PERFECT DAYSのレビュー・感想・評価
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木漏れ日と溶け合う陰影
冒頭の風にそよぐ樹木の映像。まずその映像に胸を打たれました。
東山魁夷の絵画のような深く甘い緑のその色彩は、朝日が昇り始める前のまだ輪郭がはっきりしていない光に溶け合いながら、静かに揺れ動き、やがて主人公のもとに届けられることとなる「木漏れ日」のために、整斉とそして黙々と準備をしているようにも見えました。そして平山の静かな、豊かな一日が始まるのです。
映画は淡々とした日常を追ったものなのですが、私は、誰もが絶賛するラストだけでなく、この冒頭シーンから何故か目頭が熱くなり、最後まで1秒たりとも眼をはなすことができませんでした。
映画「パリ・テキサス」で、確か弟が、放浪する兄トラヴィスを迎えに行く車から眺められたアメリカ・テキサスの空。地平線近くは黄金色に染まっているが曇天部分の面積のウエイトが圧倒的に大きいあの空・・・この作品冒頭の東京の空は同じ色に染まっていました。
平山やニコの中にある心の闇や不安、哀しみの全貌は何も明かされることはありませんが、彼らとトラヴィスの心象風景は、双方の映画の冒頭の空の色が象徴していたように思います。でもこの作品のそれらは夢の中で木漏れ日と溶け合い一遍の陰影のある音楽や絵画となって、その豊かさを結実させているように思いました。
「ああきれいだな」
平山と同じように空や木漏れ日をみあげ、そう思うことが多いです。でも何気ない日常が美しいと思っていても、それを自分で写真や映像で撮ってみると、陳腐なものになってしまうことがほとんどで、がっかりします。しかし、この映画の映像や音は、主人公の微妙な心情の変化とともに、その美しさを奇跡的に余すところなく伝えているように思いました。カメラや音響の技術的な卓越さなのか、その理由はよくわかりませんが「これだ。この感覚だ。」そう思いました。
素晴らしい映画でした。
本当にいい映画なのに! 「トイレの清掃」というせっかくの舞台背景が渋谷区のプロジェクトのせいで、「ただの上辺だけのオシャレでキレイな映画」になりかねない残念さ。
「トイレの清掃」を仕事にしている老齢で独り身の男の変わらない日常、変わらない毎日。
しかし、少しずつ小さな変化は毎日ある。
まるで木漏れ日の光と影が、一瞬ごとに違うように…。
この大きなことが何もないように見えるシーンの連続が大事な映画。
そこに「響く」人もいれば、何も起きない退屈でフランス映画風のスカした映画と思う人もいると思う。
それでいいと思う。
自分には深く響いた。
別にわかった風を気取るつもりもありませんが。
特に役所広司の表情を魅せる長回しのカット。
本当に難しいと思うが、よく、よく味わった。
主演の役所広司がエグゼクティブ・プロヂューサーを兼ねて、あのヴィム・ヴェンダースと組んで、納得のいく作品作りに動いたのも効いていると思う。
日本の役者も、もっともっと自分が演じたい作品を創るためにアクティブになっていいと思う。
その方が絶対面白い!
但し、惜しむらくは、「トイレの清掃」という、せっかくの舞台背景が、渋谷区のプロジェクトのせいで、「おしゃれできれいな映画」になってしまった残念さ。
もっと普通の誰もが見かける公衆トイレもたくさん出さないと、リアリティがない。
別に、汚いところを無理に見せる必要はない。
普通のトイレを清掃しているシーンをなぜ出さないのか。
何をカッコつけてんだ。
そんなにカッコイイキレイな部分だけを見せたいのか。
だから、役所や大企業が関わるとろくなことはない。
本当に台無しにしているという、凄く分かりやすいことになぜ気づかないのか。
皆、全力でいい映画を創ろうとしているのに!と怒りが込み上げてきた!!
Velvet Underground & Nico
ヴィム・ベンダースの代表作、最高傑作となるでしょうね。
我々日本人にとっては特に。
パリ、テキサスや天使の詩とか超えてるねこりゃ、と思う。
ルー・リードのPerfect Dayから着想してる作品っぽいけど、歌詞の最後で繰り返されるYou're going to reap just what you sow (自分の蒔いた種は、自分でなんとかしないとね)というのを考えると、過去に何か大きな失敗をして、それでも今は慎ましく真面目に日々を生きる、という感じなのかな。
Perfect Dayの歌詞全体からみても、きっとそうなんだろう。
ルー・リードはPale Blue Eye、パティ・スミスはRedondo Beach、キンクスはSunny Afternoon、を選んでいるあたり、センスありすぎる。
最後の長回しのところでかかる、ニーナ・シモンのFeeling Goodの歌詞も曲調もシーンにフィットしまくりすぎていて、選曲の妙は唸るしかない。
あと、役所広司の姪っ子役の名前がNicoっていうのが、分かる人は笑ってしまうポイント。
多分Nicoって名前じゃないかな、と見ながら思ってたら、ほんとにNicoだったので、声出して笑ってしまった。
20231229 豊洲ユナイテッドシネマ
美しい作品
とにかく説明がない。でも理解できてしまう。
同じことの繰り返しが人生。でも日々の中、少し変化がある。それはほんの些細な事。例えば、通勤中の見慣れた景色、いつもすれ違うわんちゃんを散歩する女性がいなかったり、ジョギングするお兄ちゃんがいなかったり、あれ?とは思うけど、それ以上に思うことはない。でも次の日に見かけると、何故かホッとしてしまうような。
平々凡々たる日常が続く。その中に自分だけの楽しみがある。それは他の人には理解できない。
生きてること自体が素晴らしい、そんなことを思わせてくれる作品でした。
余談ではありますが、劇中にでてくる代々木公園付近のトイレ、代々木八幡のトイレは今では綺麗ですが、改修される前はお世辞にも綺麗と呼べるものではありませんでした。そして、清掃員さんが日々綺麗にして下さっていることに、心より感謝致します。
おかえり
行こうとしていた劇場が激混みだったので、急遽違う映画館での鑑賞。なんとか左右誰もいないとこを確保してリラックスしながらの鑑賞でした。
恥ずかしながらヴィム・ヴェンダース監督作品初鑑賞です。遅れてやってきた映画ファンならではの楽しみ方をしています。
役所広司萌え映画でした。役所さんはイカつい役で多く観てきましたが、こんなにおっとりした役所さんを観るのが新鮮で新鮮で…!どのシーンを切り取ってもニヤけてしまうくらいに最高でした。
トイレ清掃で生計を立てている平山という男の日常をそのまま映していて、その中で起こる静かな波を強く描いていました。
全くと言っていいくらい同じ日々を過ごす流れは、どこか退屈だとコンテンツ溢れる現代に生きる自分は思ってしまうんですが、その繰り返しでさえも楽しんでいる平山の姿は本当に愛おしかったです。
その日常がたまたま出会った赤の他人との何気ない会話や様子見で彩られたり、姪が来てから日々のスピード感が加速したり、少し変わった生活でさえも楽しんでしまうと、素敵と大好きがたくさん詰め込まれていました。
古き良きが多く詰め込まれていて、カセットテープならではの音楽の良さだったり、ボロアパートの佇まいだったり、1発勝負のカメラだったり、まさにな見た目な銭湯だったり、おかえり〜と言ってくれる居酒屋の店主だったりと日本ならではを体験していない世代の自分にとってはどれも新鮮で、どれも愛おしく思えました。
見知らぬ人との○×ゲームだったり、おっさん同士の影踏みとか、なんだかキュートでした。
石川さゆりさんが演じるママなんてそりゃもう美声轟かせるでしょーと思って観ていたら、本当に感じの良いママで、話す会話も軽くも重くもない絶妙なバランスで素晴らしく、ポテトサラダこそ至高!と言わんばかりに盛り盛りのポテサラにワクワクさせられました。
東京の公共トイレはオシャレなものが多いというのは噂で聞いていましたが、本当に個性的な外見をしており、ドアの開閉でスケスケな扉がバンっと全部隠してくれたりと、進化してるんだなーと東京の街の凄さを日本人ながら改めて体感することができました。
映画内で流れる楽曲も本当に心地の良いものが多く、邦ロックをメインに聴く人間なので、こういった優しい音楽も良いなと思えました。
役者陣はもう最高すぎました。役所さんの表情がどれも微笑ましくて、ボソッと呟くセリフはどれもどこかに刺さるものばかり。監督がこれでもかと魅力を引き出していて、監督の力すげ〜と痛感させられました。
何気ない日常、どこか退屈に思える繰り返しの生活の中で生まれる変化の葛藤や幸せをスクリーンいっぱいに堪能できます。
色々抱えながら生きている現代人にそっと寄り添ってくれてほっこりしました。
今年の映画納めにもピッタリだと思います。どうぞ劇場で。
鑑賞日 12/26
鑑賞時間 16:55〜19:10
座席 B-9
淡々と日常を、、、外国人向けかな
淡々と日常を描かれています。フランス映画っぽいかも。淡々とし過ぎていて私にはちょっと難しいのかも知れません。
結局何も起こらない?とか思ってしまった。
過去に何が?
腕時計はなぜつけない?
駅の改札に何が?
とかいろいろと想像してしまいました。
ただ、最後の長わしの表情オンリーの演技は凄いね。さすが役所広司というところ。
東京の孤独がテーマなのかもしれないけど。
心に残るのは、都内の公衆トイレって凄いな。ぜんぶ行ってみたいとは思いましたが。
外国人から見ると、「東京」のいろいろな風景が見られるのでその価値があると思います。
日本人の私から見れば、ニューヨークやパリとか、アジアの都市とかだったらその分ワクワクするのかも知れせんが。
「足るを知る」
平山は、自分のいつものルーティンの生活で、幸せで完璧な日々だったはずなのに、他者との関わりの中で、自分に足りないものに気がついてしまって孤独を感じてあのラストシーンだと思いました。つまり私にはバットエンドに感じられました。
その逆のハッピーエンドに感じる人もいるようですね。
この映画は、見る人によってどちらがPERFECTDAYSなのか違うようです。
そういう映画は好きですり後味はとても良いですし。
観たその夜や次の日まで余韻が続く。岩井俊二の映画みたいですね。
ブラウンアイドガールに感激
It’s an amazing movie 🎥
とても心に溶け込みむ映像作品でした。
人生の終盤で目を背けることが出来ない孤独と老いに対しカンヌ男優賞を取られた役所広司さんが淡々と向き合い続ける姿にもってかれました。
I recommend this movie!🎞️
人はどう老いればいいのか
人間は必ず死ぬのだから、それを常に意識し、
悔いのない毎日を送っていれば、
死が迫ってきても、ある程度は受け入れられるので
はないか。平山にとっての毎日はそう言う意味でPERFECT DAYSなのかもしれない。
同時に平山が夜のしじまに見る走馬灯のような影像は、満足した日々の証なのではないか。だから彼は朝ほくそ笑むのではないのか。
また夢中になることを見つけることで孤独ォ忘れる事が出来ること表現していると想う。
聖人かと思いきや人間味に溢れた平山さん
電通プロデュースの"禅ムービー"
さすが天下の電通プロデュースということもあり、世界一撮影許可が降りないと言われるここ東京で、巨匠ヴィム・ベンダーズによる長編映画が公開されることになるとは思わなかった。
昔の話だがあのイギリスの巨匠リドリー・スコットでさえも「ブラック・レイン」の撮影で東京を断念し、大阪にロケを移したことでも知られるくらい東京は許可がおりない。らしい。
そんな中本作は電通とユニクロのファーストリテイリング社と渋谷区による「THE TOKYO TOILET」という今時の言葉を使えば公共トイレのアップデートを行うというプロジェクトの一環として企画された。
トイレ掃除というどの映画でも金持ちの考える底辺の仕事は"これ"と言われる仕事に従事する中年の男の日常をドキュメンタリー風に追っていく。
首都高速など誰もが日頃目にする風景がヴィム・ベンダーズ演出の下映し出されるのは感慨深いが、肝心のトイレがカッコよすぎ、綺麗過ぎて、不自然なほど汚物や吐瀉物の描写を避けているように感じられ違和感があった。
"木漏れ日"という日本語にしかない自然と影の捉え方の説明がエンドロール後に入るように、本作はいわゆる日常の影に生きている人に目を向けるような映画になっている。トイレ掃除はもちろん、主人公以外誰の視界にもはいらないホームレスなどがそれだ。
しかし、主人公は根っからの貧乏ではなく、家柄の良いお坊ちゃんが自らあの生活を選んで暮らしているということが後半わかってくる。ルーティンをこなし、ミニマルに質素に暮らしていく。しかし読書などの知的な活動は継続する。
まさに禅マインドのそれであり、物や情報に溢れ、日常に退屈した富裕層が飛び付きそうな暮らしである。
いわゆる“小津ショット"と呼ばれる無人の風景ショットや構図、音楽のチョイスに彩られ、最後の役所広司の演技でトドメを指す。
ドイツの巨匠を呼び、狙い通り日本人俳優にカンヌ国際映画祭で最優秀主演男優賞をもたらした企画力と実現力は素晴らしい。
この映画は主人公のセリフがほとんどない代わりに主人公の周りの人間が喋ったり、主人公の背景や考えを投影するような登場の仕方になっているのは非常に文学的だ。ここはとても好きだ。
木漏れ日のように日常とは同じように見えて、同じ瞬間は一度もない。毎日が新しい。だから、毎日大切に生きようというメッセージは禅ムービーの締めくくりに相応しい。
おひとり様天国
生きてく上で、必要なものを教えてくれる。
信念を持てる仕事と趣味と恋心と。
多少の諦めもあるのかもしれない。
全ての事が1人で完結してて…人は死んでいく時は1人だもんなぁと。それなのに右向け右でコミュニティを拡げる事にやっきにならんでもいいよなぁと、そんな事を思う。
作品を観ながら思うのは「退屈な日常だなぁ」って事だった。そして、その退屈がもたらす弊害を考える。
ああ、そうか、と。
平穏と変化は裏表で、変化を求めれば対価を支払わなければならない。時間だったり、プライドだったり、金銭だったり。
その変化こそを生きる命題にしてる現代では、ある種「世捨て人」のようにも映るのだろう。
だけど、彼の日常は「完璧な日々」なのだ。
完璧だからこそ変化を求めない。
言い訳だと切り捨てる人はいるとは思う。
けれども、そういう生き方や価値観はあっていい。
そして、幸も不幸も人が運んでくる。
それは変化ではなく起伏であり、退屈な日常に見えても平坦なわけではない。
彼は人が嫌いなわけではない。彼の世界から他の世界への干渉の仕方が臆病なだけなのだろう。
適切な距離で、人と関わる。
踊るホームレスは自分よりも完璧な日々を送っているのかもしれない。リスペクトが見える。
家にも時間にも縛られない。自分の人生のみを謳歌してるようにも映るのだろうか?
自分はそこまで欲を捨てきれないとでも言わんばかりだ。
と、ここまで主人公にフォーカスして書いてはみたが、ラストカットは街並みの俯瞰で朝日が昇る。
新しい1日が始まる。
そこで、ふと思う。
完璧な日々は、全ての人に訪れる。
考え方や、視点を変えればそういう環境も訪れるという事なのかもなんて事を思う。
びっくりする程、台詞がないのは、そんな視点を提示しているのだろうと思う。
そして、その沈黙を埋めてしまえる役所さんは、やはり名優なのだろうと思う。
卑下するなと言う事かもしれない。
多様性が叫ばれる以前の社会は、提唱される幸せの形はほぼ一種類だけだった。
結婚して子供を持ち、家と車があって、多忙な仕事を抱えながらも家庭に帰れば一息つける、みたいな。
でも、現実はそんな事ないよねー。
理想だけを押し付けられても苦しいだけじゃない?
自分の手に届かないものを人生かけて追い求めるよりも、自分の手の届く範囲を少しづつ広げていく方が幸せじゃないのかな?
「夢」とかがあると別の話だけれど。
本作の主人公は、その拡げる手に満足したのだと思う。
だからこその「完璧な日々」なのだろう。
それは勿論、彼にとっての、である。あんな人ばっかりだったら人類は死滅する。
きっと「欲」を整理すればいいのだろうと思う。
完全なる仮想現実を体現して受け止めた魂とは‼️❓
役所広司は昔、東京都庁千代田区役所で土木工事の仕事をしていて、まるで役に立たなかつたと、本人が回想している。
多分、便所掃除をしても手抜きだろう、多分、自分の家の便所掃除もしたことがないだろう。
映画の便所掃除も、綺麗で匂いも無いところでしている。
でも、演技は、リアルを超えて、真実以上のものを伝えている、少なくともそう感じさせる。
彼と、同年代だが、ほとんどは、病気に苦しめられ、今を生きるのが精一杯なのだ。
でも、役所広司自身は、無病息災、なんの苦しみも、生活難も無くて、これが演じられる天上天下唯我独尊なる役者なのだ、鈴木亮平のような綿密な下調べも無くとも、演じられる天才なのだ。
ドイツ人監督の夢想で描く日本はそれでも、理想の世界なのだ、このような静寂が、虚無ですら素晴らしい、日本人はそれを誇らしく思うでべきかもしれない。
無垢で無臭なる便所掃除と、静寂なる文化住宅にこそ、天才役所広司が演じるところで、高邁なる精神が宿るのかもしれない。
これが、映画の真実なのかもしれない。
自分の限界と、世の中の無常と、映画の真実を知るために、是非。
何だコレは
調べたら時給1200円くらいだった、軽とは言え都内で車所有。
年収、貯金、家賃、生活費なんか考えたけどなんだコレは。
コレは全てが上手く行った時の俺の人生じゃ無いか。
あそこまでの年齢じゃ無いし収入ももうちょい有るけど多分貯金は似たり寄ったりだ、
でも俺が望む幸せがあそこに有るじゃ無いか。
まあ、あの年齢でも働かなきゃいけない日本の政治的問題、渋谷の公衆トイレだぞ、実際は絵にすら出来ない汚物、ヤカラ利用客と戦っているんだろうな。
でも理想的な幸せが描かれてる。
古本屋で100円くらいの棚を漁り、俺ならゴルゴの32巻くらいだけど。
銀塩現像を店で受け取り、2400円くらいで終えそうな安い飲み屋を仕事帰りに。
人生の一度か二度ほど下北系サブカルクソ女に興味持たれる。
もう最高じゃ無いか。
役所広司はグチすら言わず人に子供に優しく、まるで神のように善人だからこそあの人生が得られたんだろうな、人の思いには人の心しか響かないじゃん。
この映画色んな音楽が流れるけど全部カーステなんよね、エンジン止めれば音楽も止まる。
でも石川さゆりのとかもう曲終わりは外のシーンだったりすんの、劇中歌の全ては全部彼の頭ん中で流れてるんだろうな。
ステキじゃん一つの歌をそこまで愛してんだぞ。
うん俺もあそこに届くおじさんになるぞ、だから善人になるんだ、正しさ優しさに勝る物は無いとこの映画が静かに大きく物語っている。
日常のありがたさ
これ・・・すごい。
毎朝毎朝、ほうきで掃除する音に目が覚め、
髭の手入れ、植物への水やり、自販機でコーヒーを買い車に乗り込む
といった、ルーティン化した日常を過ごす、トイレ清掃マンの主人公。
お昼はいつもの場でサンドイッチを食べ、木漏れ日をカメラで撮影。
仕事の後は、銭湯にいって、いつもの飲み屋で一杯、家に帰ると読書。
休日はコインランドリーでお洗濯、カメラを現像に出し、
新しいフィルムと現像された写真を受け取る。
そして古本屋で次の書籍探し、それからバーで飲んでみたり。
淡々とした日常なんだけど、姪っ子や妹、その他いろいろな人とふれあい、
少しずつルーティンに変化はあれど、ペースを崩さない。
寡黙でほとんどセリフもなく、これだけの演技、表現をする、
役所広司さん、すごすぎです。
優しそうな笑み、黙々とトイレ掃除をする姿、しかもめっちゃきれいに。
カセットテープ、未だに車で聞けるのだろうか。
デッキ売っているのかな。
◇ Oh it's such a perfect day
ロードムービーは、旅の途中で起こる様々な出来事、出会う人々、偶然の出会いそのものを物語にする手法です。画面に繰り広げられる風景の変化の中で、人がそれぞれ抱える「疎外感」をテーマとしていることが多いです。
この作品は、一人の男の変わりなく規則正しく繰り返される日常生活を、微細なまでに細部にこだわって丁寧に描いています。旅の醍醐味である風景の変化を日常の中の些細な変化に置き換える形でロードムービーを形成しています。
砂漠のハイウェイを走り抜けるオープンカーのアメ車(「ナチュラル・ボーン・キラーズ」、「トゥルー・ロマンス」、「テルマ&ルイーズ」)は、曲がりくねった首都高を走るダイハツ軽ワゴンに置き代わっています。カーオーディオから流れる曲をそのままサウンドトラックとして用いるのは古典的な技法です。
♪朝日のあたる家 (浅川マキver. )🎤石川さゆり 🎸あがた森魚
♪The House of the Rising Sun
🎸The Animals
♪Pale Blue Eyes 🎸The Velvet Underground
♪(Sittin' On) The Dock of the Bay 🎤OtisRedding
♪Redondo Beach 🎸Patti Smith
♪(Walkin' Thru The) Sleepy City
♪青い魚🎤金延幸子
♪Brown Eyed Girl 🎸 Van Morrison
♪Sunny Afternoon 🎸 the Kinks
♪Feeling Good 🎤 Nina Simone
場面場面の男の気分に左右されるように流れる音楽の心地よさは、この作品の魅力の一つになっています。
他に男が好きなものは、ベランダの鉢植え🪴植物、銭湯、古本屋の100円文庫本。
📙『野生の棕櫚』フォークナー
📗『木』幸田文
📘『11の物語』パトリシア・ハイスミス
浅草地下商店街(日本最古の地下街)銀座線改札口から徒歩0分のセンベロ店・福ちゃん。
ヴィム・ヴェンダースというフィルターを通して、改めて眺める東京の風景は逆輸入的なロードムービーを成しているのかもしれません。異なる角度から切り取られた日常は、日々の暮らしの中での人との繋がり、感謝の気持ちを改めて見直す機会を与えてくれたように感じる秀作でした。
影
こんなにも飽きずに一人の人物を観ていられる映画あったかな
なんてことない日常を
観ているだけなのに
やはり役所さんというのも
あるんだけど
監督の力かもしれないけど
そしてこれが日本人が撮っていないということが悔しい
ヒラヤマという
男の生活の映画
カセット、本
アナログな人間を漂わせて
Spotifyをお店だと勘違いする
終始、愛らしく無口な男を演じている
良い人さが滲み出ている
朝起きて、空を見上げて、笑顔になれる生活
そんな
現代人いるかな
羨ましい
そんな心で生きたいと思う
過去に色々家族感で、なにかあり
この清掃業をしているヒラヤマ
恐らく最低限のお金しか使ってない
多分低収入
ママ役の石川さゆりさんはめっちゃハマり役
あがた森魚さんのギターで
朝日楼は痺れた!!
そんなお店あるんなら行きたい笑
ママに恋心があったヒラヤマのヤケ酒とタバコが面白い
ママの元旦那、三浦さんとの影踏み楽しかった笑
下北沢のカセット屋さんが松居大悟監督でびっくり笑
キャスト豪華だったなぁ
最期のシーン
あんな表情出来るの
役所さんしかいないじゃん
あの表情でカンヌの方々が虜になったんじゃないかな
寂しさ、悲しみ、優しさ、愛らしい、孤独なんか全部感じた
もう一回映画館で観たい🎥✨
パンフはこれから読みます✨
幸せな事
久しぶり、映画を観て幸せな感覚になりました。
毎日が違う一日。
ヴィム・ヴェンダース作品が好きな私としては、始まりからかなり期待して観ました。
ストーリーはある一人の男の毎日を追ったドキュメンタリーのような感じのフィクション。
観る人によっては苦行のような映画だなぁと思った。
なぜならひたすらほぼ同じ行動が何度も繰り返されるから。
でもその繰り返しは、決して毎回同じではなく、一瞬一瞬全てが違う。
それが物語の本当の後半に言葉少なな彼の口から語られる。
起承転結がはっきりした盛り上がりのある作品ではない。
結局あれはなんだったのか、とか、この人何者?とか、回収されるわけでもなく終わるんだけど、それでいいんだよね。
生きる世界は一人一人違う。
同じような一日でも全て違う一日。
年齢を重ねるごとに考えていたことがこの作品とリンクして、不思議な気持ちになりました。
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