PERFECT DAYSのレビュー・感想・評価
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変わらないなんて事はないという変わらない日常。
変わらないなんて事はないという変わらない日常。
これだけ“表情だけ”で物語が左右する映画はない。
今年の本家アカデミー賞 国際長編映画賞ノミネート。
ヴィム・ヴェンダース×役所広司。
凄いタッグが産んだ傑作。
トイレ掃除の親父の日常なのに
どうしてまだまだ観たいと思うのか。
こんなに慌ただしくない日本が
心地よいなんて。
まー日本人ならではのツッコミ処もある。
「下北沢にいて…え?茅場町!?そこから!!え?」
みたいな(^_^;)
ラストの表情の意味だけで
みんなと飲める気がする。
日本では当たりにくい日本的傑作。
「ドライブ・マイ・カー」みたいな
火のつき方したら行けるかもね。
木漏れ日のような大人の映画
役所広司氏が素晴らしい。
音楽も良かった。
東京のどこかに今もまさに生きていそうな平山さんだった。
同じような日々の中にも揺らぎとドラマがある。
同じようでも全く同じ日はない毎日の繰り返しの中にある、過去や未来の揺らぎと余白を想像して楽しむ感じの作品でした。
木漏れ日のような大人の映画だと思いました。
身の丈にあった幸せってなんだろう?
公衆トイレの清掃で細々と生計を立てながら、東京の下町で一人ひっそりと暮らす中年男”平山”の日常を淡々と描いた作品。無口な彼の変わらない日常をかいま見せてくれるだけですが、それでも、見る者には、彼が訳あってこのような世捨て人のような生活をしていることが薄々分かってきます。Perfect days - 「満ち足りた日々」とでも訳したらよいのでしょうか?主人公は平凡な毎日を飽きもせずに繰り返しているようですが、それこそが、彼が探し求めていた心の安寧だったのでしょう。そして、おそらくですが、私達にとっての身の丈にあった幸せも、平凡な日常とほんの少しばかりのさざ波のようなハプニングさえあれば得られるものなのかも知れません。役所広司さんの好演が際立った、心に沁みる作品でした。(細かいことですが、自転車で飲酒はやはり微妙ですよね...)
「完璧な日々」は完璧か
この映画は、普段スポットライトの当たらないトイレ清掃員が主人公なのが特別なのではない。
淡々と繰り返される日常、丁寧に向き合う仕事、そして小さな幸せ…。
最初はそれらを通して、「働く意味」を問うているのかと思った。
しかし後半、様々な人との関わりを通じて様子は若干違って見えてくる。
毎日同じ暮らしさえ確実に守っていれば、変わらない日常は続いて行く。それは幸せな事だろう。
しかし「完璧な日々」は本当に完璧なのか…。
人は人と関わらなければいけない以上、同じ日々は一つとしてない。
「完璧な日々」は、些細なきっかけで脆くも崩れ去る。
最後は「完璧な日々」は、完璧過ぎるが故に「檻の中の日々」でもあるのかもしれないと思った。
最後に見せた、平山の泣きそうで泣けない笑顔が、
変わらない日常から抜け出たくても抜けられない、
抜ける勇気など無い自分への涙に見えた。
考えれば考えるほど奥の深い映画で、それを最小限の台詞と映像と音楽で表現した本作には、頭が下がった。
キーワードは“ 木洩れ日・影・人 ”
公開当初は、もう一つ見たいという気にならなかったのに、カンヌ映画祭で男優賞を受賞したと聞き、見る気になったのに、風邪を引いたので、エラク遅い鑑賞になったけど、良い映画でしたネ!
貧しくても、お天道様に恥ずかしくない、まっとうな生き方をしている主人公を、何度も出てくる木洩れ日越しに太陽を見る姿で、象徴している様に思いました
日々の生活を淡々と描写する中で、救われたのが、「トイレの神様」を当然知らないスマホ世代の姪っ子が、トイレ掃除を手伝ってくれた所でしたネ! お金持ちの娘の設定でしたが、まっとうな良い娘でしたね 結婚したくなる程の、清楚な美人だったし!
それに比べて、あの青年は「オレオレ詐欺」の闇バイトをして人生を潰すことになるんじゃないか?と、心配になったのは私だけでしょうか?
主人公は人生経験から帰ってこないお金と分かっているのに、あの青年の儚い夢の為に、持ち金のほぼすべてを貸す人の好さをあれで表したのでしょうね!
最後に突然出てきた三浦友和のお陰で、最終的にはスナックのママと一緒になるかも?!と思わせてくれたのも、この映画を見てよかったと思える設定で、なぜかホッとしました
作者達が言いたかったのは、人は勿論一人でも自由気ままに生きて行けるけれども、人は文字通り「支え合って生きる」ことが大切だ
映画の中程でもでて来た「影」というキーワードが、木洩れ日の影には陰影があり、ぬくもりのある人との影は濃くなるという事を終盤の影踏みを通して表し、ぬくもりのある人と支え合う事が大切だと言っているのではないでしょうか?!
「格好良過ぎる」
今年16本目。
ある1つのトイレは安藤忠雄さん設計で神宮通公園の「あまやどり」。昨年12月に渋谷区の小中学生が清掃体験、自分が清掃したトイレにあだ名をつけて映画鑑賞。子供の時のそう言う運動は本当にいいと思います。
作品はある女性が尋ねてきて、仕事姿が何て格好いいと彼女も思ったし自分も思いました。昔の車は音楽聴くのがカセットだったのも懐かしい。駅地下の居酒屋や銭湯など監督が入念に日本を調べて撮っているなあと、事前勉強が嬉しくなります。
不思議な作品
昭和の懐かしいアナログ生活をする1人の男性のルーティーン化した暮らしの風景を淡々と繰り返し描いた作品で、特に盛り上がるところもなく、変化のないままに繰り返されるストーリーなのに最後まで観てしまう作品
予想通りの良作!
期待を超えはしなかったけど裏切られることもなかった。
アオイヤマダさん、麻生祐未さん、良かった。あと、トイレで質問する黒人の女性の方。
もちろん役所広司さんは言わずもがな。あと、田中泯さん流石!
若い人には少し退屈に感じる映画かも知れませんが。
私には『観て良かった』と思える映画でした。
同じ日なんてない
仕事の日には時計を持たず、休みの日には腕時計をして出掛ける主人公。
仕事は定まった所作があるから時計はいらないのかなぁ。
型にはまったような毎日にも、必ず変化はある。決まっているから変化に気付けることもあるんだろう。
寡黙な主人公の心情を歌が代弁しているんだと感じたが、リスニング力がなくて、歌詞がごく一部しか聞き取れない。そこは英語字幕でいいので、欲しかったなあ。
虚無の目をしたOL
役所さん演じる平山のルーティーンの中に表情のない私も映っているような気がした。彼の幸せの一旦に触れることができて正に木漏れ日のように美しい表現が多々、役所さんの微笑みにじわりと心が揺れました。
文学的に言葉に出来ないが、海外の方に評価される理由は分かる気がします。
けっこういい
見る前はどうせ眠くなるだろうし寝てしまうのではないか、少なくとも面白くはないだろうと見るのをためらっていたら公開から何週間も経っている。役所広司がトイレ掃除して古いロックを聴いて若い女の子と少し触れ合う。銭湯に行って外食ばかりする、そんな日常が描かれる。大して面白くないし、面白がらせようと言う意図がないのだけど、見ていて退屈せず、場面が心に残る。
カセットテープに値段が付くなど聞いたことがないし、古いロックファンはそもそも公式カセットなど買わずレコードを買ってカセットにダビングする。
東京の下町にメゾネットの風呂なし物件で軽トラックと自転車を持って、駐車場も借りている。家賃でけっこう掛かっている。風呂なしでも5万以上はしそうだし、駐車場は3万はしそうだ。パートナーがいる場合もあるけど、あんな感じでトイレ掃除は一人でできるのだろうか。悪意でウンチを壁に塗り付けるような人も中にいるが、そんなひどい掃除はなかった。賃金もよさそうだし気ままな、悪くない仕事に見える。
良作
人生とは幸せとは何かを考えさせる映画でした。好きな所は姪っ子さんが出てきた所で2人で銭湯に行くのが良かったですね。彼女が透明感があって素敵でした。後、あんなカラフルなトイレが普及したらいいなと思いました。人におすすめ出来るいい映画だと思います。
家族で見ないほうが良い
マジで意味わからん。4人家族で見たら8000円ドブに捨てるようなもの。暇な60歳過ぎの年寄りが見る映画。集中できなくて終盤に時計を気にする人が多数。アカデミー賞に選ばれる理由不明。ジブリの君たちはどう生きるかも意味不明だった。
好きだし嫌いな映画
ショーペンハウアーの「幸福について」を体現するような生活。生き様。
アパートの鍵をしめないのは、物に固執していないから。
他人とかかわらなくても、自分を楽しむことができる。写真などの創作活動もして人生の軌跡も残す。快楽もないが苦痛もない。
故に、自分は幸せである。
でも、何もわからずに多分このまま終わってゆく(死んでゆく)。
それでいいんだろうな、いいと思うことにしよう。そんな日々。
ラストシーン。平山は自分のことをきっとこう思っている。
私は優しい、思慮深く、幸せもので、どちらかというとモテて、繊細で、器用で、孤独を愛し、感性も豊かな人間だ。
と同時に、稚拙で、臆病で、短気で、インポで、短小で、甲斐性がなく、不器用で、寂しがりやな人間だ。
幸せだ、いや情けない人生だ。いや他人より幸せだ、優越感、いや劣等感か。。。
自己嫌悪=自己陶酔。全部まとめて自分。矛盾だらけが普通の人間。幸せだから笑うのではない、笑うから幸せなんだ。
鑑賞後のいま、本作は素晴らしく美しい映画だなという思いと、平山はあまり好きではないなという、混沌におります。
よかった!
ストーリーは淡々と同じ毎日が進んでいくようで日々の変化やちょっとした出来事がとてもシンプルで独り身の自分と重なったりしてなんだかグッときてしまいました。麻生祐未さんを抱きしめたシーンは涙がでてきちゃいました。
やっぱり役所広司さんは素晴らしい俳優さんだなって改めて感じる作品でした。
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