「巧みで手堅い、でも凡作」メイ・ディセンバー ゆれる真実 milouさんの映画レビュー(感想・評価)
巧みで手堅い、でも凡作
家庭をもつ中年女性が、パート先で出会った少年と恋に落ちる。未成年者と関係をもったことが発覚して逮捕・収監されるが、なんと女は少年の子供を妊娠していることが分かり、収容先で出産する。全米をさわがせる大スキャンダル。しかし女は出所後に少年と正式に結婚し、幸せな家庭を築いていた。これを映画化する企画がもちあがり、主演女優が二人の家を訪ねてくる…。
中年女性がジュリアン・ムーア、女優役がナタリー・ポートマン。二人とも、アクターズスクール的な観点からは演技者としてほとんど完璧に近い。トッド・ヘインズのカメラもさすがに手堅くて、随所にへえっと感心するような巧みなショットが織り込まれる。夫婦の食卓、不倫現場の跡をたどって性的高揚を想像しようとする女優、鏡を何枚もつかった衣装店での洋服選び、どれも立派。
でもなあ、秀作になっているかというと、ちょっと遠いんじゃないですかね。根本的には脚本の問題だと思うんだけど。
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