「反復への愛」PERFECT DAYS ゆきさんの映画レビュー(感想・評価)
反復への愛
本作で、第76回カンヌ国際映画祭
最優秀男優賞に輝いた役所さん。
そのニュースを聞いた時から本当に楽しみにしていました!
ヴェンダース監督は勿論、役所さんの大ファンです!
客席も結構埋まっていて嬉しかったです
(誰?w)
東京でトイレ清掃員として働く平山
(役所さん)
毎日同じルーティンをこなし生活している。
朝まだ薄暗い時間、老女が掃除する竹ぼうきの音で目を覚ます。
布団を畳み、歯を磨き、髭を剃る。
植物に水をやり作業着に着替えて、鍵、小銭、ガラケー、フィルムカメラを持って家を出る。少し空を見る。
自販機でコーヒー(BOSS笑)を買う。
車に乗り込みいつもの角でカセットをセットし仕事場へ。。
いくつかの公衆トイレを丁寧に掃除し、昼は神社の一角のベンチでサンドウィッチと牛乳。
カメラで木々の木漏れ日を一枚撮影。
仕事を終えて自転車で銭湯の一番風呂。
その後は駅地下の居酒屋で一杯。
長居はせず、家に戻り、眠りにつく寸前まで本を読む。
休日は部屋の掃除とコインランドリー。写真の現像と古本屋。そして特別な居酒屋へ。
ママ(さゆりさん)が素敵(^。^)
そんな毎日の繰り返し。。
何だろ、見ていてね。
や!!パーフェクトデイズじゃん!!って思ったね!!
平山の淡々とした毎日が愛おしく思えた。
小さな幸せに溢れていて、平山は自分で自分を幸せにする達人だと思った。
平山は古いアパートに1人で住んでいて、質素に暮らしている。
しかし、多くを持たなくとも、不幸には見えない。むしろ、好きな本、写真、植物に囲まれて幸せそうだ。
彼にとって大切な物を慈しみながら丁寧に生きているのが伝わってくる。
そんな彼の生活に他者の起こす小さな波紋が可笑しみやスパイスをもたらすのだけれど、平山は流される事なく、近づけず、近寄らずな距離で自分を保つ。
しかし他人に無関心と言う訳ではなく、チャーミングな面も見られた。
毎日同じようで同じ日は1日もない。
同じ場所から撮る木漏れ日も、1枚として同じに写る事はないのと同じだ。
日が変わる描写として、眠る前に映し出される木漏れ日に重なり、今日1日の中で、彼の心に残ったのであろうシーンが混ざり合う。
このモノクロの印象的なカットが繰り返されるのも興味深い。
平山の過去。
ニコや妹との少しの描写で、多くは語られないが、彼にも手に入れられなかった何か、手放した何かがあったのだろうと想像が膨らんだ。
そしてあのラストに繋がるのだから参ってしまった!!
(彼が選んだ古本は、ウォークナーだったり、パトリシアハイスミスだったり、幸田文だったり。。
博学そうなチョイスで、社会的地位の高い人物だったのではないかと思った。)
東京の描かれ方もステキだった。
アングルが美しい!
スカイツリーをメインに、首都高の複雑な曲線だったり、主役?の都内の様々なオシャレトイレも見所。
私も2箇所利用した事がありました!
(ちょっと良くわからなかった所。
ルーリードは良く知らないが、
パティスミス「Redondo Beach」って!この曲、ポップなレゲエみたいな変な曲だと思っていて、歌詞だって、レズビアンのカップルの1人が自殺するって曲〜!!
ど〜ゆう意味で使ったのかな( ᐛ )
色々書いておきたいのだけど、文才が無さすぎます(°▽°)
役所さん。多くを語らずとも平山に命を吹き込む演技が素晴らしい!
大きな出来事は起こらないのだけれど、グイグイ引き込まれていきました。
久しぶりに興奮してしまった。
仕事に対する考え方や、人生観や価値観までも変わってしまうような作品でした。
「今度は今度、今は今」って良いね♪
脇も個性派の役者さんを贅沢に使っていて驚いた!
あれ?もしかして?◯さんだった?!エンドクレジットで確認。キャットレディだってよwやっぱそうだったw
そしてタカシ(時生)は、
10段階で9!の割合でお金返さないと思う〜笑
ワンオペ確実の冬休み前に、凄い作品を観られました。がんばれそう。
2月のエリセの新作も楽しみだな〜♪
ゆきさん
はじめまして♪
私もの拙いレビューに共感頂き、ありがとうございます。
その後時間が空いてしまって失礼しました汗
この映画で反復される毎日、なぜか観ていて心が安らぎますよね!私もそう感じました。
毎日変わりなく過ごせることが幸せの源かも知れませんね。
ゆきさん、タカシが返さない確率に同感〜。
あの子ふりむいてもらえないのもなんかわかるような…。彼女、カセットを黙ってくすねちゃったけど、きちんと返しますからね。
もう一度聞かせてもらいたいと話す素直さと何かを抱える姿、いろいろ感じとって応じる平山さんの温かさが沁みるシーン、よかったです。
価値観を変える作品!いいですね👍
うん、タカシは金を返さないに、俺も一票です。悲しいけれど(笑)
繰り返す毎日を撮って、それでこれだけ俺たちを掴んで離さないってのは、凄い腕だと思います。
本作のビムベンダースか、「パターソン」のジムジャームッシュか、って感じでした!
ゆきさん コメントありがとうございます( * ॑꒳ ॑*)⸝
私も「今度は今度 今は今♩」ってのすごく良かったです。
平山に心を開いてて素直なニコちゃん可愛いなーとも思いました(*´꒳`*)
「窓際のトットちゃん」鑑賞したのですけど、役所さんは声だけでもまた、心に響く演技ができるのだと思い、またしても素晴らしいと思いました。
追伸です。
ゆきさんのレビューに、同じ日はない、木漏れ日も同じ瞬間はないとの記述があります。事実ですが、同様に、我々も日々、瞬間瞬間で変わっています。自分も変わっているという自覚は我々にはあまりないようです。
主人公が木漏れ日を毎日のように撮影していたのも、同じ木漏れ日はないという想いと、木漏れ日の写真を観る自分も変わっているという確認をする意味もあったと推察します。
ゆきさん、レビュー、コメントを読む限り、社交的というか社交上手に感じていましたが、一人が好きというコメントは意外でした。
では、また。
ー以上ー
共感ありがとうございます
私は、主人公が清貧生活をしていのるのは、
主人公を訪ねてきた妹の台詞から、
父親との壮絶な確執から解放されるためだと感じました。
清貧生活のなかでも、小さな喜びを見つけ心が満たされるようになったのは、主人公の成長の証だと思います。
しかし、人は人との絆を糧にして生きていくものです。
妹が間接的に父親との和解を提案しましたが、主人公と父親は性格と確執の影響で和解は難しそうです。
ならば、いまの、距離を置く人間関係を止め、濃密な人間関係が築けた時、主人公の人生は本当に豊かになると感じました。
フィクションですが、主人公の人生の好転を祈らずにはいられません。
では、また共感作で。
ー以上ー
本作、未見ですが、
無常な人生を、不変的に生きていこうとする男の物語のようですね。
そそられる設定ですが、現在、家族がコロナ感染中なので、鑑賞するとしても来年ですね。
では。
ー以上ー
再コメント再感謝です笑(ココのコメント機能どーにかして欲しいですよね…)
ゆきさんのレビューの熱量の真逆のレビューで申し訳ありませんでした苦笑 少しだけちゃんと書いてみると、彼は"拗らせ男子"なんですよね。だから一見"清貧"に見えるのにアパートの一階は…。やけ酒シーンも含めて其れ等の"等身大"な描き方と演じ方に拍手喝采でした。無理に善人にしなかったのが良かったかな(風呂屋の暖簾待たないしね笑)。
こんなやり取りをさせて頂いた事と、その流れで"お代わり"したくなった事に感謝多謝でございます😊
いつもコメントありがとうございます。
エルレ、伝わって嬉しいです。
「生活はカツカツだけど、独りだなんて言わないで」とか、「完璧な日じゃないけど、今さらだろ」とか…
平山の生活が幸せだけだとは、どうしても思えなかったんですよね。
でもそういったものを抱えてるからこそ、彼の優しさや寛容さに深みが出るのだと思います。
おはようございます。
コメント、ありがとうございます。
私事で恐縮ですが、学生時代に友人から勧められて聞いた”ヴェルヴェット・アンダーグラウンド”に嵌っていましたので、(で、当然その後ソロになったルー・リードも好き。)ゆきさんと同じく楽しみにしていた作品でしたが、予想を遥かに上回る映画で、久しぶりに余韻に浸りました。
で、ゆきさん。あのお洒落なWCを使った事があるんですねえ。吃驚。ワンオペの仕事、頑張って下さいね。では。
ゆきさんのレビュー、惹き込まれました。
熱量が伝わってきます!
>仕事に対する考え方や、人生観や価値観までも変わってしまうような作品でした。
まさに。あきらかに価値観に変化が生じました。
コメントありがとうございます!
身に余るお褒めの言葉をいただき恐縮しています(汗)
本当に、平山は自分を大切にする達人ですね。私もこういう目線で生きてみたいと思えました。
タカシやその恋人、ママさんと元夫のエピソードもいいし、マルバツゲームのやり取りや昼休みの境内のOLなど、かすかに心を揺らす一見ささいなことまで丁寧にすくっていて、それがまた効果的で、心に沁みました。