由をあえて説明しないで、観客の想像に任せているので、深みが出ている気がする。
場面場面でスカイツリーが写される。お金や評判を気にする普通の生き方を象徴しているのだろうと思った。平山のすぐ隣にもそういう世界があるけど、平山はそっちには行かない。同僚のタカシのような、目の前のことをきちんとやらずに欲求はあるという人がいても、そっちに流されない。缶コーヒーやカエデの若木などの小さな幸せを楽しむ。「こっちは誰でもできますよ」「目の前の普通ことを充分と思うこと」ということなのかもしれない。
男優賞の役所広司はもちろんだけど、姪のニコ役の中野有紗、タカシの交際相手役のアオイヤマダ、タカシ役の柄本時生らも良かった。
海外映画の気がしない
人間くさくて、たどたどしくて、愛さずにいられない
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