「「完璧な日々」は完璧か」PERFECT DAYS ぴよりんさんの映画レビュー(感想・評価)
「完璧な日々」は完璧か
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この映画は、普段スポットライトの当たらないトイレ清掃員が主人公なのが特別なのではない。
淡々と繰り返される日常、丁寧に向き合う仕事、そして小さな幸せ…。
最初はそれらを通して、「働く意味」を問うているのかと思った。
しかし後半、様々な人との関わりを通じて様子は若干違って見えてくる。
毎日同じ暮らしさえ確実に守っていれば、変わらない日常は続いて行く。それは幸せな事だろう。
しかし「完璧な日々」は本当に完璧なのか…。
人は人と関わらなければいけない以上、同じ日々は一つとしてない。
「完璧な日々」は、些細なきっかけで脆くも崩れ去る。
最後は「完璧な日々」は、完璧過ぎるが故に「檻の中の日々」でもあるのかもしれないと思った。
最後に見せた、平山の泣きそうで泣けない笑顔が、
変わらない日常から抜け出たくても抜けられない、
抜ける勇気など無い自分への涙に見えた。
考えれば考えるほど奥の深い映画で、それを最小限の台詞と映像と音楽で表現した本作には、頭が下がった。
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