「いまはいま」PERFECT DAYS LSさんの映画レビュー(感想・評価)
いまはいま
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人生に達成すべきゴールや意味を見い出そうとしなくても、毎日少しずつ違う日常を実直に生き、新しい朝を迎えることを喜ぶ。そんな主人公の姿を輝かしく描いている。
主人公の日々と同様に、映画自体もエピソードを反復し重ね合わせながら、そのずれを「こもれび」と形容する。大きな山や谷はなくても、小さな起伏がストーリーになっている(できれば冬の日も見たかった)。
音楽と共に流れるように東京を切り取る車のシーン、躍動する自転車のシーンの繰り返しが、ストイックな仕事ぶりとの対比で心地よく感じた。あと銭湯!
役所広司は本当に実在感がすごい。カンヌでもっと世界に知られていほしい。
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ニコさんのコメント
2024年1月26日
コメントありがとうございます。
説明の少ない作品なので、LSさんの解釈ももちろんアリだと思います。実際私も、平山の現代的な豊かさに執着のない生活がいいなと思ったし、羨ましくもなりました。
一方、タカシの退職によってルーティンが崩された時の平山の剣幕と、いろいろあって心が揺れたままなのに、ラストのあの表情の最初で強いていつもの朝のように笑おうとしているように見えたことで、彼が壊れやすい何かを習慣で守ろうとしているようにも見えました。
でも、観た後には悲壮感よりあの生活の清々しさが残るんですよね。不思議な映画でした。